【ミシック1位達成】APMヴァドロックデッキガイド

自己紹介(INTRODUCTION)

初めまして。ロマネスクです。
この度MTGA構築ランクにおいてミシック1位を到達致しました。
デッキ名称の由来はAPM(Actions Per Minute)で操作量の多さを表しています。
(過去に私が作ったハースストーンのデッキでも同様の名称が使われています。
https://beerbrick.com/2018/10/12/boomsday-legend-romanesques-combo-priest/)
外人に英語のデッキガイドをお願いされたのですが、難易度が高いので翻訳しやすい日本語を心がけます。
早速ガイドに移ります。

デッキリスト(DECKLIST)

画像1

【アリーナコピペ用】
デッキ
1 冠雪の平地 (KHM) 277
4 雷の頂点、ヴァドロック (IKO) 214
3 戦利品奪取 (KHM) 149
4 領界路の開放 (KHM) 143
4 黄金架のドラゴン (KHM) 139
3 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
4 連門の小道 (KHM) 260
4 針縁の小道 (ZNR) 263
4 河川滑りの小道 (ZNR) 264
1 語りの神、ビルギ (KHM) 123
2 棘平原の危険 (ZNR) 166
3 伝承のドラッキス (IKO) 194
4 非実体化 (M21) 82
2 冠雪の山 (KHM) 282
2 送還 (M20) 78
2 冠雪の島 (KHM) 279
2 栄光の探索 (KHM) 27
2 寓話の小道 (M21) 246
1 スカルドの決戦 (KHM) 229
3 両生共生体 (IKO) 63
2 海駆けダコ (IKO) 66
3 プリズマリの命令 (STX) 214

採用カードの解説や調整については後述します。

プレイ動画(PLAY MOVIE)

いくつかあげてます。
https://www.twitch.tv/romanesque_
配信に人がいなすぎて他の配信を見ながらプレイしていることも多いので、音声が不快な場合にはミュートしてください。

デッキの動かし方(HOW TO PLAY)

まず基本的なこのデッキの勝ち筋は、
「ループにより無限マナ・無限ドロー・無限ダメージを発生させて勝つ」です。

その為に必要な工程は以下の通りです。

①ヴァドロックの変容能力で領界路の解放を0マナでキャストし大量のマナを生み出す。
②バウンススペルで変容クリーチャー群をまとめて回収し、生み出したマナを使って再度ループを開始する。
そして、①~②の間に他のスペルを打ったり、余剰マナを生み出すことでループを打点やドローに変換していきます。

具体的な無限ループの成立要件を全て記載するのは難しいので、代表的な形をいくつか紹介します。

①黄金架のドラゴン型

【条件】
黄金架のドラゴン+ヴァドロック+(ヴァドロックorドラッキス)
墓地か手札に領界路の解放(プリズマリの命令)+バウンス

【手順】

A.黄金架のドラゴンにヴァドロックを変容
B.墓地から領界路の解放をキャスト (解放4マナ+宝物1つ=6マナ分)
C.ドラッキスを変容 (解放2マナ+宝物1つ=4マナ分)
D.墓地から領界路の解放をキャスト バウンスを回収 (解放6マナ+宝物2つ=10マナ分)
E.宝物のマナからバウンスを黄金架のドラゴンにキャスト (解放6マナ+宝物2つ=10マナ分)
F.黄金架のドラゴンを再度キャスト (解放1マナ+宝物2つ)
A. 以下ループ

A~Fの流れで5マナ(バウンスが送還なら6マナ)を生み出すことが出来た上で、最初と同じ盤面になりました。
ヴァドロックの変容コストは4マナなので1~2マナ増えていることになります。
この手順を繰り返すことで無限マナを生み出せます。
無限マナがあれば領界路の解放をキャストする必要が無いので、バウンスを相手に打つことで盤面をリセットしたり、墓地に何かしらドローや打点スペルがあれば無限ドロー・無限打点が成立します。

理想的な流れとしては
3ターン目:プリズマリの命令or戦利品奪取で宝物を生み出しながら手札を調整
4ターン目:4マナ+領界路の解放で宝物を温存して黄金架のドラゴンをキャスト
攻撃後に宝物2つを使ってヴァドロックをキャストしてループ開始
という4キル手順です。

