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10月22日(日) | 鎌田裕樹×森田真生「『本』と『農』—地べたから紡いでいく、自分の言葉」—

《オンライントークイベント》

鎌田裕樹×森田真生
「本」と「農」
—地べたから紡いでいく、自分の言葉—

【出演】
鎌田裕樹×森田真生

【日時】
10/22(日)
15:00-17:00(開場 14:50 予定)
*途中10分程度の休憩を挟みます。
対談終了後には質問を受け付け、可能な限りお答えします。

【参加費】
4400円(税込)
(申し込み方法はページ下部に記載)

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 10月22日(日)、いつも鹿谷庵のアシスタントとして活躍している鎌田裕樹さんを、今回はゲストとしてお迎えして、対話をします。鎌田さんゲスト回の開催については、実は以前からたくさんのリクエストをいただいていました。雑誌『群像』での連載「野良の暦」がちょうど二年目に突入するこのタイミングで、鹿谷庵での対話が実現することになりました。

『群像』2022年11月号から鎌田さんの連載「野良の暦」がスタートした

 2021年まで恵文社一乗寺店で書店部門のマネージャーをしていた鎌田さんとは、「書店で会ったことがある」という方も少なくないと思います。かつて色白な書店員だった彼も、いまは日焼けしたたくましい身体で、有機農家としての独立を目指して、大原の農園で修行をしています。書店員から農家へと、生まれ変わっていくその日々の様子は、連載「野良の暦」に、季節の移り変わりとともに克明に描かれています。

 「本から農へ」という彼の歩みは決して、「本を離れて農へ」ということではありません。むしろ彼が、自分自身の言葉、地に足のついた言葉、自分が本当に読みたい言葉を探し求めるようにして農業へと向かっていったことが、近くでその様子を見ている僕にとっては、とても印象的でした。

 木次乳業の創業者・佐藤忠吉さんの「地べた」という言葉に惹かれたことが、農業への最初の漠然とした憧れを抱いたきっかけだったと、彼は連載のなかで綴っています。その後も、言葉と土のあいだを行き来するように、彼は自分の生き方と思考を紡ぎ続けています。
 30歳で就農を志し、言葉と土を、いつも自分の手でたしかめながら生きていく毎日。これからの時代をどのように生きていくか、模索している多く人にとって、鎌田さんの生き方や試行錯誤から刺激され、励まされることが、きっとあるのではないかと思います。

 「野良の暦」の連載第1回目で彼は、幸田文さんの「一年めぐらないと確かではない」という言葉を引用した後、次のように綴っています。

 例えば、ネムノキの花が咲く頃にオクラの花も咲くとか、雨が続くとカボチャがみんな腐るとか、それが今回だけの現象なのか、それとも毎年繰り返されるものなのか、季節がひとめぐりしてみないとわからない。春夏秋冬のそれぞれに景色があって、畑では毎日違うことが起きている。季節の移り変わりとともに生きて、だんだんと野生の暦を学んでいく。

鎌田裕樹「野良の暦」(『群像』2022年11月号)

 連載が始まってからちょうど一年がめぐって、「野良の暦」を一周ぐるりとまわってきた鎌田さんから、「本」と「農」を通していま見えている風景について、じっくりお話を伺っていきたいと思います。
 本を読むということと、自然を読み解くということとが、彼のなかではどのようにつながり、どのように異なっているのか。「読む」という営みへのスタンスが変化していくなかで、「書く」ことに向かう姿勢がどのように変わっていくのか。そして何より、彼が一つずつ自分の言葉を紡いでいく足場である「地べた」からいま、何が見え、何を感じているのか。さまざまな角度から話を聞いてみたいと思っています。

 当日はオンラインにてリアルタイムのライブ配信となります。対話の途中や終了後にも、みなさんからの問いかけや質問など大歓迎です。ご縁がありましたらぜひ、お立ち寄りください。
 一期一会のひとときを、ともに分かち合えることを、心から楽しみにしています。

2023年10月14日 森田真生

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登壇者・鎌田裕樹より

 京都市内から、北に向かい、車を三十分ほど走らせると、大原という山間部の農産地があります。季節の変わり目は、種播きの季節です。冬の野菜の種を播くなら、10月の半ば、今週末あたりが期限で、それなのに、しっかり雨が降ってしまったので、カブや葉物の種播きは少し遅れそうです。

黒大根の芽生え、双葉から本葉へ。

 先に播いていた大根は、発芽も良好で、聖護院大根はもう少しで間引きの必要があるくらいに大きくなっています。間引き菜も美味いので、それを楽しみにしていたところ、畑に獣が入り、いくつかの大根が引き抜かれて畝の間に落ち、萎れていました。

四本指に見える足跡。何の動物?

 農業の道に進んでから、この秋で丸二年が経ちました。畑は、いつの間にか自らの生活の一部となり、そこに訪れる動物や虫のこと、季節や天候のこと、土のこと、気がつけば、人間ではない存在について考える時間に満たされています。

 そして、農業を始めたきっかけもそうだったように、今も変わらず、傍らには本や言葉があります。畑で感じたことから言葉に手触りが与えられ、また、言葉が自然を見つめる眼差しを深くする。そんな循環が自分のなかに生まれています。

今回の対話では、自然と言葉の世界を行き来しながら感じ、考えていることを、書店員時代から、数々の活動をともにしてきた森田さんと存分に語り合いたいと思います。イベント当日は、朝に収穫した野菜も持っていく予定です。皆さんにも秋の畑の澄んだ空気を体感していただけたら嬉しいです。ご参加お待ちしております。

2023年10月15日 鎌田裕樹

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【お申し込み方法】
当イベントは「Zoom」ウェビナーによるオンライン配信イベントです。
ご参加ご希望の方は下記URLよりオンラインチケットのご購入をお願いいたします。ご購入をもってご予約は完了いたします。

オンラインチケットご購入ページ↓
https://tuning-bookstore.com/items/6529c516b21d39023f109349

イベントの開催についてご不明な点がございましたら、
こちら[attuning.books@gmail.com]まで。担当:鎌田
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