Scary Beauty
#ScaryBeauty done!!
オルタ2 はかすかに笑い、肩甲骨を大きく動かして、伸びやかに歌う。
3曲目 ScaryBeauty で呼吸音が聞きとれると、そこからオルタの呼吸と曲のテンポ、唇の動きが一体化。体温が5度くらい、ぐっ!とあがる瞬間を体感。私が拍手を贈ったのがアンドロイドだとは信じられない。
配線だらけの身体なのに、首の動き、傾き、肩の上下、猫背っぽい丸み、上腕、下腕が内に入ったり外に向いたり、掌が上を向いたり下を向いたり。
オルタ2の自由度。指揮は音が出る前に動き出す、踏み出す。相手が生きてないとインテーションを持つことが相互作用してオルタ2の周期の揺らぎを感じとる。
機械から生命感が宿る。
身体や手の動きの意味が、指揮者がいるからまとまる。オーケストラがいるから、人間っぽくならない。
人間をロボットに置き換えると、
見えてくるものがある。
自分でジェネレートして、動きをつくる。
やればやるほど良くなる。
行動に深み。
三島の遺書の一節「肉体を見てくれ」という歌詞をオルタが歌うことに、
とんでもなく感動した。
アンドロイドなのに、
なにかを訴えているような、
意思を感じられる動き。
曲が盛り上がってくると、
少し宙をあおぎ、首を左右に小刻みにふるオルタ2は完全に場をもってったなー。
天人五衰=死ぬ直前のテキストを、
アンドロイドが歌うことが面白い by 渋谷さん
オルタ2は恐ろしいほどの生命力が感じられて、少しおどろおどろしさも。特に曲が明るく快活だったこともあって、強く印象に残りました。
ロボットに人間がディレクションされる夜!
もっと私達が機械化しながら進化したときに、生命感あふれてくる可能性に満ちている。ALIFEは機械の身体=微細なエンジニアリングに生命性が宿る。
AIにより言葉のラインを自由に組み合わせていくと、曲は分断されても新曲ができるかも!
●当日配られたパンフレットにあった「クリック聞かなくても大丈夫」という話は、本当にその通り。表情はまだまだニヒルなオルタ2なのですが、ご機嫌な様子は表情ではなく、その身体性が醸し出していたように思いました。日々の私は、ご機嫌な身体を持っているのでしょうか?w
アンドロイド・オペラ「Scary Beauty」
日時:7月22日(日)20時30分開演
会場:日本科学未来館1F シンボルゾーン (東京都江東区青海2-3-6)
※終演後に石黒浩、池上高志、渋谷慶一郎によるポストトークあり
●アンドロイドが人間のオーケストラ伴奏で歌う、渋谷慶一郎のアンドロイド・オペラ『Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)』日本初演が決定!2018年7月22日、「アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』」を世界の人工生命研究者が集うALIFE 2018(人工生命国際学会)のパブリックプログラムとして日本科学未来館(東京・お台場)で発表する。本プロジェクトは、昨年2017年にオーストラリアでプロトタイプを公開し、それ以降に完成した新曲を加えたバージョンとして世界初演となる。AI(人工知能)を搭載したアンドロイド オルタ2(Alter2)が30名に及ぶ人間のオーケストラを指揮し、それを伴奏に自ら歌う。演奏に際した音楽全体のテンポや強弱はアンドロイドが自律的に決定し、人間はそれについていくことしかできない。これは宿命的に加速する「自らが生み出したテクノロジーに従属することでしか生きていけない人間」の縮図をみせるモノオペラ/ショー/作品/であり、最後の音楽と言えるかもしれない。作曲とピアノを渋谷慶一郎が担当、実際の演奏の際に起こるであろう人間の想像を超えた急激なテンポや強弱の変化、それに伴う歌唱表現の極度な振れ幅は全てアンドロイドが自ら決定し、作曲された音楽作品の新たな可能性を引き出す場合もあれば、破壊する可能性もはらみつつ音楽は進む。 世界的なロボット学者である石黒浩氏(大阪大学教授)のアンドロイド「オルタ2」に同じく世界的な人工生命の研究者である池上高志氏(東京大学教授)によるAIの自律的運動プログラムが搭載されたとき、このプロジェクトは始動した。世界のロボット、ALife(人工生命)を代表する石黒、池上という二人の際立った知性と渋谷の音楽が拮抗することで音楽と我々=人間、アンドロイドの関係は激しく振幅し揺れ動き、更新されるだろう。
2020/5/1~ 舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund への寄付とさせていただきます😃