見出し画像

Retty上場にまつわる感謝エピソードを振り返る

Rettyのプロダクト部門担当執行役員の野口です。10/30、Rettyは東証マザーズに新規上場いたしました。お世話になった人たちへの感謝エピソードを中心に、個人的な振り返りを書いていきます。

ユーザーさんや飲食店、取引先、投資家の方々始め、皆様に心から御礼申し上げます。

上場当日は感染症対策を徹底しながら、上場セレモニーを行い、冒頭のスピーチで武田は思わず言葉に詰まって1分間の沈黙、男泣き。しっかり全国放送していただきました。

口座残高10万円になりながら、ここまで来れた話始め、武田の視点での記事も出ております。

せっかくのタイミングなので、Retty10年の歴史の約半分、5年半→現在も在籍中の自分の視点からも振り返っていければと思います。

入社のきっかけ

画像5

Rettyへの入社は2015年3月でした。2014年秋、転職して間もない2社目のスタートアップが上手くいかず、悪戦苦闘していた頃、大学時代から仲良かった当時Retty1年目、現在はMOSH代表の籔君 から誘われ、Rettyのオフィスに遊びに行ったのがきっかけでした。

クリスマスの夜にほぼ初対面の武田と採用会食でイタリアンに。ユーザーさんとご飯を食べながらサービスのフィードバックをもらう徹底的なユーザーファースト、グローバルを視野に入れたスケール感、組織に真摯に向き合う姿勢。強く感銘を受けたことは今でも鮮明に覚えているわけではないですが、朧気に記憶があります。

2社目への転職後間もなく籔君に声を掛けられたため、最初話した時に転職する気は毛頭なかったのですが、その後も何度もコンタクトを取ってくれ、転職に至りました。一見強引なアプローチでのリクルーティングで気づいたら入社しているパターンがRettyには何名かいますが笑、強い意志を持って誘ってくれたのに非常に感謝です。

ユーザーさんあってこそのRetty

画像1

Rettyオフィスには数年前のオフ会にて頂いただるまが置いてあります。

「上場したらだるまに目入れを」

という想いを込めて応援の寄せ書きと共に贈呈された、ユーザーさんからの想いの詰まっただるま。数年の間、片目のままRettyを見守ってくれていました。

今回の上場セレモニーにてついに、長束の手で目入れを行うことができました。食への熱い想いを持つユーザーさんあってのRettyなので、社員一同感謝感激の瞬間でした。

個人的なエピソードとしては、入社間もない時期に全国のユーザーさんを集めて行われるスペシャルオフ会「Retty Night」にスタッフとして参加させてもらった時、ユーザーさんの食への造詣の深さと熱量に圧倒されたのを覚えています。

牡蠣好きですという話をしたら、ラーメンのOficial User(今のTOPUSER)の方に錦糸町の美味しい牡蠣ラーメンの店を教えてもらったり(麺や佐市 は最高です!)、創業メンバーと全国各地のオフ会でご飯食べてた話を聞いたり。ユーザーさん同士の仲も本当に良くて、めちゃくちゃ温かいサービスという印象は5年経っても変わらず、これからもそうありたいですね。

オフ会や個人的にご飯に行かせていただいたりと、ユーザーさんと食事を共にすることは本当に多いのですが、時にはユーザーさんから「Rettyは飲食店を評価のではなく、おすすめするサービス。だから嫌な店があったなら書かなくて良いし、飲食店さんを応援するスタンスでやっていきたい」と熱く語ってくれることも。社員以上にRettyや食への愛が強く、特にTOPUSERさんや昔からRettyを使ってくださるヘビーユーザーさんはRettyのビジョンの体現者であり、代弁者。

