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釜山コンへの道 後編 コンサート当日

2022年10月15日(土)コンサート当日。晴天。
朝になった。とうとう 3 か月準備してきたコンサートの日が来てしまった。朝ごはんに昨日買ったあんパンを食べるつもりが二人とも手が止まったまま。胸がいっぱいというか全然お腹がすくと言う感覚がない感じ。仕方ないのでコーヒーを飲んで出かける準備をする。まずは本日の衣装を手に入れるためにコンサート本会場のアシアド競技場にある物販ブースを目指す。会場まで宿のある通りからバス一本乗り換えなしで行ける。最高の立地だわ!コンサートのチケットさえあれば…まだ言う…。

10分くらいでバスが来る。バス停には土曜ということもあってかトレッキング姿の方が多い。少し坂になっている道をほぼまっすぐ上ってゆく。満員のバスは猛スピード。しっかり何かにつかまっていないと相当危険だ。20 分くらいで最寄りのバス停到着。時刻は午前 10 時を過ぎたところ。同じバスに何人ものアミがいた。下りるとすでに道路脇の街灯にずらりとフラッグ広告がはためいている。こっちはVであっちはJK。これらは公式のものではなく個人や各国のファンダムが出している応援広告だ。お祭りムードいっぱいの道を会場に向かって急ぐ。
周辺の賑わいの写真を撮りつつ会場 2.5キロ圏内に入ると注文できる公式ショップのサイトで今回のツアーグッズの購入。ハイテク(死語)。オープンしたWEBショップの商品ラインナップを見て小さく叫び狂いそうになる。ツアーグッズの他にちょっと前販売して受付終了していたグッズの販売もしている。コンサートのため出費も多いからと我慢してたのになんというトラップ。もちろんひっかかる。笑顔で決済ボタンを押す。これであとは受け取り列に並べば確実に商品をゲットできる。受け取り場所を探しつつ向かう。その間にうねる長蛇の列。何の列かわからないのでそこに並んでいる日本の方に聞くと「なんだかわかんないんです」と言われ困惑。はやく誰かに聞いたほうがいいぞ!と思いつつそこを離れる。会場はまだ午前中にもかかわらずすごい人。人ごみをかき分け何とか物販受け取り列に並び、受け取りを完了。さっそくコンサートTを着込む!これで準備は万全だ。

看板や会場の写真撮りつつ移動。いろいろなコンサートのスポンサーが出しているブースを見たり、並んでそれぞれのグッズなどもらう。移動の途中話しかけられて、たくさんの方に手製のカードやステッカーを頂く。自分たちもいそいそとお菓子を差し出す。そして噂に聞いていた名だたるマスターさん(話すと長くなりますので手短に。非公式ですが、それぞれのメンバーにはそれぞれのマスターさんと言われるファンがついており、写真や動画を撮影して Twitter やYouTubeを運営されている)のグッズの配布などある。この時はすっかり祭りの雰囲気にのまれ、あわあわだったのですが一番気になっていた方のお水をいただけて本望。
会場周辺を徘徊しているとホームセンターに着く。入り口前の広場で偶然バンタンキャラグッズのポップアップを発見し、吸い込まれるように入る2人。j-hope(ジェイホープ)キャラのカチューシャが欲しいと言っていたTwitterで知り合ったアミ友の顔が思い浮かび連絡して購入。もちろん自分用にも日本で買えないよ!と呪文のように唱えつつ、いろいろ購入。いろいろなリミッターが外れている自覚はあるが外れているので止まらない。

そこまで休みなく動いてたのですが、さすがに時刻はお昼前、朝ほぼ抜きの自分バッテリーが切れそうになっていたので何か食べねば…。ごった返すホームセンターのフードコートでテイクアウトで食べられそうなのは映えそうな卵サンドくらいしか見つからないが迷ってる暇はない。購入し、公演会場のサブの競技場の日陰の階段に座り込みエネルギー補給した。食べ終わり、ふとお財布の中の交通カードを買ったばかりのキャラパスケースに入れようとしたとき事件が起こった、というか起きていた。ない。私の交通カード。事前に悩みに悩んで取り寄せて買ったピンクのうさぎカード…物販を買ったときに落としたのかも…と思い、人混みの中物販の周辺まで戻り、警備の方に聞きまくった「ピンクのうさぎの交通カード落とし物にありませんでしたか?」って。いろいろ聞いて回ったが届け出されておらずがっくりしつつ、パスポートやチケットではないのだからと言い聞かせて、会場を離れることに。

