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ポリスパラダイス

僕が住んでいるマンションとその周囲にはけっこうな野良猫がいる。
マンションはペットOKで敷地内に猫がゴロゴロしていても不快だと感じている住人はいない(と思う)
で、近所にも同じく猫の世話をしている住民がけっこういるのだが、
毎日毎日ずっっっっっっと猫を呼んでいる老婆がいる。
最初は舌をチッチッチっと鳴らし・・・どの柄の猫も「み〜ちゃん」と呼んでいる。
以前は近くの道路でご飯をあげていたようだが、中身は不明。
人間の食べ物じゃないことを祈っている。

ここ最近は老婆の自宅(2階建の一軒家)の二階から階段を降り、ちっちっちっと呼んではその場でご飯をあげているようだ。相変わらず朝も昼も夜もずっっっっと猫を呼び続けている
夏場は窓を開けていたので外からちっちっちっと舌を鳴らす音が気になって正直あんまりいい気分ではなかった。
そしてずっと「み〜ちゃん!み〜ちゃん」と声を出している。

猫は気まぐれなのでいる時もいない時もあるが、
いないであろう日は15分おきにちっちっちが聴こえる。うへぇー。

ちょっと前に悲鳴ともうめき声とも思えぬ声が聞こえて、夜だったのでこっそり見てみるとその老婆と若い青年がなにやら揉めている?話をしている?状況がよくわからないが、軽い何かがおきているようだ。その後警察官も来てちょっとひともんちゃくあったようだ。猫に関係するご近所トラブルだろうか?それとも単純に人と人のトラブルだろうか?30分くらいしたら警官もいなくなってたので大した事ではなかったかもしれない。

そして最近、夜20時くらい、テレビを見ていると外から「ひぃいいああああ」みたいな声が聞こえた。
あ、あの婆さんだ!今度こそ悲鳴だ。なんだ?なんだ?と窓を見たらちょうど配達のお兄さんらしき人と、後で知ったけど近所に住む別の兄さん二人が「どうしましたー!?」と老婆に話しかけているところだった。

階段を降りてきた老婆は二人になにかを必死に訴えている。
鮮明には聞こえなかったが「自宅の奥に知らない人が寝ている!泥棒に違いない!」と言っていた。
ちょっと「?」って思った。そこの老婆宅は夫婦で住んでいる。旦那さんもちょいちょい見る。
旦那さん留守なのかな?そして泥棒が奥で寝ている?

話を聞いていた青年二人も話を聞いてから「警察を呼びましょう」と言って電話をしていた。
僕は完全に家の窓からこっそり状況を確認する不審者っつーか市原悦子だった。

警察に電話する青年の声がする。
青年「はい、はい、おばあちゃんの家から、泥棒じゃないかっていう・・・はい」青年「おばあちゃん、お名前は?」
老婆「◯◯です」
青年「◯◯という方だそうで・・・はい」「おばあちゃん、ここの住所は?」
老婆「・・・わからないです」

えっ?わからない??自分の住所なのに?
家もかなり古く、昔から住んでる感じだけど・・・
あれ?もしかして?と思いつつもうちょい聞いていた

青年「えぇ、ここですが?私も通りすがりでして・・・住所・・・わからないと言ってて」
といったら隣のもうひとりの方がマップで調べていて見せた・・・
青年「はい、そうです。何丁目の・・・細い路地の・・・」

と言って電話を切ったのでどうやら今から警察の方が来るっぽい。
とりあえずひと安心だと思うんだけど、その間老婆と青年二人は雑談をしていた。
内容は聞こえなかった。

僕も窓から離れ、テレビを見ていたがしばらくして窓の外にパトランプのピカピカがカーテンに映った。警官きた。急いで窓の方へいくと警官が二人おりてきて、青年に話を聞いていた。
もうひとりがおばあちゃんを連れて二階へいった。

とりあえず一安心なのかな・・・。

しばらくして、警官が降りてきた。
老婆もいる。警官が少し大きな声で老婆に向かい


警官「いい?あの人は旦那さん!あなたの旦那さん!大丈夫だから!泥棒じゃないから!」


と言っていた。

あぁやっぱ痴呆症になってるんだな・・・。

警官はいろいろ確認して帰った(っぽい)
僕もそこから見ていないし、あの青年も話ひととおりして解放されたようだし
この騒動は一旦締め。

旦那さんは寝てたからこんな状況になったの全然知らなくて
起こされたら警官いてびっくりしただろうな・・・

というか大丈夫だろうか?深夜徘徊とか。
ちょっと歩けば車も多い通りだし、階段が急だし、心配だ・・・・
親族とかいないのかな?旦那さんは大丈夫なんだろうか。
心配だ・・・心配だけど・・・・どうにもならんよな

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