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私がワールドの写真を撮る理由

最初は未知だったからだと思う

知らない人、知らない世界、知らない文化
そういう未知を求めてVRChatに来た
2018年の5月のことだ

最初の方に行ったのは今は無き「Japan Shrine」

画像3「Japan Shrine」 by RootGentle

とりあえずJapanで検索して人が多いワールドに入ったんだと思う
美しい夏の神社の中で色んな言語が飛び交うpublicに戸惑いつつもそこには未知があった
カメラの使い方も知らず画面のスクショを撮って一人で興奮してた

そこから一人でワールドを片っ端から巡るようになった
そこで見た未知を写真に収める
それがとてつもなく楽しかった

ただVRChatを続けていくにつれ変わっていった
最初に大きく認識が変わったのはVRChatがUnity2017へのアップデートした時だろう
お気に入りに入れていたワールドがいくつか壊れていた
地面がピンクに染まったりギミックが壊れていたり
中には更新して直して下さる作者さんもいたがそのまま消えてしまったり更新される事なく壊れたままになっているワールドもあった
当たり前にワールドを享受していた愚かな私はそこで初めて気づいた
ワールドというのは壊れて行けなくなる可能性もあるんだと

昔「Hometown Journey v3.0」というワールドがあった
たぶん今でも私が一番好きなワールドだと思う
夕暮れの雲海の中、飛空船の周りをドラゴンと気球が飛び回り巨大な鯨が泳いでるワールドだった
その世界に圧倒された
今でも巨大なモノがあるワールドが好きなのはたぶんここのせいだと思う

画像4「Hometown Journey v3.0」 by Xxuebi

ここはいつの間にか行けなくなってしまっていた
お気に入りの中にある行けなくなったワールドのどれかなのだと思う

ワールドがなくなってしまうもしくは壊れてしまうことは多々ある
VRChatのワールドのほとんどは個人のクリエイターさんが作って下さっているものだ
VRChatアプデのたびに更新し続けるのはかなりの負担だしVRChatをやめてしまってる人もいる
それだけでなく他にも色んな事情があるものなので仕方ないことだと思う
だからこそ記録に残したいと思うようになった

私が絵を描いたり文章が書いたり音楽を作ったり自分で何かを表現するようなものができればそれを使って記録に残しただろう
だが私は創作や芸術といったものは今まで全然やってこなかった
記録に残るものが何も作れない私にとって唯一出来るものが写真だった
私の表現はこれしかない
だから私は写真を撮る
写真でその世界を表現する
いつかVRChatも終わり、全てが消えてしまう時が来るとしても記録に残せるように
これが私の唯一の記録手段だから

今でもpublicでワールドを巡るのは未知を求め続けているからだと思う
たまには知らない方や海外の方や作者さんと会いお話をする 
そういう時はたまらなく楽しい
だがそんな私の記憶もすぐに薄れて消えていく
「楽しかった!最高だった!」だなんてふんわりとした記憶だけになりいつかはすべてを忘れていく
ワールドを辿った道筋もそこで誰かと過ごした思い出もいつかは消えていく
それが怖くて仕方ない

だから私はワールドの写真を撮る
いつかすべてが忘れ去られても
そういう世界があったんだと記録を残すために

画像4「Hometown Journey v3.0」 by Xxuebi


これで終わるとあまりにも暗いので最後にロマンの話をしよう

いつかはすべてが消えるのだろう
私が残した記録もいつかは消える
でも少しでも長く残ってくれれば
VRChatが終わった後も私が死んだ後もずっと先に残ってくれれば
未来の誰かがこの記録を見てくれるかもしれない
数多のクリエイターさん達が作ったこの美しい世界達を見て何かを受け取ってくれるかもしれない
そうすれば私達は続いていく
そういう希望を込めて記録を残す
というロマンの話

願わくばこの美しい世界達が少しでも長く少しでも先に届きますように

画像4「隔離都市ビブリオス:第6番街」 by MA=RE


※このnoteは #ワ探アドカレ の23日目の記事です

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