いったん荷物を置きに宿に帰ることにしたが、せっかくなので行きとは違う交通手段を使おうと地下鉄で帰ることに。会場最寄りの地下鉄駅がどえらいことになっているとは聞いていたが…行ってみると口が開く。折しもコンサート2日前、10月13日は JIMIN(ジミン)の誕生日。釜山出身ということもあり、町中にお誕生日をお祝いする広告があふれていたが、今回のコンサート会場の最寄り駅の気合の入り方はすごかった。通路両側何メートルも行っても行っても JIMIN!みなさん写真・動画思い思いに撮られている。もちろん私も動画・写真でしっかり撮影。ほかのメンバーの広告写真も多数。祭りだ。そもそも誕生日広告って何?ですよね?Kpopではメンバーのお誕生日に広告を出すっていう文化があるのもバンタンを推し始めて知った。最近では日本国内でもこういった応援やお誕生日広告が見受けられるように。もちろん日本以外でもタイムズスクエアやブルジュ・ハリファなどの世界的な有名スポットにもバンバン出ます。人気の凄ましさをまた感じるシーンだった。

駅での広告撮影を堪能し、さあ電車でピッといこうって、だめだ、私カード落としたんだ…がっくし…となり慌てて切符を買う。乗り換えどうするのかな…と路線図をながめていると、三揃いのスーツをお召しのすらりと背の高い老紳士が話しかけてくる。どうやらどこまで行くのか聞かれている。駅名を言うと自分もそこに行くからついておいでとエスコートしてくれる。あれよあれよと連れられ乗り換えして目的駅に。じゃあね、とさっそうと歩き去っていくおじいさま、かっこよかった!ありがとうございます!

宿に荷物を置き、気持ちも整理していざ、LivePlay 会場のある釜山駅に向かう。電車一本でいけるので駅に向かう。途中コンビニで交通カードを買おうとするもない…なぜ?何件目かで「バンタンのが欲しいの?」と聞かれるので「え!あるの?」と期待して聞き返すが「ないよ」おおい!なぜ聞いた!!
説明しよう!実は渡韓数日前に新しい バンタン柄の交通カードの発売情報があったのだ。なのであるのかと思ったよ…まあそう、うまくいかないよね。「もうあるのでいいからちょうだい!」と購入しチャージする。コンビニの店員さん、いっぱい聞かれたんだろうね…でもさ、あれほど潤沢に在庫しとけってツイートしたのに全然在庫してないじゃんよ!(誰も見てない)
その後コンビニに張り紙で「BTS 交通カードないです」みたいなのもよく見た。だから在庫は潤沢にって言ったのにさ…(届いていない訴え)てか私のうさぎカードどこに行ったんだろうね。くすん。まだ落ち込んでいる。
心を落ち着かせようと最寄りのおしゃれカフェでカフェインをチャージする。オリジナルのアインシュペナーの上のクリームが甘く五臓六腑と脳に沁みる。
諸々のバタバタが嘘のように時間が止まってるかのようなカフェタイムでしっかり充電。

その後、西面駅から釜山駅へ向かう。失ったうさぎカードに代わりよくわからない電球柄の交通カードを手にした私はピッとして電車に乗る。乗り換えなしですぐ到着。かざして改札を抜けようとしたが…なぜか通らない。何度もピッとさせてもダメ…なんでこんなうまくいかないのよ。焦っていると後ろからおじいさまがすっと自分のカードを差し出してピッ。「行きなさい」と合図。通らせてもらえた。何事もなかったようにおじいさまはいってしまわれた…こういうさりげない親切本当にたくさんもらった。まあ、私がもたもたしてて邪魔だったんだろうけど。それにしてもとっさになかなかできないと思う。ありがとう、おじいさま(本日二回目)

