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6/17(金) | 藤井一至さんと「土」を考える 第1回 「土と病」

《オンライントークイベント》
藤井一至さんと「土」を考える
第1回 「土と病」

【出演】
藤井一至 × 森田真生

【日時】
6/17(金)
19:00-21:00(開場 18:45 予定)

【参加費】
4400円(税込)
(申し込み方法はページ下部に記載)

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 土のなかでは、おびただしい数の生き物たちが、生きたり死んだりしている。たった1グラムの土にも、千種類以上の微生物がいるという。そのほとんどはまだ名前すらない。土の中の微生物について、その大部分は、実態がいまだほとんどわかっていないのだ。

 それでも、土を触ったり、匂いをかいだりすると、いろいろなことが伝わってくるような気がする。多様な微生物が活動していそうな土。いかにもいい野菜が育ちそうな土。力のない土。元気そうな土……。「土に触れると落ち着く、癒される」という人もいる。部分や細部について理解するのがどれほど難しくても、土は総体として人間に、何かを感じさせるものらしい。

 土のなかには鉱物や有機物が雑り合っている。生きているものと死んでいるものが混淆している。土壌有機物の最大80%は、微生物の死骸であるという報告もある。そこに細菌や古細菌、カビ、キノコなどの菌類、さらに藻類、原生動物や、ミミズ、トビムシなどの土壌動物がひしめいている。土は、人工的にはほとんど再現不能に思えるほど、複雑なシステムなのである

 そんな土のなかでは、「生死」すらきれいに切り分けることができないように見える。だとするなら、人間の考える「病」の観念もまた、土を通してみるとかなり揺さぶられそうだ。そもそも「土が病んでいる」とか、「土の病」ということはあり得るのだろうか。あるとすれば、それはどういうことなのだろうか。まずはこのあたりから、藤井さんに一つずつ今回はお話をうかがってみたい。

 病とは何か。これはとても難しい問題だ。しかし少なくとも病は、単に健康が欠如していることではないのだと思う。大きなシステムのどこかに無理や負荷がかかっているとき、局所的な症状という形で、病が警告してくるときがある。畑や生態系の変化の兆しもまた、これを表示する何かしらの症状のような形で、土がメッセージを発することもあるだろう。「治すべきもの」としての病というよりも、「耳を傾けるべきメッセージ」としての病を考えたとき、土と病について、僕たちはどんなことを考えられるのだろうか

 病について考えるときには、健康や、元気についても考えることになる。健康な土、元気な土とは、どのような土なのだろうか。人間の身体ではなく、土を中心に考えたとき、「健康」や「元気」という言葉の中身は、どのように変化していくのだろうか

 ただ生命を育むだけではない土。ただ翻弄されるだけではない生き物たち。土と生物の相互作用の長い歴史を精緻に描写し、そこから生物と土、ヒトと土との新しい関係を編み直す研究を第一線で続けている藤井一至さんを鹿谷庵にお招きし、今回は「土と病」について、とことん考えてみたい。

 ほかにも、土と腸と健康の話、イチゴの風味と微生物の話、エキノコックスや永久凍土のウイルスの話など、関連する話題をいろいろ準備してくださっているようです。当日どんな時間になるかとても楽しみです。ご縁がありましたらぜひご参加ください。

2022年5月2日 森田真生(2022年6月3日に更新)

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【お申し込み方法】
当イベントは「Zoom」ウェビナーによるオンライン配信イベントです。
ご参加ご希望の方は下記URLよりオンラインチケットのご購入をお願いいたします。ご購入をもってご予約は完了いたします。

オンラインチケットご購入ページ↓
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イベントの開催についてご不明な点がございましたら、
こちら[lab@choreographlife.jp]まで。担当:鎌田
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