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怖いもの

今の世の中は恐怖という感情が強い力を持ってしまっている気がする。恐怖に支配された世界、ってどこかのSF映画みたいだ。

人間は怖いという感情に弱い気がする。恐怖が強くなると理性的な判断ができなくなりおかしな行動を取るようになる。それが社会全体に広がると世の中がいつの間にかおかしな状況に陥ってしまう。それを見て私はいつも、ああ人間って脆いなぁと残念な気持ちになる。

私が怖いものは何だろう、とふと疑問に思った。前にも書いたと思うけれど私が一番恐れているのは自由を奪われることだ。あとは一生ひとりで孤独に生きて孤独に死ぬことかな。パッと思いつくのはそれくらいしかない。ウイルスや暗闇などのわかりやすい事象は私にとっては本気で恐れる対象にならない。それよりも概念的なことに恐怖を感じる。

私は昔から物事を分析して原因とか仕組みを理解するのが好きだ。そうやって物事の本質を掴むとたいていのものは恐るるに足りないものだという結論に達する。極端な話、私は死ぬことさえ怖いとは思っていない。死というのは誰にでも等しく訪れる事象で避けられないものだ。それを恐れてビクビクしながら生きるのは私にとってはナンセンスだ。

怖いものがないと平気で無謀な行動をとったりする。慎重になるべきところでも気にせずに突き進んでしまうこともあるので、結果的に自分の身を守れずに災難に見舞われることもある。恐れて萎縮して行動できないのも問題だけれど、何も恐れず無茶をして窮地に陥るのも問題だ。私は間違いなく後者だ。

危険な状況に自ら進んで突入してしまうリスクはあるけれど、それでもやっぱり怖いから何もしないのでは向上や発展もない。だから私は怖いもの知らずで突き進む方がいいと思っている。まあいずれにしても私はじっとしているのが苦手で、やりたいと思うことがあったら即行動しないと気がすまない性格なので、「怖いもの」とは関係なく気の向くままに好きなことをしてしまう。だからそういう行動を阻害されるような抑圧が私にとって一番「怖いもの」なんだと思う。

話は飛ぶけれど、こんな性格だから私はやっぱり医者にならなくてよかったなぁと思う。怖いもの知らずで自分の命を落とすのは自己責任だから別に問題ないと思うけれど、他人の命が関わる場面では大問題だ。だから人の命を預かるような職業は私には向いていない。

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