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放課後ギター倶楽部#1 正確な出音とは

はじめに

 第1回目の「放課後だべり部屋」。今日は月曜日、放課後ギター倶楽部のコーナーです。今日は初回なので、前半は概要とか。具体的なお話は後半にあります。
 この連載を思い立ったのは、ギタリストとして過ごす日々の中での様々な発見を共有したいということでした。その中でも、せっかく見て頂くなら、話題に上ることが少ないものを扱おうということで選んだテーマが「練習について」。


 突然ですが、みなさん。

”ギター、練習してますか?”

 こう聞くと、十中八九「もちろんです!」と元気な答えが帰ってきます。
(まぁ、中には、全然練習してないけどバリバリに弾ける天才肌な人もいますが、そういう方はこのnoteにそもそも辿り着いてないと思うので、ここでは... ... 無視します!)

 ところが、その練習の「中身」を尋ねると圧倒的に多いのが、「〇〇というバンドの新曲をコピーしてます」という曲コピー系
 もちろん、それが悪いわけではないのですが、それは「その曲の練習」であって、「ギターの練習」をしていることにはなりません

 曲をコピーして楽譜通りに弾けるようになることだけがゴールなら、コピーに勝る練習はないので、僕が言うことは何もありません。

 そうではなくて、

・自分なりに個性的なギターを弾きたい
・オリジナル曲を作ってみたい
・アドリブソロを弾けるようになりたい

 こういったゴールを設定されている方は、曲ではなくてギターの練習をする必要があります。より正確に言うなら、「曲の練習」と「ギターの練習」を分けて考える必要があります

 今回の連載は、そういった方々に向けて僕の個人的なノウハウやメソッドをご紹介するものです。少しでも参考になれば幸いです。

 ※なお、本記事で紹介するアイデアは、あくまでも僕個人の見解によるものであり、教則本で書かれていることなどを否定するものではありません。


 本連載は有料マガジンとして設定しています。無料分までと有料分でお読みいただけるコンテンツの違いは以下の通りです。

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 もちろん無料分だけでも読み応えのあるものを作っているつもりではありますが、月額課金ではなくワンショットで次週以降のすべての記事にオールアクセスできる単品マガジンのため、ぜひ有料購読をお勧めします。




1.ギターの練習を考える二つの視点

 ギターの練習には二つあると思っています。
 「基礎練」「理論の勉強」です。

 よく勘違いされがちなのですが、クロマチックを極めて超高速ピッキングが出来るようになったとしても、それでギターが上手くなるわけではないし、どんな曲でも弾けるようになるわけでもありません。逆に理論を完璧に学んでも、ギターが弾けなければそれを表現することが出来ません。バランスが重要です。

 基礎練においては、それをできるようになることよりも、何を出来るようになりたいか、何のためにその練習をしているのか、考えて取り組むことが重要です。同じクロマチックでも、練習の目的によって取り組み方やメニューが変わります。

 そしてもう一つの練習が「理論の勉強」。
 敢えて少し関係のない話からすると、音楽理論を知らなくてもコードさえ覚えれば気軽に弾けてしまうのがギターという楽器であり、その便利さ、カジュアルさを、僕はすごく素敵に思います。始めるには手っ取り早い楽器だと。

 ところが、バンドにギターを持ち込んで、人と合わせて演奏するとなると、簡単なコードだけ知ってりゃいいってもんでもありません。音楽的な演奏をする為には、理論の勉強が必須です。

