DAZED Korea 2021年 3月号 テミンインタビュー 翻訳

愛には「愛」と、テミンには「テミン」で、十分な言葉
Amor, Taemin



DAZED(以下D):2020年はソロアルバムを出し、SuperMとして活動するなど忙しい一年を送りましたね。
TAEMIN(以下T):昨年から今年までずっと続いている感じです。SuperMとソロ活動に続いて、いよいよSHINeeのアルバムが発売されました。全エネルギーを引き続き仕事に注いでいます。

D:2018年のDAZEDのインタビューで、「歌手はキャラクターが命」だと話したことがありました。今のテミンはどんなキャラクターだと思いますか?テミンという人のアイデンティティがもっと鮮明になったと感じますか?
T:一言で定義するのは難しいです。普段の僕は天真爛漫な20代ですが、ステージに立ち音楽を作るミュージシャンとしては、何事にも真剣に取り組む人ではないかと思います。また、大衆は、デビュー14年目にしてはまだ若く新鮮さを感じてくれます。ありがたいですよね。様々なコンセプトのアルバムをお見せしながら、毎回新しいイメージを持って(大衆の前に)出たのでそう感じてくださるようです。SHINeeの末っ子としてのイメージ、SuperMでのテミン、ソロとしてのテミンが複合的に混ざっていると思います。言われてみれば僕も気になりますね。こういった活動が僕のアイデンティティを探ってゆくひとつの成長過程のようです。

D:では、本人自身が見せたいキャラクターは?
T:ミュージシャン。僕を想像したとき、歌手というキャラクターが最初に思い浮かんだら嬉しいです。バラエティに集中する方もいれば、また別の方は演技やMCなど、各自の得意分野を前面に出してイメージを構築するじゃないですか。僕は僕の本業である音楽をする人間で、それをとても愛する人間なので、何よりミュージシャンというイメージが最初に浮かべば嬉しいです。

D:テミンが作るすべての音楽から、自分のフィーリングが滲み出てほしいと話したことがありましたよね。テミンが考える「テミンらしい」とはどんなものですか?
T:ハイブリッド。トレンドだけを追いかけたくないです。勿論トレンドも重要ですが、そのトレンドに僕だけのカラーを纏わせていきたいです。何かにとらわれず、自分のものを融合させる感じというんですかね。大衆性を失わず、肯定的なイメージを守りつつ、自分のものを持っていきたいです。誰かが僕に、みんなが気楽に聞ける音楽をやってとか、音源チャートを意識しなくちゃと話します。けれども僕は、近々(=今すぐ)の可視性に従いたくないです。見方を変えれば欲張りなのかもしれませんが、僕らしい、テミンらしい姿に共感してくれる時期が来ると信じています。絶えず前進しなくてはならないですよね。

D:テムログを見ると、自宅を公開したり料理する姿などテミンの日常を見せながら、ファンと活発にコミュニケーションしていました。インスタグラムも更新しています。このように外部コミュニケーションに重点を置くようになったきっかけが気になります。それから、それによって訪れた変化があるとしたら?
T:SuperMとして活動しながら学んだようです。2008年にSHINeeがデビューしました。その当時は、徹底的に隠して、ある日突然カムバックを知らせて体系的に広報するというのが定石でした。僕もそのシステムに慣れていましたし。しかし、短いと言えば短い時間に、多くのことが変わりました。ある瞬間から、ファンの立場で考えてみるようになったんです。既存の方式では、それ以上新鮮さを与えることができない気がしました。むしろアルバムがどのように作られていき、その過程の中のビハインドストーリーなどが知りたい気がしたんです。それから、普段何をして過ごしている?ゲームするかな?というような些細なこともです(笑)以前は、こういったことでイメージが消費されやすく、その過程で、簡単で軽いイメージばかりが固定されていくのではないかと心配していました。ですが、むしろコミュニケーションを通して、僕がファンから肯定的なメッセージやエネルギーをもらっています。本当に良い変化のうちのひとつだと思います。

D:本人も楽しんでいるみたいですね。
T:はい、確実に。自ずと求めているようです。ファンも求めているようですし、お互いの渇きが解消されているんです。何より、様々な方式でリアルタイムで交流できるというのが良いです。

