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DTM史上最強の飛び道具エフェクト LUNATIC AUDIO社 NARCOTIC

どうもマイコンです。音楽制作をしていると、音色に個性的な動きが欲しいと思うことはありませんか? そんな時、まずは空間系のディレイやリバーブをかけたり、位相系のフランジャーやフェイザーを試したり、LFOで音程を揺らしてみるなど様々な方法を試す事になります。そしてそれらのエフェクトをいくつか組み合わせてみても、予定調和の範囲から飛び出す事はなかなか難しいのではないかと思います。そこで今回、繊細な変化からド派手でトリッキーな動きまで、自分では思いつかなかったようなサウンドが自由自在に生み出せてしまうエフェクトプラグイン LUNATIC AUDIO / NARCOTIC を使ってみました。摩訶不思議サウンド、飛び道具エフェクト、そして有機的な音変化をお求めの方はぜひ試聴動画をご参考にしてください。

LUNATIC AUDIO NARCOTIC

32種類のエフェクトを最大6つ直列可能

NARCOTIC は32種類のエフェクトを搭載し、各エフェクトはどれも高いクオリティを備えています。特にオススメのエフェクトは BAND DRIVE、 BASS CABINET、GRUNGEで、サウンドに太さや荒々しさを加えることができます。そして RETRO CHORUS も素晴らしく、通常のCHORUSに比べて音の中心が立ち、リッチなビンテージサウンドの風格が漂います。SPACED OUT は残響の音像が左右に動き、アグレッシブな柔らかさを与えてくれるのが新鮮でした。そしてPITCH DRIFTは入力された音の音程を+-12半音、+-100セント単位で上下することができ、音程が変わる時にポルタメントがかかる「GRIDE」設定も面白いです。下の動画ではこれらのエフェクトをまとめて試してみました。

6つのエフェクトをピックアップしてご紹介しましたが、NARCOTICにはこれらの単品エフェクトが32種類搭載されており、最大6つまでチェーンすることができます。しかも各パラメーターがステップシーケンサーでオートメーションできてしまうという、その音作りの可能性はまさに無限大といえるでしょう。

最大64ステップのシーケンサー

NARCOTIC は各エフェクトパラメーターごとに最大64ステップのシーケンサーを持っていて、パラメーター値をグラフィカルに描いてオートメーションすることができます。ビートに合わせた周期的な音変化や、ステップ数を減らしてLFOのように使用することも可能です。基本的な使い方や特徴は SONICWIRE さんの紹介動画に集約されていてとても分かりやすいで、こちらをご覧ください。

音を飛ばす!音がグルグル動き回る!

NARCOTICにはプリセットが多数用意されており、ベース向けやドラム向けなどにカテゴライズされています。プリセット試聴用のデモトラックを作成し、NARCOTICのプリセットを試聴した動画を用意しました。

ドラム、ベース、シンセの3パート構成で、シンセサイザーパートだけにNARCOTICを使用しています。シンセフレーズはシンプルですが NARCOTIC のプリセットを選ぶだけで、”これぞ飛び道具”と呼ぶにふさわしい複雑なサウンド変化が得られました。プリセットを元に自分好みの方向に調整するのも良し、緑色に光る XY パッドをMIDIコントローラーなどから操るのも面白いと思います。

音を刻む!譜割りも自由自在

NARCOTIC の能力は飛び道具にとどまらず、アレンジ面にも活用できます。全音符でベタ打ちしたシンセトラックに、NARCOTICのフィルターでリズムを持たせ、UTILITYエフェクトでステレオ感を制御すると、全く新しいシンセトラックに変身しました。

予定調和から脱却するヒューマナイズ機能

ステップシーケンサーにはヒューマナイズ機能が搭載されています。パラメーター設定値をランダムに増減させるヒューマナイズ機能は、周期的で単調になりがちなパラメーターの変化に有機的なゆらぎを加えたり、最大設定では突拍子もない動きを加えます。

【ピッチドリフトでヒューマナイズ機能を実践】

シーケンスパターンのステップ数を減らしてパラメーター変化を曲線的に設定すると、まるでLFOのような波形を描くことができます。そしてこのヒューマナイズ機能を適用することで、ランダム性を帯びたLFOが飽きの来ない音変化を演出してくれます。

サイン波に見立てたシーケンスパターンを作り、ピアノの音をピッチエフェクトで揺らしてみました。古いレコードプレーヤーの様な不安定なサウンドになり、ヒューマナイズ設定が小さめの時は微妙なズレ感が心地良いです。ディレイやリバーブも足せばピッチの揺らぎがコーラス効果を生み出します。ヒューマナイズ設定を大きくすると明らかに壊れたプレーヤーの音になるので、そのさじ加減はユーザー次第という楽しみがあります。

【ヒューマナイズ機能でシンセドローンの自動生成も可能!】

入力した音源にピッチドリフトとフィルターを使用し、ヒューマナイズを適用すればドローンのような音楽が自動生成されます。動画ではピッチドリフトの音程とフィルターカットオフにヒューマナイズを適用して、DAWの再生を止めるまで延々と演奏されるパターンを作成しました。

いまや音楽制作に必須のサイコロ機能

ステップシーケンサーで音の動きを徹底的に追い込めるのはもちろんですが、時短重視であればボタン一つでサウンドを提案してくれるSHROOM MAGIC ( シュルーム‧マジック‧ボタン )が便利です。これはランダムにエフェクトがマウントされ、パラメーターもランダムに設定されるというサイコロ的な機能です。ランダムとはいえ、音として成り立たせるための原則に従っていますので、目を閉じて気に入ったサウンドが降りてくるまでこのボタンをひたすら押す、というのもイマドキな制作手法といえるでしょう。

DTM史上最強の飛び道具エフェクト

音を飛ばす、譜割りを刻む、ピッチを曲げる、音を揺らす、それらをグラフィカルにコントロールすることが可能な NARCOTIC は、DTM史上最強の飛び道具エフェクトといえるのではないでしょうか。飛び道具だけでなく、サウンドに雰囲気を持たせる隠し味としても活用できるので、電子音楽をはじめ生楽器に使っても面白い効果が出せると思います。新しい音表現を手に入れたい、予定調和から脱却したい、そんな時にまず試して頂きたいプラグインです。

LUNATIC AUDIO NARCOTIC


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