GQ Korea 2016年10月号 テミンインタビュー 翻訳

SHINeeという名で - テミン

by ジャン・ウチョル

GQ(以下G):さっきテーブルを触りながら指を動かしてましたが、振付のようでした。
TAEMIN(以下T):僕がそうしてましたか?職業病のようです(笑)

G:SHINeeがデビューして8年といいましたか?職業病も8年者?
T:今回のコンサートの時感じたのは、以前はステージでは間違わないようにしよう、失敗なくやろう、一動作一動作正確にやろう、というのが優先でした。そう意識すると最初からとても力を使うので後半になるとディテールが少し崩れていくんです。そうなると更に努力しなきゃとばかり考えていました。でもステージだけのエネルギーというのが少しずつ分かってきたんです。力をどのように使うのか感じることができます。

G:こういう時はこう、こういう時はこう、と頭を使うという話には聞こえませんね。
T:はい、ただ上手くコントロールするという話ではありません。ステージにはステージだけの気がありますが、それが何なのかを感じることができるんです。その力(気)でやる方法が分かるようになったということです。単純です。僕は本当にステージが好きなんだなあと感じることができます。そのままでやります。

G:溺れるんでしょ?
T:はい、自分に溺れてます。人が僕をどう見るだろう、そんな考えが消え去ります。音楽ごとに雰囲気や流れや世界観があるじゃないですか。そこにまず僕が溺れたら人の視線や反応が一緒についてくるようです。一緒にいくんです。僕だけにフォーカスを合わせます。ステージはそうやります今は。

G:どんな契機や機会がありましたか?
T:ダンサー達と話しながらこうなったと思います。僕がやりたいまま、それ自体が正解だと言ってくれました。自らを信じて、恥ずかしがらず、すべてのことを当然のようにやれ。そういう言葉を聞きながらほんとうに失敗することを恐れなくなりました。勿論集中できない時もありますが、とりあえず集中ができれば時間が消えていくような気分になります。

G:話で聞くことと身体を動かすことは全く違うのに、準備が出来ているようですね。
T:分かりません。言葉で表現するのは難しいです。でも僕には休むことがとても重要です。

G:部屋で横になる時間のことですか?
T:はい、ひとりで休む時間がほんとうに必要なんです。今回のコンサートの準備期間もみんなで練習する時間以外は何もしませんでした。部屋で寝るだけ寝ました。映画を見ながら寝るのが僕が個人的に公演のためにやった準備です。

G:ひとりで寝る部屋とみんなが見守るステージの間のギャップは小さくはないはずですが。
T:僕は誰にでも剥き出しにならなければならない職業に就いていますが、アイロニーにも人が多いところを嫌います。

G:そう見えます。
T:はい(笑)でもステージとはまた違います。僕が演技もやってみたんですが、カメラの前では恥ずかしいんです。でもステージに立つとなんというか憚りがないというのかな?全てをお見せできるような感覚になります。芸能人ですが、芸能番組に出て自分をお見せすることはとても疲れます。閉じ込められたような気もします。

G:そういう意味でステージは開けた場所なんですね。
T:そうです。ただこう飛びついていける場所。僕はなんか満足にやれる場所を求めます。実は僕はそういう胸に迫るものが必ずないといけません。少し前に日本で発表した‘Good Bye(さよならひとり)’のような場合は、日本語の歌詞にひとりで道を歩いて行くという話が出てきます。僕はそれを自分の内面に向かっていく、そういう風に感じました。そう移入することでステージがそうなるんです。なんというか一致する感じ。歌詞を発音して、動作をして、どう演出するかというのではなく、ただなんだか一つになるような印象を受けます。

G:全盛期という言葉があるでしょう。自分を置き換えてみたらどうですか?
T:はい、周りの人からそう言われます。今24歳なんですが、一番良い時だ、みんなそう言います。分かりません。僕はただ包み隠さず吐き出したいんです。

G:すべてを吐き出したらどうなるんでしょう?石炭はすべて掘り出したら枯渇しますが。
T:他のものを探すでしょう。僕には自然なことです。インスピレーションがなくなるということではありませんから。

G:いまそう言いましたが、目がまさに'そう'なりましたね。
T:すごく欲深いんです。僕の音楽、僕の姿をもっと多くの人にお見せしたいんです。最近音楽市場もテレビの音楽番組も以前ほど活発ではないような気がします。僕の存在を知らしめて、沢山のステージに立って、そんな欲です。日本でも満足にやりたいですし、韓国でも満足にやりたいですし、男なら大根でも切り刻め(칼이 뽑았으면 무라도 썰어야지 刀を抜いたら大根でも切り刻めという言葉で、一度始めたら途中で諦めず極めろという意味のようです。)、そう言うじゃないですか。一度生まれた人生なので満足いくまでやらなきゃいけないんじゃないか、満足いくまでやらなきゃ、そういうことでしょう。