基本はこのループ手順をベースに
領界路の解放が無い場合にプリズマリの命令で代用するケース(宝物生成+2点をドラゴンに対象にすることで宝物を2つ生み出せる。バウンスが送還なら無限が成立)
戦利品略取で代用するケース(変容クリーチャーが追加でさらにいれば無限が成立)
棘平原で代用するケース(3回までドラゴンに打てるので変容クリーチャーが多ければ一応可能)
など手札や墓地の状態によって無限ループが可能になるケースは多くあります。
また、時には無限ループが確定していない状態で、ドロースペルからループを成立させに行くチャレンジが必要な時もあるでしょう。

黄金架のドラゴンはバウンスを構えることで除去を回避しやすいのも特徴です。
無情な行動などの対象を取るスペルにスタックしてバウンスをキャストすると宝物が増えるので次ターンにその宝物を使ってループが可能になることもあります。

②ベビーゴジラ型(両生共生体型)

【条件】
ベビーゴジラ+ヴァドロック+ヴァドロック
手札か墓地に領界路の解放+バウンス

【手順】
A.ベビーゴジラにヴァドロックを変容
B.ルーティングで解放を捨てて解放をキャスト (解放4マナ)
C.ヴァドロックを変容 (解放1マナ)
D.ルーティングでバウンスを捨ててバウンスと解放をキャスト (解放5マナ)
E.ベビーゴジラをキャスト (解放3マナ)
A.以下ループ

以上の流れで再びヴァドロックがキャストできるので、無限ルーティングが成立します。
ルーティングの中でさらに追加の変容クリーチャーや栄光の探索を見付けることで無限マナ・ドロー・ダメージに繋げます。

ベビーゴジラ型の最大の特徴は開始マナの安さ
最速で2ターン目にベビーゴジラキャスト、3ターン目にループ成立の可能性があります。
また、4ターン目に空の盤面から領界路→ベビーゴジラ→ヴァドロックと突然のループスタートがあり、対応が難しいです。
3ターン目に宝物を生み出せなくともリーサルの可能性があるので、相手の安易なタップアウトを許さない点ではドラゴン型よりも優れています。
一方で、除去耐性の無さや要求札の枚数が厳しいという弱みもあります。
ドラゴン型では出来た、宝物を使って領界路の代用とする手順がかなり難しくなっています。
ルーティングがあるのでループが未確定でもスタートすることは可能ですが、ループ失敗の結果バウンスも構えられず、返しに除去されてコンボパーツを大量に失うことは避けなければなりません。

③ビルギ型

【条件】
ビルギ+ヴァドロック+(ヴァドロックorドラッキス)
墓地に領界路の解放とバウンス

【手順】
A.ビルギにヴァドロックを変容 (赤1マナ)
B.領界路の解放をキャスト (解放4マナ+赤2マナ)
C.ドラッキスを変容 (解放2マナ+赤3マナ)
D.バウンスをキャスト 解放を回収 (解放2マナ赤4マナ)
E.ビルギをキャスト (赤3マナ)
F.領界路の解放を手札からキャスト (解放4マナ赤1マナ)
A.以下ループ

これで赤マナと解放マナは無限に出ます。
ビルギ型はバウンス用の青マナの確保に難儀しますのでご注意ください。
少し他と比べると効率が悪いですが、ループは可能です。
ビルギは栄光の探索から持ってこれるカードなので、ヴァドロックを全て回収した後に最後に持ってくるカードとして非常に有力で、大量にマナを生み出すので他ループの必要ループ回数を大幅に削減できます。

また、裏面も強く、マナフラットしてしまった時にそれを一気に有効札に変換して無理やりループを成立させることも可能です。
ビルギを2枚以上採用する場合、ビルギの上に変容してから別のビルギを出すことで、毎回2マナ生み出せるという小技もあります。

④その他汎用的ループ

【条件】
変容元クリーチャー+ヴァドロック+ヴァドロック
墓地に栄光の探索と領界路の解放

【手順】
A.変容元クリーチャーにヴァドロックを変容
B.領界路の解放をキャスト (解放4マナ)
C.さらにヴァドロックを変容
D.栄光の探索と領界路の解放をキャスト (解放4マナ)
E.栄光の探索からヴァドロックをサーチして変容

上記の手順によりデッキのヴァドロックを全て回収しながら変容することが出来ます。
土台となるクリーチャーを選ばない汎用的な動きです。
墓地に十分なスペルがあればドローやダメージになりますし、栄光の探索から最後にビルギをサーチし、墓地からバウンスを唱えることで③のビルギ型につなげることもできます。