釜山駅に到着し、周りを見渡しつつ移動。こちらも JIMINの誕生日広告はもちろんコンサートの応援のための広告があふれている。コンサートグッズを身に着けた仲間のアミであふれる駅。広告撮影を堪能していざ会場へ。会場は港の駐車場。駅を抜けてどんどん歩く。海には客船が見える。人の群れのがどんどん多くなる。会場に到着。まずはインパで予約した画面のプリントアウトとパスポートを持ってチケット引き換え列に並ぶ。列は氏名の頭アルファベット別になっており、該当の列の後尾につく。本会場の恐ろしいうねりの列を見ていたからかあっさり先頭に到着して拍子抜け。本人確認してチケットを受け取ると別の方が手首にリストバンド(紙製、Yet to Come パープル)を巻いてくれた。気分があがる。これが会場ではチケット替わりだ。このタイミングで Twitterで知り合ったNちゃんに連絡。今回知り合った最年少のNちゃんに会えて感動のあまりハグ。すぐハグする悪い癖出る自分。そして先程ゲットした推しキャラカチューシャを手渡した。ミッションコンプリート!デジタルのお付き合いがこうして直接会えるなんて不思議な気持ちが再度あふれる。連絡がついて昨日会ったLちゃんたちも合流。記念写真を撮りお互い楽しもう!と会場に入った。
会場をざっと見渡しただけでもいろんな方がいる。年齢はもちろん、飛び交う言語も多彩だ。今回インパでのチケッティングで海外勢は本当に苦戦したため、本公演に比べて港のビューイング会場に海外勢多い。ちょっと集まって話しているといろんな方に声を掛けられ、プレゼント交換する。これ本当にいい習慣だなぁ。直接会えなくてもこうしてビューイングに参加する熱量のファン同士が笑顔で挨拶するこの空間が何ものにも変え難い。楽しもう!とそれぞれの席へ向かう。
海を背にした大きなスクリーンにはずっと 歴代のMVが流れている。私は前から30列目くらいの席。隣は若い韓国の女性、反対隣りは空席。残念だったけどこのまま終わりまでお隣は空席だった。
だんだんと暗くなる空。開始時刻が迫る。18 時、MVが切り替わりカウントダウンが始まる。本会場の舞台が映し出され大歓声が上がった。メンバーが登場する。名曲(曲全部に付く修飾語)MIC DROP のイントロが響いた瞬間さらに歓声が大きくなる。祭りが始まった。ライブの内容は詳しくは書かないでおく。ただ会場いっぱいの人が歌っている。ここの歓声や掛け声はまったくメンバーには届かないのに。でも曲のスタートにメンバー7人の名前をみんなで叫ぶ。通称コール。みんな歌う。私も歌う。画面いっぱいに各メンバーがでるたび歓声が上がる。JKが出た瞬間後ろの席の誰かが「Why he is so sexyyyyy」と叫んだのを聞いて「あれ?心の声が漏れたのか?」と思ったがきっとみんな同じことを思っていたはず。
次々と曲のイントロが流れるたびにため息と歓声が混じる。どの曲にも思い入れのある人がいる。何度か泣きそうになって、画面がにじんでよく見えなくなるから必死で泣くのを我慢した。画面越しにも伝わるメンバーの気合の入ったパフォーマンス。目に焼き付けなくては。途中メンバーのコメント一つ一つを聞き逃したくなくて必死で聞いた。わかる、わかるよ、私。それが本当にうれしかった。語学を頑張った20代の自分を撫でまわして褒めたい。そしてこの3年間たくさん見たドラマやバラエティは無駄になってなかった。なんて言ってるのか知りたいというのは語学をいちばん伸ばすなと再確認した。もう一つは相手に思いを伝えたいっていう気持ちだね。いつの日か、万が一ばったり会った時にファンです!って言わなきゃだから!
一曲一曲をかみしめつつ聞いたはずなのにもう終わる。とうとう終わる。始まるまでは長く感じた準備期間も始まってしまえばあっという間で。祭りがおわる悲しさと、やり切った達成感で胸がいっぱいになった。ああ、私はうまく祭りの一部になっていただうろか。

終わっていく中、新たな目標ができた。次こそコンサートを直接見たい。今回参加して思ったけど、体力がかなりいるから健康で長生きしていかなきゃな。
そして今回の釜山で自分の推している人たちのすごさを再確認。推していることをうっすら隠していた自分が解放されて押しも押されぬアミになったなと実感。これからは自由に推していこうと思った。覚醒。

