📐K近傍法と協調フィルタリングは同じものですか?

K近傍法(KNN: K-Nearest Neighbors)と協調フィルタリングは、両者ともに推薦システムや分類の問題で使用される手法ですが、同じものではありません。しかし、K近傍法は協調フィルタリングの一部として利用されることがあります。

  1. K近傍法 (KNN):

    • 分類や回帰の問題で用いられる教師あり学習の手法の一つ。

    • あるデータ点に最も近いK個のデータ点を見つけ、それらのデータ点の情報(例: クラスラベルや値)を基に予測を行う。

    • 例:新しい映画のジャンルを分類するとき、すでに分類された映画の中から最も似ているK個の映画を選び、そのジャンルを基に新しい映画のジャンルを予測。

  2. 協調フィルタリング:

    • 主に推薦システムにおいて利用される手法。

    • ユーザー同士やアイテム同士の類似度を計算し、ユーザーに対してアイテムを推薦する。

    • 例:あるユーザーが好きな映画のリストから、他のユーザーとの類似度を計算し、類似しているユーザーが好きな映画を推薦。

K近傍法を協調フィルタリングに応用することで、あるユーザーの評価パターンに最も近いK人のユーザーを見つけ、それらのユーザーが評価したアイテムを基に推薦を行うことが可能です。この方法は、特にユーザーベースの協調フィルタリングと呼ばれる手法でよく用いられます。

K近傍法 (K-NN) は、分類や回帰のためのインスタンスベースの学習アルゴリズムです。本質的には、新しいサンプルに対する予測を行う際に、既知のデータセット中で最も近いK個のデータ点を考慮します。

K-NN自体は特徴量を「発見」する手法ではありません。代わりに、既存の特徴空間上での距離(たとえばユークリッド距離など)に基づいて動作します。したがって、K-NNを使って新しい特徴量を抽出することは直接的にはできません。

ただし、K-NNを特徴量のエンジニアリングや選択の文脈で使用することは可能です。例えば、特定の特徴量がK-NNの性能に与える影響を評価するための特徴量選択の一環としてK-NNを使用することができます。しかし、これは特徴量の「選択」であり、新しい特徴量を「発見」することとは異なります。

要するに、K-NNは主に分類や回帰タスクに利用されるアルゴリズムであり、特徴量の発見や抽出には直接使用されません。


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