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【壊れたハンガーの修復】

【壊れたハンガーの修復】(たいした話ではありませーん)。木製ハンガーの肩の部分の片方が割れてしまいました。それで木製のハンガーを買いに行ったのですが、いまは殆ど売ってない。プラスチックばかりです。一部に木製もあるけど、薄い板でぺらっぺらのものしかなかった。ハンガーは身近な道具ですが、このての道具、工具、部品類は、なぜかあっという間に消えてなくなります。木製のハンガーは「全滅危惧種」らしい。当初は捨てるつもりでしたが、修復することにします。

外から見ますと真っ直ぐ綺麗に割れたように見えるのですが、内側の破損箇所は凸凹でして、複雑骨折状態です。いびつに割れている。破損部分を取り除いて、両ブロックを組み合わせると内側に数mmの隙間ができます。たぶん通常の木工用接着剤では付きません。(すみません、修復前の写真を撮り忘れました。また、形状が変であり『ジグ』もないので、両手がずっと塞がっており、途中の写真もありません。)

通常は、似た色合いの薄板を切り出して、隙間の形状に合わせて整形し、それを割れの隙間に挟んで接着する。でも作業が大変そうです。ここは、簡単に、隙間にエポキシ樹脂を充填して固定し、そのあとをアクリル樹脂で仕上げます。

まず、割れた右肩と本体との間に『詰め物』をして、割れ目を綺麗に合わせます。その状態で破損箇所を外側からテープで固定します。さらに、右肩の下面から、隙間を貫通するように、ドリルで上向きにネジ穴をあけます。大きめのネジで仮止めし、再度位置を確認します。ハンガーの破断面には凸凹がありますし、正確な位置関係にすると、もともと隙間があります。もしも適当に接着して、間違った位置関係で接着しますと、できあがりも曲がってしまいます。つまり、接着する際にこのネジを1本を締めますと、破断面の両ブロックの位置関係が正確なところに綺麗に定まるというものです。

ネジを外して、接合面の周りをマスキングします。速乾性の液体を使うので、ここからは超急ぎの作業です。下手すると樹脂が流れ出て、たぶん悲惨な状況になるので。接合面の両面にたっぷりエポキシ樹脂をのせ、接合面が綺麗に合うように、素早くネジ止めします。事前に、ネジ位置で上下のブロックの位置関係を確認していますので、ネジを締めるだけで、一応正しい位置になります。接合箇所の回転方向のずれを微調整しまして、ゆっくりネジを増し締めして固定します。外側にはみ出た樹脂をへらでさっと取り除きます。さらに、内側の樹脂が流れ出さないように、充填箇所の周囲をビニルテープで塞ぎます。樹脂が半乾きになったところで、スクレーパーではみ出し箇所をカットしました。樹脂が固まったら、接合箇所の小さな凹凸、泡、隙間にアクリル樹脂を個別に流し込みました。

できあがりはしっかり付いています。ネジは仮止めのつもりでしたが、強度が気になるのでそのままにします。充填箇所を触ってみても、つるつるとしており、凹凸はありません。ところが、遠くから見ますと、素材が違うので、樹脂を充填した箇所が少々目立つようです。あたかも、接合箇所に段があり、「へたくそ」な作業のように見える。気になる!
樹脂に少量の顔料を混ぜて、色をあわせれば良かったかなあ、と思う。所詮安価なハンガーでして、どうでもよいことですが、安易で些細な妥協をしますと、微妙な後悔が涌いてきます。

木製ハンガー