D:久しぶりにSHINeeのメンバーと活動することになりますが、心境はどうですか?
T:まず、とても嬉しくてワクワクします。メンバー全員が一生懸命やらなくちゃという意欲でいっぱいなのを感じます。なので、力の緩急調節が必要だということも同時に感じています。久しぶりにメンバーたちと団結するので、各自やりたいことが沢山あります。音楽だけでなく、バラエティやYouTubeなど様々なことをやってみようという意見が出ました。その中で、うまく妥協しなければなりませんが、その過程さえも楽しいです。

D:SHINeeは、デビュー以来ずっと実験的な音楽とパフォーマンスを披露することで有名です。新しいアルバムを通して、これを期待してもいいですか?
T:はい、今回も僕たちにとって多くの変化があると思います。SHINeeがこれまでやらなかったカラーだと思います。曲もそうですし、コンセプトも破格的で実験的で、そうでありながらSHINeeのアイデンティティを守りつつ何かをお見せしたいという考えが大きいです。なので、プレッシャーも感じますがワクワクもしています。

D:SHINeeの「スポ妖精」を担当されていますが、少しだけ耳打ちできることありますか?
T:少しだけスポするとしたら、HipHopで流行した動作が入ります。HipHopが基本ですね。SHINeeは今までHipHopをベースにした音楽をやったことがありませんでした。とはいえ、SHINeeらしい、SHINeeだけのカラーをお見せできるアルバムだとおもいます。期待してください!

D:成熟と熟練のうち、じぶんにふさわしい単語をどちらか選ぶとしたら?
T:時間が経つにつれて、柔軟に受け入れて対処することができる態度を身につけたようです。OnとOffの区分なく常に真剣でした。僕がみても自分自身が面白くないというんですかね?今も面白い性格ではないですが、以前よりは肩の力が抜けました。自ら仕事に余裕を持つようになり熟練みが出来たというのでしょうか。

D:最近発売したソロアルバムは《Prologue Single》《Act 1》《Act 2》を、映画のようなストーリーと音楽で表現しましたが、どのようにこのような叙事的なアルバムを作成することを思いつきましたか?
T:映画のTrailer(予告編)からインスピレーションを得ました。一般のTrailerを見ると、短ければ3分、長くても5分以内に観客がかなり惹きつけられますよね。僕が伝えたいメッセージをいかに効果的に込めるか沢山悩みました。そこでTrailerのように叙事的な形態のアルバムを作ってみようと会社に提案しました。ただ格好良いイメージだけでカットを埋めるのではなく、ストーリーテリングをするんです。とても意味のあるアルバムでした。

D:ふと、テミンが一番最近撮った写真が気になりました。スマホのカメラロールの一番下または一番上にどんな写真があるのか、どんなストーリーがあるのか。
T:(スマホを見せながら)一番最後はMV撮影現場で、最初の写真は僕の家のWiFiのパスワード!(笑)長すぎて覚えられないです。みんな撮りますよね?

D:数年前、ある媒体とのインタビューでこんなことを言っていました。「歌手テミンと人間テミンを切り離すよう努力している」と。そのふたつは何が同じで何が違うのか。またそのふたつを切り離したい理由が何なのか気になります。
T:出来るだけ境目を区分したいと考えていました。僕の職業特性上、仕方なく笑わなければならない状況があります。僕が抱えている喜びの大きさよりももっと大きく、自然に、時には人為的になるしかない部分ができるようです。そうすると、本当の自分との境目がぼやけていくのを感じます。なので、人間テミンである時、本当の自分の境目に触れて感じようと努力します。それから今は、切り離すというよりすべての境を理解しようとしています。歌手テミン、そしてイテミンを。。

D:悩みがあるとしたら?
T:時間をどう能率的にうまく分けて使うかが悩みです。主に、アルバムの心配をたくさんします。正直な気持ちを込めた自作曲、感性的な歌をファンにお見せしても新しいかもしれない、そうでありながらそのバランスについても深く考えこんでます。あ、こうやって話すと僕ワーカホリックですね。

http://www.dazedkorea.com//music/article/1237/detail.do

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