見出し画像

昭和の募金詐欺

もう40年くらい前の話・・・えぇもう、そんなに経つの?(笑)
当時ボクは幼稚園だか小学1年とかだったとおもう。
祖父の本屋が沖縄市にあって母がよく手伝いをしていた。自分も連れていかれて本屋やその周辺で一人で遊んだもんだ。

ある日、母にお使いを頼まれる。たしか何かを買ってきてほしいという内容で、おつりがちょうど50円とか30円になるのでそれをお駄賃としてもらう流れだったと思う。用事を無事済まし、もらったお駄賃で大好きなお菓子を買おうとお店に向かってる途中だった。

箱を持って持ちに立ってるおばさんが話かけてきた。
これは募金詐欺である。当時、沖縄市にはけっこういたらしく(大きくなってから聞いた)周辺でもおなじみの集団だったので道行く人はシカトしてたらしいが(いや、警察に言えよ

困った人を助けたいのでお金持ってないか?と聞かれたんだと思う。
ボクはなけなしのその数十円を全額募金箱に入れたと記憶している。
お菓子はほしかったが、それ以上に募金をした。多分、目の前のおばちゃんにズイっと詰められて断りきれなかったという側面もあったんだと思う(笑)

ただ事情を知らないボクは「とても良い事をした」という気になってた。
普段怒られてばっかなんで、褒められたとかあったんだと思う。
で、帰ってきて母親に褒めてもらいたくてその事を報告した。

「募金したの?エラいねぇ〜(アレッシーっぽく)」

と褒められるのと思いきや、母親は烈火の如く怒りだした。
これはボクの対する怒りではなく、もちろんこの詐欺募金ババアに対する怒りだ。
自分が怒られたわけぢゃないが、何かとんでもない事をしでかしてしまったと震えたのを覚えている。その日一緒にいたパートのお姉さんも怒っていた。
二人とも怒っている。野菜を残したとか、宿題をしてないとかそういうレベルの怒りじゃないのはその歳のボクでも瞬間的に理解できた。

手を引っ張られて募金をした場所に連行される。
沖縄市のゴヤ十字路の、昔映画館があった場所だ。今でも覚えている。
そこで、かろうじて怒りを抑えながら冷静に「どのおばさんだ?」と聞く母親だが、その「かろうじて」具合がビンビン伝わってきてとにかく恐い(笑)
結局のところその詐欺ババアはいなかったようなのだが、とにかくその日は「あんなものにお金を渡しては駄目だ」と一刀両断された。
結果的に褒められるどころか怒られたのだ。お菓子も買えず、お金も取られ、そして怒られる散々な一日だった(笑)

そしてその怒られてる理由はさっぱり理解できなかった。だって良いことしたんだぜ?困ってる人が助かったかもしれないんだぜ?と聞きたかったけどとにかく怖かったから「ごめんないさい」としか言えなかった(笑)
今なら理解できる。でも、もうちょっと言い方あったよなって思うよ母親よw

あの時の数十円は大金だ。
あの募金詐欺集団はこんな子どもから金受け取っても心傷まなかったのだろうか?そっちの方が信じられない。
あれから大人になって街頭で学生が赤い羽根の募金箱を持って立っているをよく見かける。絶対に違うとわかっていても財布を出すのに躊躇する(笑)
でも今はいろんな募金方法があるので、お金をチャリンと入れなくても違う方法で募金活動はやっている(たまにだけど)


何かピピッときたらサポートお願いします。