上記はあくまでも基本例であり、様々な派生形がありますので、常に手札と墓地を見ながらループは可能か、また何が来ればループが可能になるのかを考えながらプレイするようにしましょう。

採用カード&調整

基本的には役割を複数担うことが出来るカードを採用したいです。

【クリーチャー】

・ヴァドロック 4枚
コンボに必須なので絶対に4枚
アグロ相手に3/3飛行先制攻撃というスタッツの強さで活躍することもあります。
アグロ相手に雑に出した結果、除去されてコンボターンが遅れると逆に不利になるので、出してよいかは慎重に検討しましょう。

・黄金架のドラゴン 4枚
変容の土台としての性能の高さに加えて、ただ出して殴っているだけでも強いという単体性能の高さから4枚採用。
3ターン目に戦利品奪取やプリズマリの命令から宝物を出すか、領界路の解放から4ターン目に着地することが多い。

・ベビーゴジラ 3枚
1/3のスタッツは2マナで素出しした時に赤単や白単への抑止力としてそこそこの性能があります。
変容するクリーチャーが必要で、単体で被ると弱いので3枚

・ドラッキス 3枚
基本はコンボパーツで素出しすることはほとんどないです。
墓地からバウンスを回収することで変容クリーチャーを守る性能が高いのが特徴。
黄金架のドラゴンに実質0マナで変容できるので、墓地からバウンス回収してターンを渡す動きは頻発します。

・海駆けタコ 2枚
ベビーゴジラがいると青1マナで変容でき、領界路の解放で生み出す4マナからヴァドロック+タコの2枚ともキャストできる。
これを利用して、
ベビーゴジラ→ヴァドロック(領界路の解放)→タコ(栄光の探索からヴァドロック)→ヴァドロック(栄光の探索+領界路の解放)→以下さらにヴァドロック
という動きが可能。
コントロール相手に素だしして除去を使わせるのにも良いが、青2マナは結構マナが大変なので注意。
瞬速で唱えられるので、相手のターンにヴァドロックの上に変容することが可能。実質バウンスを構えているといってもよい。
時間切れで相手にターンが回ってしまったときに相手ターンでリーサルを出したりもする。

・ビルギ 1枚
自身が土台としてコンボに使えるだけでなく、コンボの脇に添えることで無限ループの速度を大幅に向上させることが出来る。(領界路の解放をキャストする枚数を減らせる)
栄光の探索からサーチできるので、ヴァドロックを回収しきった後に最後に持ってくるカードとして使う。

【バウンス関連】

・送還 2枚
BO1専用カードですが1マナのバウンスは優秀。
MTGA以外だと使えないので別のバウンスと互換することになる。

・非実体化 4枚
疑似的に打消しとしても機能するカード
無限ループが時間切れで終わっても、とりあえず非実体化を手札にいっぱい持っておけばどうにでもなる。
使い道の幅が非常に広いので4枚採用

【ドロー関連】

・戦利品奪取 3枚
3ターン目にキャストして4ターン目に黄金架のドラゴンにつなげる動きは非常に強力。
先にカードを捨てる都合上、捨てるカードには悩まされる。
ヴァドロックで唱えると手札が増えるのが素晴らしい。
役割の近いプリズマリの命令と合わせて6枚採用

・プリズマリの命令 3枚
戦利品奪取と役割がかぶるが、こちらは軽量除去として機能したり、ループで顔にダメージをあてたり出来る。
黄金架のドラゴンに打つことで領界路の解放の解放の代わりとしてコンボに組み込むことも可能。
ドローが先に見れた上で捨てられるメリットがある一方で、手札が減ってしまうという大きなデメリットがある。
ヴァドロックでループしているときに手札が増やせないのはかなり厳しい。

・栄光の探索 2枚
ヴァドロックをサーチ出来るカード
墓地からマナ補充と合わせてキャストすることですべてのヴァドロックを回収できる。
たまに回復がありがたいこともある。

・スカルドの決戦 1枚
カードの性能は高いものの、重いカードも多いので少し使いづらい。
栄光の探索からサーチできるドローとして1枚のみ採用。

【マナ関連】

・領界路の解放 4枚
コンボのキーパーツ
無限ループの最後に黄金架のドラゴンの攻撃力をあげてリーサルにすることも多い。
2枚目以降は不要なので雑に手札コストとして捨ててもいい。

