7月3日

BFC3予選落ち

消失界面超過に伴う質的変化とその環境への影響について

1.概要

2001年に発生した若狭湾沖大爆発により、安全保障における考慮すべき要因の再検討とその対応が今日まで各国において盛んに行われている。我が国においては、消失界面超過傾向を保有している人物特定のためバイタルスキャナの義務化や、消失界面を超過したもの(以降超越者と呼ぶ)からの精神汚染を防ぐための防電塗布染料の開発及び一般家庭、商業施設、公共施設等への塗布補助制度の拡充、加えて質的変化を伴う恐れのある量的変化措置(一般に「●●●」と呼ばれているもの)の危険性を訴える幅広い世代への啓蒙活動が進められてきた。

最初の事件から小規模な爆破は幾度かあったものの、ここ2年爆発事件は0件、消失界面超過傾向保有者の検挙数0件であり、これまでの対策の有用性が示されているものと広く認知されており、超越者の脅威は去ったものとする報道も散見される。

しかし、前月●●にて検挙された超越を志向するグループの研究所において、これまでの手法と大きく異なる方法で超越者となることが検討されていることが発覚、その方法の妥当性もITRA(国際超越規制機関)にて検証がなされており、これまで実施されてきた対策では以下3点において不十分であることが指摘されている。

・新たな超越者は電磁波等を用いた通信を行わないため、防電塗布染料は有意な対策となりえない。

・薬物摂取と光媒体によるシナプス接続の過剰増大を伴った超越ではなく、特定文章の読解による超越を志向しており、既存の脳波測定による監視では超越傾向にあるものを特定できない。

・超越者の発生が激減した状況下において、新たな超越者による精神汚染をあらかじめ防ぐことは、現在の啓蒙活動では効果は限定的。

このような状況において、新たな超越者の発生を防ぐとともに、現存する超越者からの影響を最小限に留めるべく、本研究では問題の根幹である消失界面の超過現象そのものに着目し、人体における量的変化過程シミュレーションコードを開発、実際の事故にて入手されたデータからその妥当性を検証した。また数値シミュレーションの結果からどのような刺激が上記現象を引き起こすのかを整理した。加えて、消失界面の超過パスごとにおける感度解析を実施、現状完全な不可視状態とされている超越者の姿について、その概要を描写する。

2.消失界面超過現象と人体における質的変化の数理モデル……(以降損壊が激しく読解は不可)


7月5~9日

仕事


7月12~15日

仕事


7月16日

歯医者に行った。虫歯は無し。


7月17日

二週間ほど前に見つけた論文を読んでみる。母さんは最後の最後まで何を言いたかったのか全くわからなかった。

少し調べると、そういう界隈だと貴重な論文だということがわかった。ありがたがって見せてくれと頼み込んでくる人もいる。


7月19日

用事はないが有休をとった。買い物の帰り道、アパートとは反対方向に小学生が帰っていくのをみる。あのころは通学路以外の道には謎があった。


7月20、21日

残業時間が70時間を超えた。上司になんとかしろと言われたがあんたがなんとかしろ


7月25日

日曜の昼間に散歩をする。カップ麺を食べながら母さんが起こした事故の追悼番組を見た。何万人の人が死んで、地面は茶碗のように抉られて、底を報道ヘリコプターが覗き込んだ時母さんがこちらを見ている。


7月26~30日

仕事仕事仕事


9月4日

過剰だ。


9月13日~22日

長めの休暇をとる。実家にでも帰ろうかと思ったが、そんなものはもうないことに気付く。

弟に連絡する。元気そうだった。甥っ子の泣く声が電話越しに聞こえる。隠されてしまったがゆえにあったであろうかたちを想像する。あの文章を書いて、結局爆死を決意した母さんのあの手、わたしを殴り倒した手にはこの世の人間に対する未練があった。


9月27日~10月1日

仕事

何を食べてもおなかを下すし、吐いてしまう。徐々に変わってきている。


10月3日

指先を操作する。何かの影として自分を感じる。


10月13日


10月31日

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