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素晴らしき松明映画の世界

冬だ!焚き火だ!炎上だ!


というわけで今回は「素晴らしき松明映画の世界」なるお題でご機嫌うかがいでございますよエベバデー。

なんでしょうねタイマツエーガ。これは私が割とさっき勝手につけたのですが、要は古いSF/ホラー映画などで、山奥に逃げ込んだモンスターやエイリアンなどをみんなしてやっつけようZe!と、村の衆がテンション上げて集合し、手に手に松明など掲げてゾロゾロ行進するような映画の総称でございますよ。

ターゲットの怪物やエイリアンは、同情の余地ゼロな残虐非道の殺人生物で
村人を次々に血祭りに上げてる場合も有れば、実は心優しく大人しい存在で、ちょっとした出来事で誤解を受けたか、あるいは容姿の異様さからの偏見で駆逐すべき対象と見られちゃってる場合など様々ですが、「あんなバケモンをこのままにしちゃおけねぇだよ!村の衆 総出でブッ殺してやんべ!」とばかりに目を三角にしてワイワイ押し寄せる連中は、大抵の場合は愚かしく、浅ましく、醜く、否定的に描かれる場合がほとんどですわな。
まさしく彼らこそ、人間の…それも、テンパったまま群れ集まった時の際限なき暴走ぶり、その怪物以上のおぞましさの象徴として扱われるわけで。

まともな情報が得られぬ状態で恐怖や憤怒に駆られた集団って奴ぁ、私がイマサラ言うまでもなくメタクソ怖いです。なまじ群れ集まってるだけに、テンションは相互反響して留まる所を知らずウナギ昇り。悪意や偏見をかかえた扇動者なんぞが1人でも放り込まれたらサー大変! みんなソイツの言いなりで、どんな残虐なことでもやってのけます。こんな連中に絡まれた日にゃあ、どんな性格のモンスターであれ、こりゃひとたまりも無いですよ。たちまち村外れの水車小屋などに追い詰められ、小屋もろともボーボー焼き払われて果てるハメとなるのであります。
この凶暴無比なテンパリ衆との対比により、たとえ本当に獰猛なモンスターであっても その最後は哀れを誘ってしまうわけであり、名作SF/ホラーにコヤツらの存在は欠かせませんな。

まぁ松明掲げて行進する連中に限らず、例えばパブリック・エナミーを前にして自分たちだけは絶対的正義だ、正義のためなら何をやってもいいというお題目の下に理性を失い、エナミー以上の獰猛凶悪な所業に出る連中、あんまり周囲がテンパってるので「自分も参加しとかないと村八分に遭うべ!」という心の弱さゆえに残虐行為に手を貸してしまう連中、昨日まで良き隣人だったのがパニックの中で疑心暗鬼に陥って互いに殺しあう「逆噴射横丁」的な状況などなどなど諸々ひっくるめ、徒党を組んだ人間の、大衆の愚かしさ、醜悪さ、残酷さを「これでもか」と見せ付けて観客に人間やってるのがイヤになり今すぐ首くくって死にたくなるような映画をバシバシ挙げて行こうと思うのでありますよ。

いっくらでも有りますよ。早いモン勝ちの思いつくままでヨロ!

《初出:2008年01月30日》


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