Simagic Alpha mini【走行編】

今回はいよいよiRacingで走行していきます。

っとその前にAlphaManagerには予めiRacing用の推奨設定がある(っぽい?多分?)ので、その設定を呼び出します。以下画面の赤枠の箇所を選択し"Alpha_IR.ini"を選択すると設定が反映されます。

キャプチャ

そしてiRacingのセッションに入っていきます。今回車は一番乗りなれてるF3でコースはイモラ(Fixedセット)にしました。イモラを選んだ理由は2021シーズン3オフシャルレースにおいて、特にタイヤが冷えた1周目のヴィルヌーブシケインとトサコーナーが限界を読むのが非常に難しく、苦労した覚えがあったためです。

まずはiRacing側の”Options”でステアリングのキャリブレーションをします。ここら辺はiRacerなら特に迷うことはないと思います。またFFBの設定はとりあえず、"Use linear Mode"をチェック、"Wheel force"をAlpha miniの最大出力10Nm、"Max force"はauto設定に頼るため走行前は適当に設定しました。(コース1周ぐらい走るとブラックボックスの”Graphics Ajustment”のページ右下に"auto"と出たら、それを押すとクリッピングされない最適の設定が算出されます)


そしていよいよコースイン!第1印象は、ステアリングを回したときの引っかかりが皆無でウルトラスムーズ!音もT300のようなファン音も無く、逆に気持ち悪く感じました。またクイックリリース部や取り付けブラケットについてはガタツキは一切ありませんでした。

またAlphaManagerのデフォルト設定でも大きな違和感は無く走行できました。ただしデフォルト設定だとT300とFFBの発生感覚に大きな違いがなかったため、AlphaManagerの設定を変更することにしました。以下は各設定のマニュアル日本語訳(機械翻訳&若干意訳)、※印は自分が感じた印象を記載しています。また画像は最終的に良いと思った設定値です。

キャプチャ

----- MECHANICAL SETTING -----
<TotalForce>
 ゲームが出力するダイナミックフォースの最大値を調整します。負の値を設定すると、入力された力のフィードバック信号の方向が逆になります。例えば、rFactor2のデフォルトのフォースフィードバックは、他のゲームとは逆に反転したフォースフィードバック信号を生成します。そのため、この設定をマイナスの値に調整することで正しいフォースフィードバック出力を得ることができます。

※値を上げるとステアリング切り初めのFFBの反応(立ち上がり)が速くなる印象でした。ただFFBの最大値(路面からのキックバック)も同時に上がるので、iRacing側のMax forceを下げてます。(※20210919追記 ユーザーさんからの情報)ただしアセットコルサ系のソフトでゲーム内FFBを50%・AlphaManagerのTotal forceを80以上にすると、縁石などを乗り上げた時などの強いFFBでステアリングがロックすることがあるそうです。その場合は①ファームウェアを最新にする②USB接続箇所をマザーボード直にする③Max forceを下げるか、ゲーム内FFBを調整する にて対応してみてください。(本件、Simfaiさんの親身な対応で①、②の対策で解決したそうです。さすが!)


<SmoothLevel>
 ゲームから出力されるフォースフィードバック信号を滑らかにします。スムージングは10段階に分けられていて、ゼロは元のゲーム信号を直接出力します。この値を大きくするとゲーム信号に干渉するので、結果的に車両や道路の情報が少なくなります。

※値を上げすぎると反応が遅れます。走行重ねとりあえず1にしました。箱車などは車体のロール感とフィーリング合わせると良好になるかもしれません。


<WheelInertia>
 慣性は、ステアリング・ホイールの重量のことです。慣性が大きくすると、ステアリングホイールの重量を増やすことになります。慣性が大きくなると、操縦性や安定性が向上しますが、車両や道路の情報が得られにくくなります。ゼロは、ステアリングホイールのオリジナルの重量になります。このパラメータは、totalforceによる制約を受けません。

※値を上げると切り始め初期にアンダーステアを感じました。ピーキーな車だと逆に利用できそうです。F3も若干ピーキーなので少し値をあげると車が落ち着きました。
 

<WheelSpring>
 ステアリングホイールが積極的にセンターに戻る力をセンター位置からのずれの角度に比例して設定します。この設定は、ゲーム中にホイールをセンターに戻すのに役立ちますが、一般的にダイレクトドライブモーターには必要ありませんし、推奨もしません。このパラメータは、totalforceの制約を受けません。

※説明の通り、DDには推奨しないとのことなのでゼロのままです。


<WheelDamper>
 ダンピングとは、ステアリング・ホイールの回転を妨げる力のことです。この力の大きさは、ステアリングホイールが回転する速度に比例します。ダイレクトドライブ方式のステアリングホイールは伝達機構がないため、回転に必要な力は比較的小さくなります。実際の自動車はステアリングホイールで操作しますが、電子的な力の介入があるとはいえ、一定の力が必要です。実車の強さを再現するために、ダイレクトドライブモーターは、摩擦や減衰効果を加えて回転力を高めています。ダイレクトドライブモーターは、実車の強度を再現するために、摩擦やダンピング効果を加えて、ステアリングホイールの始動力や回転力を高めています。このパラメータは、totalforceによる制約を受けません。
 