 僕だって、音楽理論のすべてを完全に網羅して理解しているわけではありません。というか、そんな人は多分世界中どこを探してもいないと思うけど。

 このnoteはあくまでも「放課後のだべり」なので、僕も日々学びます。一緒に楽しく勉強していきましょう!
 ※理論編の連載は2021年2月以降を予定しています。



2.本連載の流れ

 こちらの連載では、以下の流れで毎週月曜日に更新する予定です。
※頂いたコメントをもとに加筆修正・訂正、変更または追記等をすることがあります。

Ⅰ基礎練について
 1. 音を確実に鳴らす練習
 2. ピッキングニュアンスの練習
 3. 運指の練習
 4. リズムの練習

Ⅱ理論について
 1. コードの構成
 2. ダイアトニックコード
 3. スケールその1
 4. スケールその2

※21/3/15追記 「Ⅱ理論について」は、21/2/1~別マガジンへ連載を移行しました。



音を確実に鳴らすための練習


今日はⅠの1、音を確実に鳴らすための基礎練です。

 こんな方に効果的です。

・単音弾きでよく空振りする
・細かい(≒速い)ピッキングが苦手

 これらは、手や手首が動いているだけで、ピックが弦にあたっていないことが原因です。ピックが当たらないというのは、腕を大きく振りすぎているとか、逆に小刻みすぎるなどの原因が考えられますが、いずれにしてもそれを解決することで空振りも防げるようになりますし、細かくて速いピッキングにも対応することが出来ます。
 その為の譜例が、以下に記したものです。
 ※巻末にtab譜のPDFファイルを添付してあります。

譜例 1-1

ジュンペイ_Practice_1-1_page-0001

 何の変哲もない一般的なクロマチックですが、ここで注意して頂きたいのはこの譜面の「弾き方」です。以下の条件を守って弾いてみてください。

①BPMは♩=40をキープ。
②すべてダウンピッキングで行う。同じ強さでピッキングする。
③1フレット目は人差し指、2フレット目は中指、3フレット目は薬指、4フレット目は小指で押さえる
④音と音を途切れさせない
⑤他の弦や余計な音を鳴らさない

※その際、必ずアンプに繋いで出来るだけ大きな音で弾いてください。それが難しい場合はヘッドフォンを使用してください。アンプに繋げずに生音で練習しても、何の意味も無いのでご注意ください。


【コメント】
 ①について。この譜面を作成した採譜アプリの下限が♩=50だったため譜面ではこの表記になっていますが、実際に取り組むときは♩=50では速いので、♩=40から始めてください。弾きにくく感じる人は、遅すぎて弾きにくいのではなく、BPM=40の速さでも速すぎて弾けていないということなので、♩=30くらいまで落として取り組んでみてください。速く弾くことがこの練習の目的ではなく、速いピッキングができるために正確にピッキングをする練習なので、落ち着いてゆっくりな速度から始めてください。

 ②について。おそらくこの条件では弾きにくいと思います。それこそが、ピックが弦に正確にあたっていない証拠です。オルタネイトで弾きたくなると思いますが、そこはグッとこらえてダウンピッキングのみにしてください。オルタネイトで取り組むと、「弾くこと」が目的になってしまい意味がありません。この練習の目的は、この譜面を弾くことではなく、弦に正確にピックを当てることなので、あくまでもダウンピッキングで、均等な強さでピッキングしてください。

 ③については運指の回に解説するので今日は割愛します。

 ④と⑤はサステインとミュートの練習です。


 繰り返しますが、ポイントは「弦にピックを正確に当てること」です。そのことを念頭に置いて取り組んでください。

 それが済んだら、下記の二つの譜例でも更に取り組んでみましょう。


譜例 1-2

ジュンペイ_Practice_1-2_page-0001



譜例 1-3

繧キ繧吶Η繝ウ繝倥z繧、_Practice_1-3_page-0001


繧キ繧吶Η繝ウ繝倥z繧、_Practice_1-3_page-0002



 運指がどんどん複雑になるので、より弾きにくく感じると思います。


 こういった基礎練は筋トレみたいなもので、毎日継続することが重要です。その際、ただ漫然と弾くのではなく、繰り返しになりますが「今何のためにこの練習をしているのか」を必ず考えながら取り組んでください。

 

 このクロマチックが何のための練習だったか忘れてしまった人のために、最後にもう一度記します。

 これは、「音を確実に鳴らすための練習」です。


 最後までお読みいただきありがとうございました。

 1/7(木)はフリートークコラム、次週1/11(月)はピッキングニュアンスの練習についてご紹介します。


ジュンペイ


おまけ
今回使用したtab譜のPDFファイルはこちら↓↓



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