「style」全曲解説 M12. Rebooter
この曲はリリース当時のマガジンに詳細をまとめているので、詳しくはこちらをご覧いただければと思います。
今回の記事では、Rebooterをリリースしてから約4か月が経った今、振り返って思うことや感じることを残しておきたいと思います。
Rebootとは「再起動」という意味です。
過去記事でも散々書いてきましたが、Rebooterを作るきっかけになったのは、とある友人の存在があってのことでした。
一念発起してボディビルに挑戦するという彼を応援する音楽をつくりたくて書いたものです。
男に二言はないぜとばかり、彼は見る見るうちに体脂肪を落とし、ヘレニズム時代の彫刻みたいな体を手に入れました。
ラーメンとレモンサワーが人生の恋人だった当時の彼の姿は、もうこの世にありません。
ラーメンは鶏むね肉とブロッコリーに変わり、レモンサワーはプロテインになりました。
変化というものは、前後のコントラストが強ければ強いほど美しいのかもしれません。
ビリギャルとかドラゴン桜は、もしも主人公が公立の進学校に通う生徒だったら、きっと面白くないでしょう。
そういう意味で言うとボディビルの彼が魅せたコントラストは見事なものでした。
酒と手を繋いで眠るような生活をしていた彼がボディビルに挑戦するにあたり、余計なお世話と知りつつも、どこか心配している部分が僕の中にはありました。
本当に達成できるだろうか、途中で投げ出して浴びるほど酒飲むんじゃないか、もしそうなったら彼はもう二度と自分のことを好きになれなくなるんじゃないか。
Rebooterを作った背景には、そんな想いも含まれていました。
つまりRebooterは、挑戦するものをその外側から励ます存在として位置付けていました。
「再起動させるもの」の意で、タイトルは曲そのものを表したものでした。
実際のところ僕の心配は杞憂に終わり、広辞苑の「ストイック」の欄にその名前を乗せてほしいと思うほど徹底した自己管理を貫いた彼は、生まれ変わって新たな自分を手に入れた。まさに「再起動した」のでした。
今、振り返って当時のことを思い出したり彼と話したりすると、「Rebooter」とは他動詞ではなく自動詞で「再起動する者」と解釈したほうがすっきり納得の行く感じがします。
音楽の持つストーリーや意味のようなものは、音楽そのものにあるのではなく、それを取り巻く環境や聴く人それぞれの中にあるということを再認識しました。
「Rebooter」を皆さんに聴いていただくにあたり、どういう風に聴いてほしいとか指定するつもりは全くありません。
ただ何か「ここぞ」の場面で気合を入れたいとき、目標や自己実現に向かって挑戦したいときに、皆さんのうしろでそっと鳴ってくれていたら嬉しく思います。
「Rebooter」はアルバムの12曲目。下記リンクから試聴できるのでチェックしてください!
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