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5/6(木) | THINK&TALK STILL 「危機」の時代を生きる指針 (ゲスト:藤原辰史)

《オンライントークイベント》

THINK&TALK STILL
「危機」の時代を生きる指針

【出演】
森田真生 × 藤原辰史

【日時】
5月6日(木)
19:00-21:00(開場18:45予定)
*途中10分程度の休憩を挟みます。
21:00からは質問を受け付け、可能な限りお二人にお答えいただきます。

【参加費】5000円(税込)
(申し込み方法はページ下部に記載)

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 5月6日、鹿谷庵に藤原辰史さんをお招きして「THINK&TALK STILL」第三弾「『危機』の時代を生きる指針」を開催します。既存の価値が揺らぎ、既成の常識が崩れていく現代において、藤原さんは私たちにとってまさに「生きる指針」となるような、血の通った言葉と思考を、紡ぎ続けています。そんな藤原さんを、鹿谷庵にお迎えできることは僕にとっても大きな喜びです。企画が決まって以来、ずっとワクワクしています。

 昨年の4月2日、にわかに拡大していくパンデミックに誰もが当惑するなか、いちはやく藤原さんは論考「パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ」を発表されました。「ワクチンも製造できないし、治療薬も開発できない」歴史学者が、それでもなお、混沌とした時代の濁流のなかで、同時代の人間に向けて「生きる指針」を示すことができる。このことを藤原さんは身をもって、目の覚めるような形で、示してくれました。

 しかし、言うまでもなく、パンデミックという形でにわかに「危機」が到来したわけではありません。現代の私たちの常識や生き方、考え方の機能不全は、すでに以前から露呈し始めていました。パンデミック前後の「断絶」よりも「連続性」の自覚に根ざした藤原さんの言葉は、ウイルスを「敵」と見立て、「打ち勝つ!」と叫ぶ表層的な声が虚しく消費されていくなかで、ゆっくりと発酵し、遠い未来とも接触しながら、壊れいく世界の先に開ける風景を、静かに浮かび上がらせつつあります。

 藤原さんの旺盛な研究と執筆はそれにしても恐るべき勢いで、読むこちらが追いつかないほどです。そんななかでも、いま必読のテキストだと僕が感じているのは、藤原さんが『現代思想2020年3月号 特集=気候変動』に寄稿した論考「『規則正しいレイプ』と地球の危機」です。このなかで藤原さんは、地球環境の危機を、二酸化炭素の排出量や気候変動の問題としてのみとらえる見方に疑問を呈し、むしろ、これを引き起こしている人間と地球環境との「関係構築の貧困さ」に目を向けるべきだと呼びかけています。

 現代の世界は、情熱なく事を動かせる仕組みを、あまりに隅々にまではりめぐらせてしまいました。自分をとりまくものの声に耳を傾けることなく、ただひたすら自分のペースで「高速回転」と「高速ピストン」に耽る。このような、「情熱なき暴力」を環境に対してくり返してきた結果、地球が「凍ついた空気で満たされている」ことこそ、「最近の地球の住み心地悪さ」ではないかと、藤原さんは語るのです。

 他者の声に耳を傾けること、内なる情熱に駆動された行為を尊重すること。こうしたことはしかし、「省略可能な過程、遠回り、寄り道」として、効率と生産性を追求する現代の世界からはますます消されていきつつあります。しかしそもそも、「最終目的」からしたら「寄り道」でしかないような、他者との応答的な関係の構築を、私たちはなぜ大切にしなければならないのでしょうか

 この問いに対し、「無制限な自己肯定に陥る」ことなく、強靭な思想で答えていくことの必要性を藤原さんは近著『農の原理の史的研究』のなかで説いています。僕は、藤原さんのこの問いに答えることは、「生命」をどのように理解するかということと、深く関わっていると考えています。

 僕は藤原さんとまったく違う入り口から、同じ問題を考究している気持ちになることがあります。先日、刊行前に見本をお送りしていた『計算する生命』をさっそく読んでくださった藤原さんの研究室をたずねたとき、言語や生命、感情(特に「切なさ」と「悲しさ」)について、短時間のあいだにいろいろなアイディアを交換し、あらためて、手持ちの言葉や道具こそ違えど、もてる限りの感性と思考で、いまという時代をどう「生きる」のかを、何とか言葉にしていこうとしている点で、僕たちは同じ「情熱」を分かち合っているのだと(勝手に)確信しました。

 いつもはテキストを通してですが、今回は生身の藤原さんの思考と雑り合いながら、2時間の対話の果てに、どんな風景が開けていくか、いまから本当に楽しみです。

 オンラインでのライブ配信となりますが、当日のみなさんとの出会いを心から楽しみにしています。ご縁がありましたら、ぜひご参加ください。

 それではまた、5月6日に!!!
                        2021年4月14日 森田真生

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藤原辰史さんからのメッセージ

自分が計算する機械であることに、私は快も不快も感じる。自分が計算できない生命であることに、私は苛立ちも喜びも感じる。なぜだろうか。森田さんは、この問題に立ち向かう地図を書いてくれたように感じる。ならば、その地図が指し示す場所を歩いてみたいと思う。

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【お申し込み方法】
当イベントは「Zoom」ウェビナーによるオンライン配信イベントです。
ご参加ご希望の方は下記URLよりオンラインチケットのご購入をお願いいたします。ご購入をもってご予約は完了いたします。なお、アーカイブ配信の予定はございません。

オンラインチケットご購入ページ↓
https://tuning-bookstore.com/items/6076de16a87fc527fcba2a3b


イベントの開催についてご不明な点がございましたら、

こちら[lab@choreographlife.jp]まで。担当:鎌田

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「僕たちはどう生きるか」ーーこの問いを、食べること、住うこと、生活することのレベルから、じっくり探究していくための実験と研究の場として、11月に独立研究者・森田真生が京都に新しく開いたラボです。