今はコロナ禍でなかなかお会いする機会も少なくなっていますが、またぜひ美味しい食事を共にさせてください。

グロースの相談に乗ってくれた社外のパートナーさんや友人たち

画像4

Rettyで5年半おり、様々な仕事を経験しましたが、ずっと継続している野口のミッションはユーザー数や予約数のグロースです。

入社後アサインされたのはUUを伸ばすSEOチーム。元々新卒の時にSEOのコンサルティング経験がありましたが、インハウスのグロースはほぼ経験がなく、右も左もわからぬまま、一心不乱にやる日々でした。

そんな中、Retty3人目の社員で、当時のプロダクト責任者、現在は新規事業を担当している内野には、プロダクトをいかにグロースさせるかについて、本当にたくさんのことを教えてもらいました。マーケットの大局的な捉え方、施策のテストや効果検証、ファネルでの分析方法、開発チームの巻き込み方。「徹底的にやり切る」、「大きく展開する」、「持続的に成長するコンテンツの作り方」。グロースの基礎は内野から全て学んだ気がします。

先日個人的にやっているポッドキャスト #スタチャ にもゲストで来てくれました。


社外では、パートナー企業や個人の方で何人かのSEO猛者の方々にお世話になりました。またInhouse SEO MeetupでGoogleの中の方と直接話せたり、他社事例をインプットできたのも大きかったです。個人的にもInhouse SEO Meetupで初めてLTさせてもらったのは自信になりましたし、業界に向けて積極的にアウトプットすることが自分の学びに返ってくることを肌で感じることができたのは良い経験でした。

最近はRettyタイでも50万UUを突破し、目覚ましい快進撃を遂げておりますが、RettyのSEOが強くなったのも、外部の方々に鍛えていただいたことが非常に大きかったと思います。SEO業界の風習に倣って、つけ麺を食べながら感謝したいですね。

2015年〜2016年前半は普通に施策を打っていけば毎月ユーザー数が100万ずつ増えていくという景気が良い時代でしたが、2016年中盤辺りからユーザー数が伸び悩み。予約CV数を追うチームに転換しましたが、その後もなぜか奇を衒った施策に傾倒する過ちを犯し、上手くいかず。1年半程は何のKPIも伸ばせず不甲斐ない時期が続きました。

CV改善を行うためのノウハウが絶望的になく、他社のPMや事業責任者たちによく相談させてもらいました。A/Bテストのスキーム構築や分析体制、CV改善を行うに適したページ群や機能への目の付け所。間違いなくRettyのグロース体制の礎になっており、本当に感謝です。

優秀な学生に会いまくり、心強い仲間と出逢えた新卒採用

画像2

いつかのサマーインターンの写真

前職までは新卒採用未経験の自分でしたが、入社して間もなく、16卒からRettyも本格的に新卒採用を始めていくということで、「関西かつ採用に強いSpeeeの出身なら、関西中心に新卒採用強化したいし、頼む」と託され、プロダクトグロースと並行して新卒採用を兼務することに。

元々採用にはいつか携わりたいとぼんやり考えていましたが、このタイミングとはつゆにも思わず。ただアサインされたからにはと、がむしゃらで取り組みました。

当時社内でも新卒採用ノウハウはあまり落ちていなかったので、各社の採用のエキスパートの方々には、母集団形成から面接のフロー設計、有効な媒体、紹介のもらい方や予算設計などたくさん教えていただきました。他社人事の方に紹介・おすすめいただいた学生がそのまま入社することもありました。

人事界隈の繋がりのきっかけは、三浦さんが当時立ち上げられた「人事ごった煮会」というコミュニティに顔を出すようになってからでした。今も情報交換をしたり、プライベートで飲んだり。社外の人にも育ててもらえて有難い経験でした。

社内では今はSpreadyの柳川さんとひたすら仕事しましたね。兼務だったので、限られた時間でしたが、優秀で個性派な学生と会いまくり。唐揚げや寿司を大量に用意してなぜか優秀な学生を連れてくる現Professional Studio代表の市川君 や籔君、柳川さんと仕事するのはいつもバタバタだけどWowに溢れてて楽しかった。当時はぐっちさんも採用に関わってくれて、本棚採用を始め、面白い採用アイデアをよく出してくれました。

