人類が地境環境を考えるようになるきっかけ
人類が地球環境について本格的に考えるようになったのはつい最近のことです。以下にその経緯を時系列で示します。
19世紀
19世紀初頭: イギリスのロンドンで石炭使用に伴うスモッグ(煙霧)問題が深刻化し、初めて大規模な都市公害として注目される。
19世紀末から20世紀初頭: アメリカやイギリスで工業化に伴う工場排出物による環境汚染が発生。都市部での大気汚染や水質汚染が問題となる。
20世紀初頭
1930年代: イギリスでドンガラ事件が発生し、大気汚染による健康被害が注目される。アメリカのロサンゼルスでスモッグ問題が顕在化。
1950年代:
日本で四日市ぜんそくやミナマタ病が発生し、工場排出物による深刻な健康被害が明らかになる。
アメリカのピッツバーグなどで工業汚染が深刻化し、地域社会の健康被害が認識される。
1960年代
1962年: レイチェル・カーソンの著書『沈黙の春』が出版され、農薬による環境汚染が広く認識されるようになる。
1969年: アポロ11号が月面に着陸し、人類が初めて月に到達。宇宙から見た地球の写真が撮影され、「ブルーマーブル」が象徴的な画像として認知される。
1970年代
1970年:
4月22日、アメリカで初の「アースデイ」が開催され、地球環境の保護意識が高まる。
アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が設立され、環境規制が強化される。
1972年: 国連人間環境会議がストックホルムで開催され、地球規模の環境問題が国際的に認識される。
1970年代: 日本で水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの公害病が社会問題となり、公害対策基本法が制定される。
1980年代
1980年代初頭: 人工衛星を用いた地球環境の観測技術が進展し、大気汚染、森林破壊、気候変動の監視が可能になる。
1987年: モントリオール議定書が採択され、オゾン層破壊物質の規制が始まる。
1990年代
1990年代: 環境保護運動が世界的に広がり、持続可能な発展の概念が普及する。
1992年: 地球サミット(リオデジャネイロ)で「アジェンダ21」が採択され、持続可能な発展のための行動計画が策定される。
2000年代
2000年代初頭: 国際的な環境保護協力が強化され、京都議定書やパリ協定などの気候変動対策が進む。
2004年: NASAの人工衛星「アクア」が打ち上げられ、地球の水循環と気候変動の観測が強化される。
2010年代
2015年: パリ協定が採択され、気候変動対策に関する国際的な枠組みが強化される。
2017年: 国連の持続可能な開発目標(SDGs)が普及し、企業や政府の環境対策が強化される。
結論
19世紀から始まった公害問題の意識は、20世紀にかけて多くの重大な事件や環境災害を通じて高まりました。1960年代の月面着陸とその後の環境保護運動の進展により、地球環境の保護が重要な国際的課題として認識されるようになりました。現在、持続可能な発展のための取り組みは国際的に進展しています。
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