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大月みやこ、大阪・新歌舞伎座でデビュー60周年記念コンサート 「大阪夜霧」など大阪を歌ったオリジナル曲から新曲「恋人のように…」まで

大月みやこ(キングレコード)が2024年9月25日、ふる里大阪の新歌舞伎座で歌手生活60周年を記念したコンサートを開いた。歌と自身による解説で日本の歌謡曲の歴史を綴るとともに、大阪を舞台にしたオリジナル曲の数々や「白い海峡」などの代表曲、そして今年3月に発売したニューシングル「恋人のように…」までを歌った。大月と同い年のギタリスト斉藤功と高校で同級生だったピアニスト上柴はじめとの共演も見せ場であった。

写真・満員の大盛況だつた新歌舞伎座での大月みやこの歌手生活60周年を記念したコンサート

 デビュー3年目に出した「大阪夜霧」(1966年)からオシャレな最新の歌謡曲「恋人のように…」(2024年)まで大月みやこの歌世界のすべてを今の彼女の声で聴かせ、満員の聴衆を魅了させた。
 ストライプ柄のドレスで現れた大月は「何処かで誰かが聴いてくれている、という恥ずかしいほどのゆっくりとした1年1年を積み重ねて来ましたが、今が1番幸せです」と、決して急がなかった60年の歌手人生を振り返った。

 最初のコーナーでは大正時代から始まった歌謡曲の歩みを急ぎ足でたどりながら、「カチューシャ」から「夜来香」まで6曲を歌った。

 大阪・八尾高校を卒業してキングレコードからデビューしたのは1964(昭和39)年で、青空に五輪の輪が描かれた東京オリンピックが開催された年であった。

 当時、キングレコードにはザ・ピーナッツ、江利チエミ、ペギー葉山といった錚々たる顔ぶれが揃っていた。そして演歌歌謡曲のスターは春日八郎、三橋美智也たちで、「その前座歌手として全国を回って歌えるのがただ嬉しかったし、大先輩の2人の歌を舞台のそでで聴くことが出来た」ことが、最大の勉強の場でもあった。

 「大阪から1人で上京して寂しいだろう、と大阪の歌を作ってもらいました」
 そんな中から「通天閣の子守唄」(1970年)「大阪夜霧」(66年)「大阪ごころ」(81年)「大阪ふたりづれ」(82年)そしてアルバム「橋ものがたり…十抄」の中から「戻り橋暮色」も歌った。

 この日のバッグバンドはバイオリン、ビオラ、チェロ、ベースの弦楽器とピアノ。それに特別ゲストの斉藤功のギターが加わるといった贅沢な構成であった。
 それらの演奏で「女の港」「白い海峡」「乱れ花」「夢日記」といった代表曲の数々。そして前作の「今も…セレナーデ」今年3月にリリースした「恋人のように…」も披露。演歌の大月みやこがオシャレで明るいメロディーのまったく新しい歌世界を聴かせた。

 ピアニストで口笛の名手でもある上柴はじめ氏は八尾高校での大月の同級生であるし、和歌山県串本町出身の名ギタリスト斉藤功氏は大月と同い年といい、これに大月を加えて偶然に揃った同年輩のトッププレーヤーの3人は、これからも変わらぬ活躍を讃えあっていた。

 コンサートのエンディングで大月は、「もう少し、あと少し、この声で聴いてもらえると世界1の幸せ者です。皆さんへの感謝の花束としてこの声を受け取って下さい」と呼びかけて、第29回日本レコード大賞最優秀歌唱賞曲の「女の駅」を歌った。

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