そして多くの優秀でアツい若手たちが新卒で入ってくれました。17卒以降は毎年7〜8人入社してくれていますが、大手やメガベンチャー、起業など選択肢が数多くある中でRettyを選んでくれたことには改めて本当に感謝です。

武田は起業家輩出企業であるネットエイジ(現ユナイテッド)に新卒入社していたこともあり、「新卒が切磋琢磨する会社は絶対に成長する」、「User Happyや成果ドリブンな会社のカルチャーは新卒から作られる」という強い想いを持っていました。役員間での雑談でも、新卒のメンバーの調子を気に掛けたり、成果を出したら次はこんな大きなプロジェクトをアサインしたいと話したり、結婚や出産の報告には人一倍喜んだり。

新卒の面々はそんな武田の想いに応えてくれ、

・5年目:Rettyタイ責任者
・4年目:Go To Eatキャンペーン開発のPM責任者&営業MVP
・3年目:新規事業のメインエンジニア
・2年目:新人賞を獲った分析チームエース&1年目からスクラムマスターを務め外部登壇も

等々、ここには書ききれないくらいの目覚ましい成長・活躍を見せてくれています。野口が採用したエンジニアのメンバーが1年目から活躍してくれてなければ、自チームの開発が回ってなかったのではないかという年もあり、皆の成長様様です。感謝。

上場セレモニーにて、歴代新人賞受賞者中心に新卒入社メンバーが(レプリカの)鐘を叩く場面もあったのですが、今後はますます新卒メンバーで会社を引っ張っていって欲しいし、成長の機会は多く用意していきたいので、やっていきましょう。

開発組織の空中分解から立ち直る

荒れた土地photo-1594965362482-1e6df4505635

2017年、Retty60人→100人のタイミング。Rettyはさらに強固な人員を揃え、強力なチームを作るべく、リファラル採用キャンペーンを行いました。これは全社をチーム分けしてリファラルでの採用人数目標達成を目指すという大掛かりな取り組みで、見事4/5チームが達成し、毎月4〜5人が半年にかけて中途入社してくれました。

エンジニアも営業も優秀で経験豊富なメンバーが多数入社し、会社のフェイズが大きく変わっていくことを実感していました。しかしこれが後々大きな歪みを生むことに。


当時大きな絵を描いて魅力訴求をし入社に至るケースが多かったのですが、各々が語るビジョンに一貫性がなく、またオンボーディングもチームによってまちまち。会社が入社者に求めることと本人が発揮したいバリューの期待値乖離が激しいケースが多くありました。


当時をありのままお話しすると、Slackのtimesでメンバー間で議論とは言えない喧嘩のような水掛け論があったり、リニューアルを目標に立ち上げられたチームが志半ばで解散せざるを得ないこともありました。


リンクアンドモチベーション社のモチベーションサーベイにお世話になっていましたが、スコアは下落の一途を辿り、右肩上がりだった社員数はいつの間にか毎月退職者数が入社者数を上回るようになっていました。

斯く云う自分もマネージャーを務めながら、その期待役割を十全に果たせていたわけではありませんでした。自ミッションの成果に集中はしていましたが、組織の不満を口にしてしまうこともありました。メンバーに「目の前のプロジェクトに集中しよう」、「会社は組織改善を進めている」と口にしながらも、自身は「上のメンバーに任せていても何も変わらないんではないか、やってられない」という不満を抱えていて、中間管理職The Bad Caseに陥ってしまっていました。


そんな中当時のエンジニアリングマネージャーで現在VPoEを務める小迫を中心に開発組織の立て直しを行いました。良い戦略、悪い戦略 という戦略の良書にも書いてありますが、良い戦略の基本は「診断→基本方針→行動」。


