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相場ダイジェスト/東京機械製作所(6335)/2021年7月~11月/支配権争い相場

●上昇要因
・アジアインベストメントファンド・アジア開発キャピタルによる株集めに対応するため、大規模買付行為等への対応方針を導入し、買収への対抗措置として、株主(買収者を除く)への新株予約権無償割当を決定
・新株予約権無償割当の承認を求めるため、臨時株主総会の基準日を設定
アジア側は新株予約権無償割当を阻止するため基準日の権利確定日までに議決権確保のため株集めを継続する必要があり、また、株主であれば新株予約権の無償割当を受けられるため株式を保有する動機が発生
・上記経緯から、約2か月で株価・時価総額は約5倍に上昇

●株価・時価総額への影響
・動意前 時価総額 約70億
 2021年7月20日終値813円×8,728,920株
・動意後 時価総額 約320億
 2021年9月10日高値3,720円×8,728,920株
・約2か月で株価・時価総額は約5倍に上昇
※なお、支配権争いの場合、買収者側・会社側・投資家が株集めを行うモチベーションが発生し株価を上昇させることから、時価総額(ファンダ)的議論には意味がないものと考える

●相場の流れ
2021/7/20 アジアインベストメントファンドが大量保有報告書提出 
・6/9〜7/13 に市場内で690,800株取得(7.91%)
・保有目的 純投資
・一部をアジア開発キャピタルが共同保有

2021/7/21 変更報告書 
・市場内取得て1,285,400株に増加(7.91%→14.73%)
・保有目的 支配権獲得

2021/7/26~8/23  順次変更報告書を提出 
・市場内取得で 保有割合は30%以上に上昇

2021/8/6 株式買集め行為を踏まえた大規模買付行為等への対応方針
・対抗措置:株主(買収者側を除く)へ新株予約権を無償割当
http://tks-net.co.jp/corporate/wp-content/uploads/2021/08/e25fbdcb8ccaacd3254e75bc317866d4.pdf

2021/8/31  大規模買付行為等への対応方針に基づく新株予約権の無償割当てと株主意思確認の臨時株主総会の臨時株主総会の基準日設定(9/14)
 →
基準日の権利確定日に高値
http://tks-net.co.jp/corporate/wp-content/uploads/2021/08/9a8d468aa796e3f15a99ddec07ab5d2d.pdf

2021/9/18 アジア側が新株予約権無償割当て差止めの仮処分の申立て
 →これは地裁・高裁いずれも認められず

2021/10/22 臨時株主総会で新株予約権無償割当が承認

2021/11/17 アジア側から大規模買付行為等を中止し、保有割合を減少させる旨の誓約書提出/新株予約権無償割当の実行留保
 →買収が頓挫し、相場終了

主な出来事と株価推移の詳細は以下のとおり

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