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#4 脱独学!なリズム感の話


 今回はリズムトレーニングの回です。
 前回まではピッキングやフィンガリングなど技術的な側面にフォーカスしていましたが、今回はリズム感を鍛えるための練習なので、運指など難しくないものを紹介します。実際に僕も、今日ご紹介する譜面で日々リズム感を鍛えています。



リズム感の重要性

 そもそも、リズム感はなぜ重要なのでしょうか。
 音楽を認識するための句読点やフォントのようなものだからだと、僕は思っています。演奏者とリスナーの共通の言語がリズムであると考えると、わかりやすいのではないでしょうか。

 

 今書いた上記の文章も、

そもそもりずむかんはなぜじゅうようなのでしょうかおんがくをにんしきするためのくとうてんやふぉんとのようなものだからだとぼくはおもっていますえんそうしゃとりすなーのきょうつうのげんごがりずむだとかんがえるとわかりやすいのではないでしょうか

と書いても、なんのこっちゃ訳が分からないのと似ています。


 もし仮に、句読点やフォントを使えないのだとしたらどうするでしょう。
 僕だったら文節や単語ごとにスペースを入れて多少でも読みやすくなるように工夫します。

ちょうどこんな風に。

そもそも りずむかん は なぜ じゅうよう なのでしょうか
おんがく を にんしきする ための くとうてんや ふぉんとのような
ものだからだと ぼくはおもっています
えんそうしゃ と りすなー の きょうつうの げんご が りずむである 
と かんがえると わかりやすいのでは ないでしょうか

 よく、児童向けの絵本なんか見ると、漢字が読めない子供たちに向けた文章は全部平仮名で書かれているけれど、空白がないと読みにくいので区切って書かれていますよね。それと同じです。

 ここで、リズムがズレている音楽とはどういうものか、同じ文章で喩えて表記してみると、以下のような感じになります。

そ もそもりず むかんはなぜじ ゅ うよ うなのでしょうかおん  
が くをにん しきするた めのく とう てんやふ
ぉん とのよう なものだ からだとぼ くは おもって います え
んそ うし ゃ とりすな ー のきょ うつ う のげ 
んご がり ずむ であ 
るとか んが えるとわ かりやすいの ではないでし ょ  うか


 まぁ、読めないことはないけど、、、認識するのに時間かかりますよね。

 こんな風に、演奏している側はイマイチ気が付いていなくても、聴いている側からすると違和感のある演奏というのは音楽でも起こりえます。その原因が、リズムのずれにあるということになります。



独学あるあるな悩み

 ギターってシンプルな楽器なので、パッと手に取って気軽に楽しめます。音楽理論なんて知らなくても、耳で曲を聴いて覚えて再現すれば何となく弾けちゃいます。

 ところが、実はその手軽さこそが落とし穴だと思っています。いくら耳で聞いて頭に叩き込んだものを弾きまくっても、リズム感は養われないからです。実際に僕も独学だったので、リズムを理解するのにかなり時間がかかりました。耳コピでゴリ押ししているだけでは限界があったからです。


 独学でギターを始めてある程度弾けるようになった人に、
「リズム感がないね」。
と言うと怒ります。僕も言われたこと何回もあるし、その度にいちいち目くじら立ててました。

 これ、なぜ怒るかと言うと、図星だから怒ってるんです。

レッスンにも通わずに独学でこんなに弾けるようになったのに(≒自分は天才なのに)、重箱の隅をつつくような揚げ足取りをするんじゃねぇ!(≒天才じゃないってことになっちまうじゃねぇか)!

と、そんな感じのロジックで怒ります。


 天才に生まれなかったことを嘆くよりも、自分に足りていないものを補う努力をしたほうが建設的なので、思い当たる節がある独学ギタリストはぜひリズム譜の読み方から勉強しましょう。知らなきゃわからなくて当たり前なんだから、リズム感がないと言われることは恥ずかしいことではないんです。



リズムの考え方

 いつも通り、あくまでも僕個人の解釈として参考にして欲しいわけですが、ざっくりわかりやすく噛み砕くと、リズム=時間と思っています。

1分間を60分割した長さが1秒です。
それと同じように、1小節を4分割した長さが4分音符です。
この4分音符を半分にした長さが8分音符、さらに8分音符を半分にして16分音符…


というように数えていきます。


今日ご紹介する譜例は、この音符の長さを感じるためのものです。



【譜例1】 8分→16分への加速、16分→8分への減速
難易度:★☆☆☆☆


ジュンペイ_Practice4-1_page-0001

BPM=120の表記になっていますが、最初は半分の60くらいから始めてみてください。


まずは、単純なクロマチックで8分音符と16分音符のスピード感の違いに慣れる為の譜例でした。



【譜例2】 8分→16分への加速、16分→8分への減速
難易度:★★☆☆☆


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譜例2と同じく8分と16分の行き帰りですが、交互に入れている分、リズムキープが少し難しいです。スピードの出しすぎに注意し、安全にギアチェンジできる速度で練習しましょう。




【譜例3】8分3連→16分3連への加速、16分3連→8分3連への減速
難易度:★★★☆☆

ジュンペイ_Practice4-3_page-0001

譜例1,2同じように、今度は3連符でのスピード変化を譜例に表しました。




【譜例4】4フレットを3の倍数で分割する
難易度:★★★★☆

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※これはBPM=120だとかなり速いので、法定速度を守ってやはり60くらいで取り組んでみてください。


同じく3連符のフレーズですが、譜例3では3フレットを3連符で分割していたのに対し、こちらは4フレットを3連符で分割しているため、より難易度が高くリズムがとりにくいと思います。3連符のリズム感を意識して練習し、慣れてきたら「1→2→3→4」を一塊に捉えられるように歌詞を乗せて歌いながらリズムキープして見ましょう。「イヤフォン」とか「ドライブ」とか何でもいいので、4文字の単語を乗せてくださいネ。



【譜例5】4フレットを8分→8分3連→16分→16分3連で行き来する
難易度:★★★★★

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区切る境目がわかりづらく、リズムキープが相当難しい譜例です。

フィンガリングやピッキングの練習ではないので、あくまでもリズムを意識し、音符の長さを感じながら取り組んでみてください。



今回で基礎練の連載は、いったん終わりです。
他にも扱うべきものはあると思うので、要望に応じながらいずれ書きますね。

次週2/1(月)からは音楽理論の基礎についての連載です!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。



ジュンペイ


おまけ

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