WRO 2018 Chiang Mai no2 チェンマイ その2

(この記事は、2018/12/03 に公開された記事です)

WRO(World Robot Olympiad) 2018 国際大会 タイ・チェンマイ
63カ国から選抜された484チームが参加。

会場:Chiang Mai International Exhibition and Convention Centre

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初日:金曜日
開会式
タイ現代舞踊から

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WRO国際委員会議長 Advisery Council Chair Man 挨拶

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タイ国 文部大臣 ご挨拶

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文部大臣は全文英語でのご挨拶でした。
「仲間と共にチャレンジしよう! 楽しもう!そして学ぼう!」

開会式終了後、各国選手が国旗を持って壇上へ。
毎年、この国旗の群れを見る度、国際大会ってスゴイなと、世界の中にいるなぁと感じます。

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2日目:土曜日

いよいよ競技開始。

実のところ小林は大会期間中にいろいろな会議、打合せ等があって、じっくり競技を見る時間は限られてしまいます。
見ることできたところをご紹介。

レギュラーカテゴリー

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高校生・日本代表チーム

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レギュラーカテゴリーでは、当日朝に競技内容に一部改訂がなされます。
これを「サプライズ・ルール」と呼びます。
今回は、小中高各部門とも運ぶブロックが追加された模様。

WROは会場その場で、選手だけで、
・バラバラのパーツからロボットを組み立てる
・サプライズルールに対応する。
 プログラムをサプライズに対応改修する
 ロボットも一部機能変更する
・初めての会場でコース(摩擦等)や光環境(明るさ)に対応する
・試走含めこれらを2.5時間内で終わらせる
を異国会場で進める厳しい競技となっています。
コーチらの手が入らず、会場では選手だけで考え、つくりだし、現場対応する力が問われます。
公用語は英語。審判とのやりとり、質問も全て英語とボディランゲージで、意思確認しながら進めます。

【動画】
小学生部門
KTR Toyama 2018  競技パーフェクトの様子はこちら

高校生部門
Analyzer Λ 競技パーフェクトの様子はこちら
YTHS Rose Garden 競技パーフェクトの様子はこちら

ロボットの動きが速い、ロシアチームの試走の様子はこちら

コーチ・ミーティング
審判長が競技の細かな部分についての解釈等を説明します。
この後コーチは選手と打合せし選手はピット(組み立て調整エリア)へ。そこからはもう選手だけで。

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会場スクリーン

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レギュラー・カテゴリー 速報ボード
土曜日終了時の高校生部門 2位につける

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レギュラー・カテゴリーは課題を攻略する競技なのですが、国際大会の上位チームは課題攻略はみなパーフェクトで「競技完成時間の競い合い」となります。
例えば高校生部門では1-7位までのチームが1日目、2日目ともパーフェクト。しかし完成時間は30秒程度の開きがあります。WRO Japan決勝大会で選抜される日本代表チームのコーチには「国際大会上位は時間の競い合いになります」を毎年伝えています。おおまかに言えば「国際大会で入賞するにはWRO Japan決勝大会の半分の時間で、メダルを狙うなら1/3の時間でパーフェクト完成させる必要あり」となっています。
高校生部門は日本、台湾、ロシアが強豪国なんですが、今年はさすが開催国タイが上位に割り込んできました。
 小学生、中学生部門はマレーシア、タイ、ロシアが強豪です。今年は台湾も上位にきました。
ロシア、タイ、マレーシア等は国家予算にて国中の多くの学校にロボットが配備され、指導者の育成、大学等との連携が盛んに行われています。日本は地域で継続的に活動しているクラブ等での小中学生のガンバリがみられ、高校生になると学校の部活動での選抜チームが国際大会上位にきます。日本では「指導者と継続的な活動」が大きなガンバリ要素となっており、国、自治体、企業サポート等、未来人材の育成とSTEM教育の推進にもっともっと力をいれられることが期待されます。

ARC(Advanced Robot Challenge)
大学生・日本代表チーム
カメラを使った画像認識技術と戦略アルゴリズムの勝負。

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WeDO (パイロット競技)
9才以下 日本代表チーム

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オープン・カテゴリー

小学生/日本代表チーム
プレゼン練習中!
WROの公用語は英語。オープンカテゴリーのチームは小中高校生とも英語で発表、QA対応。
審査員は世界各国からの。参加チームも審査員も英語母国語の人よりもそうではない人のほうが多いグローバル環境。
テーマに基づいたロボットを活用したシステムを製作、発表します。
「技術力」「発想」「表現」「現場対応」 
今年のテーマは「FOOD MATTER」

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東南アジアや途上国チームは栽培、農業生産の効率化、生産性向上が多いのに対し、日本等の先進諸国チームは食品ロスの低減、消費の効率化が多いのが特徴でした。

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小学生部門 Candy Samurai プレゼ審査の様子

中学生部門 Otemon Quest プレゼン審査の様子

高校生部門 Otemon Challenger プレゼン審査の様子

オープン・カテゴリーは多くの国が入れ替わりで上位にきます。大国だけでなく小さな国からも上位進出してきます。
WRO公用語・英語を母国語とするチームは少なく、みな「勢いのある英語」でプレゼンしてきます。日本では、小学生は保護者の方や塾のチームが力を入れてガンバッテきます。中高校部門になると学校の部活動でのチームがほとんどとなります。ロボットやシステムをつくるには費用もかかりますので、なかにはクラウドファンディングで資金集めをしたり、地域でスポンサー集めをしたりして、参加するための活動から学習と競い合いが始まっています。
 テーマによるロボット・システムのプレゼンで、審査員は3-4名のチームで審査項目をベースに審査します。プレゼンの善し悪しはもちらろんですが、「ロボット、システムとしてどうか」「どのようにテクノロジーが使われていて、それはチームでどのように対応したのか」等が見られ、また質問によっても審査されていきます。


フットボール・カテゴリー
2対2で完全自動制御の競技。赤外線ボールを追い、ゴールを守り、シュートに持ち込みます。
決勝の様子はこちら

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全競技結果はこちら

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1日目終了後は、Frienf Ship Night フレンドシップナイト。世界中からの参加者、応援者の大交流会です。

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WRO 公式 1日目・金曜日まとめ動画はこちら
WRO 公式 2日目・土曜日まとめ動画 はこちら

ホテルに戻るバスが並ぶ。翌日の決勝に向けて競い合いはまだ続く。

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