マッチアップ(MATCH UP)

環境によくいる4つのデッキタイプとのマッチアップを載せます。

vs白単(有利)

基本的に盤面以外からの打点が飛んで来ないので相手のキルターンが計算しやすいです。
インスタントタイミングでの妨害がかなり少ないのでコンボが止められることは少ないです。
救助犬がバウンスには無力なので、一番大きなクロックをテンポよくバウンス出来れば大体勝てます。
特にスカイクレイヴの大槌の対象をバウンス出来れば最高です。ある程度マナが伸びてしまうとアルセイドのプロテクションを構えられてしまうのでバウンスは早めに切っても大丈夫です。
ヴァドロックは素だししてもスカイクレイヴの亡霊に取られると辛い上、大槌を付けられてクロックが止まらないことも多いので極力避けましょう。
亡霊トークンの下に変容すると相手はかなり触りづらいので覚えておきましょう。
白単ライフゲインのヘリオッドは、クロックが大きい上に信心を減らす除去が少ないデッキなので特に気を付けましょう。
プリズマリの命令で野心家を取りやすくなったので少し戦いやすくなったと思います。

vs赤単(有利)

バウンスをアナックスやトーブラン、ミシュラランドに当ててテンポを遅らせられれば勝てます。
バウンスが無いと相手の宝剣に間に合わない事があります。
小粒を横展開される方がつらいことが多いです。
プリズマリの命令で義賊に触れるようになったのでマッチアップがかなり改善された気がします。
霜噛みが辛いですが無ければアナックスが止まるのでヴァドロックを素だしすることもあります。

vsスルタイ根本原理(ヨ―リオン)(有利)

相手の7マナまでにコンボを決めきるか、無理なら非実体化を構えたいです。
コンボ開始は耕作や古き神々の束縛・根本原理でマナがタップしたターンか、除去を非実体化で妨害できるターンがベストです。
エルズペスの悪夢のハンデスと墓地追放が結構きついです。
壁としての役割は不要なので、直近で変容する予定が無いのであればベビーゴジラはコンボに残しておきたいです。
今までは根本原理を通してしまっても、次のターンにコンボを決めれば間に合うことが多かったのですが、オニキス教授の登場でヴォリンクレックスから奥義されて負けることが増えました。

vsディミーアローグ(ルールス)(不利)

除去をバウンスで補っているので刺さらないローグは非常に厳しいマッチアップです。
また、カニに一切触れないのでひたすらLOされ、ヴァドロックがデッキからなくなると勝ち筋が一気に減ります。
自分から墓地にカードを捨てるのも墓地カウントを助けてしまいます。
打消しや除去も多くコンボも決まりづらいです。
逆に墓地にスペルが貯まりやすいので、除去や打消しがなくコンボが決まりさえすれば勝てます。
あとはコンボは捨てて黄金架のドラゴンで殴り倒すのも有力です。

おわりに

初めてのミシック1位を経験させてくれたこのデッキに感謝です。
このデッキリストが誰かの助けになれば幸いです。
何か不明な点や、記載してほしい点があればご連絡ください。

それでは!

追記ゾーン

他人が回しているのを見る機会が増えたので、気になったプレイミスをまとめました。

・ドラッキスとヴァドロックの変容能力のスタック順について
ドラッキスの変容能力は強制発動です。
スタック順を誤ると墓地からキャストしたいカードを手札に回収してしまう可能性があります。
また、逆に戦利品奪取で捨てるカードを先に手札に回収するパターンもあります。

・OTKにこだわりすぎてる
OTKを狙って時間が切れるよりは、盤面を更地にして非実体化を構えるだけで良いパターンも多いです。間に合わないと思ったら早めに方針転換しましょう。

・ビルギ型にヴァドロックからバウンスを打つ時の順番
ビルギが戦場を離れると赤マナを生み出さなくなるので、バウンスは最後に発動するようにスタック順を調整しましょう。

・栄光の探索について
墓地に領界路の解放と栄光の探索がある状態で、ヴァドロック2回誘発できれば、とにもかくにもヴァドロックサーチ+マナでヴァドロック全部引く方が良いことが多いです。
素で使うときもよっぽど他にほしいカードがある場合以外はヴァドロックのほうが良いことが多いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?