彼は「診断」に非常に長けており、ボトルネックを特定し、状況に対してシンプルかつ明快な方針を示してくれました。そしてエンジニアメンバーを巻き込み、幾多の打ち手で開発チームを改善していきます。

・技術負債解消やチャレンジに向けて、開発ロードマップの策定
・中期的な技術課題について少しずつでもワーキンググループで議論し、前進させていく
・開発組織の再編や大規模スクラム(LeSS)の導入
・オンボーディングの仕組み化:新規入社者の会社・本人期待値の言語化
・上記に合致する少数精鋭の中途社員の採用

彼が実行してくれた打ち手も然ることながら、彼の組織への熱い想いがあったからこそ、組織を立て直せたと思います。課題はこれからも山積みですが、やっていきましょう。

COVID-19で急転直下、緊急事態に

閑散とした歓楽街

2019年9月の通期決算で初の黒字を記録し、順調に事業が進んでいっていた矢先の2020年春。COVID-19による全国規模での緊急事態宣言、飲食店の営業自粛。

Rettyは3月末から早々と完全リモート体制に移行しましたが、事業・組織の非常事態体制へのシフトは容易ではありませんでした。リーマン・ショックや東日本大震災時はまだ学生だった自分にとっては、嘗て無い苦境。4月・5月は売上の回復の目処が立たず、経営陣では最悪のケースも想定しました。それまで順調に来ていただけに、いきなり奈落の底に突き落とされたような感覚でした。

広告宣伝費やツール費用、外注費、その他月次でかかっていたコストの大幅削減。採用も完全にストップしました(現在はエンジニアや22新卒等一部再開)。

Rettyでは武田主導で「サバイバル100日プラン」を掲げ、売上の回復やコスト削減、テイクアウトプランのような新しい打ち手、そして起死回生の打ち手としてGo To Eatキャンペーンへの参画を目指し、全社一丸となって、戦ってきました。大規模スクラム(LeSS)の導入、営業やコーポレートとのコミュニケーションパイプラインの強化等、平時に様々な仕込みを行っていたが、全社ONE TEAM緊急時体制を乗り切れた勝因ではないかと思います。この半年の経験は当社にとっても、個々人にとっても、大きな財産です。

食を通じて世界中の人々をHappyにするには道半ば

画像6

弊社コーポレートサイトより

これまで5年半の振り返りと感謝を書いてきました。社内外のたくさんの人々の力あっての今のRettyであり、自分だと強く感じます。

多くの失敗もありました。社内でも「もう1〜2年売上に繋がる加盟店の継続率改善を急げたら・・・組織を立て直せたたら・・・」という言葉はありました。ただ今更たらればを話してもどうにもなりません。失敗を猛省し、次に全力で活かすべきですが、その当時各々が最善を尽くしてきた結果でもあり、失敗したことを責め、誰かを戦犯扱いすべきではないなと。卒業生も含めて全員で創ってきたからこそ今のRettyがあることに改めて感謝です。

他社スタートアップの皆様にも本当にたくさん学ばせてもらって、また切磋琢磨させてもらって、本当に感謝です。人の紹介や我々の学びの共有など自分でできることは恩返ししていきたいですし、今後もスタートアップ村の一員として良くしていただければ有難いです。

Rettyとしては、Withコロナ真っ只中に上場を迎えましたが、まだフルパワー全開とは言えません。外食業界も引き続き苦しい状況です。非常に盛り上がりを見せているGo To Eatで飲食店さんの復興を支援していきたいですし、モバイルオーダーを中心とした新規事業やRettyタイ展開にもますます力を入れていきます。今後の拡大も視野に、組織もさらに強くしていきます。

食を通じて世界中の人々をHappyにするにはまだまだ道半ば。今後もRettyと野口を宜しくお願いいたします!


野口がやっているポッドキャスト「スタチャ」 でも上場までのGood&Bad Momentを振り返っています。ぜひ聞いてみてください。




頂いたサポートを記事を書くためのインプットに活用します