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【年初にあたり】

【年初にあたり】今年の抱負や目標を語ると、標語を作っただけなのに、なぜか無意味な達成感があります。ところが行動に移そうとしますと、「さて、何をすればいいのだろうか?」ということを具体的に想像できません。目標が遠すぎて、そこまでの長い道のりを考えると、さらに面倒臭さが募ります。少々頑張っても目標に近づいているのかどうかもわからない。遙か彼方の遠い目標を立てますと、よっぽど高尚な方でないとそこへの道順が見えません。通常は続きません。

続けるには、その作業のなかに興味や面白さを取り入れる必要があります。たとえば、手元にある細い糸を辿ると、たぶん目標に繋がりそうなことで、まずはいちばん簡単なことをするほうがいいです。目標をわざわざ語らなくて良いし、遠い目標は要らない。それよりは、一番簡単なこと、いますぐできる手元にある具体的な作業をする。やってみると作業の中に楽しさや発見があり、ささやかな達成感も味わえます。正月気分に浸っている暇があれば、たとえば部屋の模様替えでも構いません。なんでもよいので、とにかく目標に繋がりそうな実際の仕事・作業をすることです。

ということで、今年の元旦、私は朝まで一晩じっくり時間を掛けて、英文の文章を読みました。昨年末に、ある専門の論文ジャーナルの編集担当から依頼がありました。その査読論文集に掲載して良いかどうかを決めかねている。それで、読んで、率直な意見が欲しいとのこと。引き受けたものの、50ページもあって長すぎるし、とにかく面倒臭い。しかも英文だし、心底読みたくない!しばらく放っていました。それでもちゃんと読まないと編集担当に返事ができません。なにかの『きっかけ』になりそうだし、しっかり読んでみました。

他人様の話を読むことや、読んだ内容自体が、直接自分の目標に繋がるわけではありません。おそらく時間の無駄です。でも読んでみますと、「時間を掛けて、一生懸命作成したんだなあ」ということがわかる。また「おそらくこういうことをしたかった」ということも伝わってきます。勝手な思い込みに過ぎませんが、著者の気持ちや意欲を共有でき、モチベーションの波動が伝わるような気がします。いつまで効果があるのかはわかりませんが、おかげで、あたまのスイッチが少しだけ入ったようです。