G:満足いくまで出来ませんでしたか?
T:欲深いので。

G:基準がどんどん上がっていくでしょう?
T:本当にそうです。

G:運命的な1曲が必要ということですか?
T:はい、メガヒット曲です。

G:明確なんですね。'テミン'にであれば、誰でも最高を作ってあげたいはずです。でもあまりに整ったシステムがむしろ妨げになったり、そんなことはないですか?
T:僕がちょっとなんというか、大ざっぱと言うんでしょうか、不満を感じないという言うんでしょうか。ただ挑戦すること自体がとても好きです。SHINeeというチームは元々そうですが、僕個人にもなんというかいつも実験的なものがきます。服や髪型とかもそうです。そういうものを恐れません。実はあまり神経も使わないです。

G:唐突に'Sherlock'の初ステージを思い出しました。あの時は目を覆う長い髪をしていたでしょう?歴代のSHINeeのステージの中でいちばん好きなステージですが。
T:あ、ほんとですか?ありがとうございます。

G:あのステージでは'テミン'というイメージが消え去ったような気がしました。単純に顔がよく見えなかったでしょう?むしろそれが印象的でした。世の中の誰もが知るテミンなのに「あの子は誰だろう?」突然気になりだしたんです。
T:そう見ることもできますね。僕も僕のことが気になります。

G:最近嵌っていることはありますか?
T:僕はほんとに執着するスタイルです。ありえない事に執着して最後まで考えることが好きです。部屋で映画を見ても映画に出てくるある椅子に執着したら、見ながらでもその椅子のことばかり考えます。最近はビリヤードに執着してしまって。

G:ビリヤードはひとりでは出来ないじゃないですか。
T:はい、本当に親しい友人たちがいます。一緒にいても気の置けない友人たちです。同じ空間にいても本当に何も話しません。家に居たらただそーっと入ってきて、各々がやることをやって、ご飯を食べる時間に一緒に食べて、帰る時間になったら帰る。実はあまり帰りもしません。みんな寝てから帰るので。10年以上になる友人たちです。練習生の頃からのつきあいです。

G:メンバー達とはどうですか?
T:5人の目標が似ていると感じます。もっと見せたい、もっとのぼり詰めて、もっと上手くやりたいエネルギーがあります。正直、僕たちにはヒット曲というのが、SHINeeといえば浮かぶメガヒット曲というのがないと思っています。なのでメンバー達がいまだに渇きをいやせていないという面もあるようです。

G:次のアルバムはどうですか?次のアルバムに対するテミンのコメントを聞いてみましょうか?
T:SHINeeのアルバムに対しては僕は話すよりいつも聞く側を選びます。船頭(おそらく、船頭多くして船山に登るという故事の事かと。指示する人が多いために統一が取れず、見当違いの方向に進んでしまうことの例えだそうです。)になりそうで用心深くなるところがあります。大義に従う(小異を捨てて大同につくということかな?)というか。今回のアルバムは依然としてSHINeeらしいですが、なんと言ったらいいんでしょうか、難しくない?僕はちょっと難しくないと感じました。

G:いま「難しくない」と言った表情が興味深いです。僕はもっと難しいことでも上手くやれるのに、なぜこんな問題が簡単なんだろう?と言ってるようでした。
T:僕がですか?(笑)今回は大衆との呼吸やエネルギーにバランスを合わせようという側面があります。その必要性があるという判断がありました。でもステージに上がってみてこそ分かります。

G:SHINeeの曲の中で異常に愛着を感じている曲があるとすれば?
T:ジャンルの問題ではなく、'Replay'が僕がいちばん好きな曲だといえると思います。僕をほんとに刺激した曲なんです。デビュー曲ですが、レコーディングする当時僕のパートがちょっと減っちゃったり。プライドというんですか?僕も歌手なのに、歌を歌いたいという思いを強くしました。

G:そんなだったテミンが今は。
T:違います。まだ足りません。

G:コンサートでSHINeeの曲をずっと聞いていましたが、同時代に生きているんだなあ、そんな思いになりました。特に'Lucifer'をやった時に親しみを感じましたが、SHINeeは終わらせたことがないんだな、ずっと続けてやってきたんだな。終わりを作り出さないんだな、そんな言葉が浮かんできました。
T:本当にありがとうございます。

G:未来はどうでしょう。
T:僕はやってみて出来ないことがあったとしたら、出来ないんだなあと思います。でも絶対に諦めません。

G:諦める必要はありません。
T:僕もそう思います。

G:どれ一度やってみましょう。
T:僕はやるといったらやりますよ。

https://www.gqkorea.co.kr/2016/09/26/샤이니의-이름으로-태민/

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