※この値は好みが出るのかなと思います。車両によっても違うかもしれません。自分はゼロが好きでした。


<WheelFriction>
 ステアリングホイールの回転を妨げるもうひとつの力、それが摩擦です。摩擦の大きさは、摩擦パラメータで設定できます。摩擦の方向は常に進行方向と逆になります。そのため、自動車のトランスミッション機構の摩擦力を再現するのに使われます。このパラメータはtotalforceの制約を受けません。

※値を上げると、ステアリングに一定の重さがかかります。DDは機構的に無負荷なので、若干抵抗加えたほうが感触はよかったです。


----- Vehicle Setting ----- 
<WheelSpeed>
 ステアリングホイールの最大戻り速度を設定します。ステアリングホイールの回転速度が設定値より低い場合、アルファマネージャは介入しません。逆に、ステアリングホイールの回転速度が設定値以下になると、アルファマネージャはダンピングを強めてステアリングホイールの回転を妨げ、制限します。適切な戻り速度を設定することで、ドリフトの学習に役立ちます。
 トラックレースではステアリングホイールの戻り速度を調整することはお勧めできません。100のままにしておきましょう。

※説明の通り、100から変更していません。

<Suspension>
 車両のサスペンションは、フォースフィードバック信号の整合性を左右します。低い値ではよりクリーンな出力が得られ、高い値では本来のフォースフィードバック信号の振幅に近づきます。高い値を設定すると、ブラケットの共振や電流ノイズが発生する可能性があります。ユーザーは、経験に応じて許容範囲を調整することができます。

※値を上げると、サスペンションが固くなる感じで縁石等の乗り上げ時にゴツゴツ感が出ます。FFBそのものの変化は無いように感じるのでエフェクト的な要素かなと思いますが、サーボベースの負担が増えそうなので一旦ゼロとしています。


なお、AlphaManager左下のGAME EFFECTの項については、あるレビュアーがiRacingでは使用しないと言ってました(多分?)。確かに値を変更してもフィーリングの変化が見られない気はします。今の所は設定で混乱しないようゼロにしています。(参考レビュー動画:https://www.youtube.com/watch?v=wPe628qP5n8)

(※20220513追記) 2022/3/22にSimagicより公開されたAlpha Manager V3.30から"lnterpolationLevel"という項目が追加されました。特にiRacingでは有効ということで設定を使うようになりました。以下は和訳です。

----- Game effect -----

<lnterpolationLevel(補間レベル)>
このパラメータは、ゲームによって生成されるFFBの応答速度を増加させます。これにより、ノッチや粒状のステアリング回転をなくし、ロボットのFFBをより自然に感じられるようになります。iRacingのようなFFB信号が小さいゲームでは、このパラメータの恩恵を最も受けることができます。この設定は、「その他のゲーム」での緩い感じのランブル効果をクリーンアップするために使用することもできます。

FFB信号の遅さに起因するギャップを埋めるために使用されます。
60Hzのゲーム信号をより高品質にします。

※値を上げるとゴツゴツ感が減り、タイヤのゴム感が出る感じ?になります。かといって反応が遅いわけではなく、逆にタイヤの状況がわかりやすくなりタイムも向上しました。とりあえずMaxの”9”にしています。


全ての設定が終わったら、"SaveAs"ボタンを押してファイルに残しておきましょう。また次回起動時にも設定値を反映させたい場合は、"WriteStorage"ボタンを押します。

設定を変更して、もう一度走ってみると、タイヤが冷えた1周目のヴィルヌーブシケインとトサコーナーでのスピン率がかなり減りました。単純にカウンターが素早く当たるから、というわけでなくコーナー中のグリップ限界がステアリングのFFBから判断しやすくなり、「今オーバースピード気味だからもう少しブレーキを踏み続けて」とか「今リアがスライドしつつあるから、アクセル開けるのはもうちょっと待って」といったペダルワークが的確になる効果と相乗してスピンが減っているように思いました。

また、走行ラインについても、DDならではの正確性の高いハンドリングにより、タイヤ半分ぐらい詰めて走れる(自分が持っていきたい理想ラインに乗せやすい)ので「安定して速いラップタイムが出せる」「ラップの再現性が高い」印象を受けました。

この感覚はやっぱり実際に操作しないとわかりません。近くにDDを設置しているシュミレータショップ等があれば是非行ってみてください。近くに無い人は思い切って購入しましょう(笑)きっと「買って損した」って思うことは無いと思いますので。

以上が走行編のレビューとなります。


そして最後に…

今回購入から導入、走行と今後Simagic Alpha miniの購入を考えている方が少しでも安心して買えるようレビューを書いてみました。とにかくこの値段でDDの恩恵(レスポンスの良さやFFBの表現力の高さ)は十二分にあやかることができ、何の不満もありません。是非Simagic Alpha miniを購入して更に楽しいSIMライフをお楽しみください!!

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