長かった釜山コンへの道これにて終幕

ここからおまけのその後

コンサートの後、宿の最寄り駅まで戻って 10時前。疲れた体にはやはりあれだ。テジクッパだ。前日と同じエリアへ。せっかくなので違う店を選択。前日の店より味濃いめ・油多めと店それぞれで違うものだなと思った。
おなかいっぱいで宿へ向かう道で前方から 2 人組の女の子。持っているバッグがバンタンのメンバー顔柄で思わず Yが「かわいい!」と声をあげた。それを聞いたその子たちが日本語で「ありがとう!」と答えた。自分で作ったのか?どこから来たのか聞くと自分で作ったと、インドネシアとのこと。最後の一つになっていたお菓子を渡して別れた。同じグループが好き!海外までコンサートに行こうとやってくる熱量!それだけでこんな楽しく話せる。なんて素敵なことだろう。笑顔で宿に戻りYはビール、私はとうもろこし最中アイスとお茶で乾杯した。
その日は興奮していたけどぐっすり夢も見ずに寝た。何か月ぶりの深い眠りだった。そして寝坊もせずすっきり朝が起きた。

空港へ向かうその前に宿の近くにあった市場に。いつもの最重要目的の食に全然触れていなかったので最後に少しだけ。活気の中、キンパ(海苔巻き)、唐辛子粉(キムチ用)、スッカラ(スプーン)を買う。魚や野菜に絶対今度会おうねと念を押して別れた。さあ元気に帰るまでが遠足…日本に帰ろう!

最後に

長い文章読んでくださってありがとうございます。これはいちファンが自分のために自分の経験と感情を書き残したものでそれ以上でもそれ以下でもありません。皆さんが楽しく読んでいただければ幸いです。その時々に調べた情報なので全てはその時の情報です。情報は常に変化しておりますことご了承ください。

私的な記録なので私的なメッセージも追加しときます。

一緒に行ってくれたY…あなた以外の旅の連れはいなかった。本当に一緒に行ってくれてありがとう。一生思い出す旅になったよ。

Twitterで出会って現地で会えた皆様。この奇跡は一生の宝。これからもよろしくね。
Lちゃん、Aちゃん、Nちゃん!

会えなかったけどいっぱい励ましてくれたり情報をくれた人たちもたくさん。あなたに会える日を楽しみにしてる。今後ともどうぞよろしくね!

チケットが取れないって落ち込んでる私がチケッティングのために渡韓する人もいるんだってーと言ったら「行ってきたら」と即答した心広すぎる家人。最大限の応援、本当に感謝。今後とも…よろしく!

おまけの後日談

釜山から帰り、コンサートの終わりを待っていたかのように公式から 7人での活動が一区切りを迎えるお知らせ。長男JINの兵役の案内が来る。完全体7人で活動再開は 2025 年中を目指しているとのこと。それまでは個人活動中心に活動。入隊はJINから始まりそれぞれのタイミングで兵役に行くことになったらしい。

7人のコンサートを楽しみにしつつ 2025 年までとりあえず健康を維持しつつ生き延びなくてはなと固く誓った。同志の皆さん!それまで頑張って待とうね!とりあえずソロ活めっちゃ忙しいね!
みなさま楽しいヲタ活を!

おしまい

文中バンタンのメンバー7 人はすべてアルファベット表示になっています。
下記コール順
芸名/読みや呼び名/本名/特徴など

RM/アールエム/キムナムジュン
リーダー・英語担当・美術愛好家・破壊神・青いコアラ

JIN/ジン/キムソクジン
長男・ゲームヲタク・おじさんフレンド多い・白いアルパカまたはハムスター

SUGA/シュガ/ミンユンギ /AgustD
ツンかとおおもいきやデレ・茶色いクッキー・白い猫に例えられること多し

j-hope/ジェイホープ/ホビ/チョンホソク
希望担当・ダンス隊長でもありファッション隊長・青い馬・リス

JIMIN/ジミン/パクジミン
唯一無二の声とダンス・餅・黄色い被り物の犬・ひよこ

V/ブイ・ヴィー/キムテヒョン
美の塊・5次元・ハートの宇宙人・クマもしくは虎

JungKook/JK/ジョングク/チョンジョングク
歌の代名詞・右腕タトゥー・一番年下で一番強い・ピンクのウサギ(筋肉あり)

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