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6つの感情ニーズを知ると、自分の違う一面も探せる

 人間には基本となる6つの感情欲求(シックスヒューマンニーズ)があり、それを知ることで自己理解が進み、また、自分の違う一面も探すことができます。


6つの感情ニーズとは

 6つの感情ニーズとは、人間が活動をしていく上で、「これが満たされると、ものすごくやる気になる、駆り立てられる!」というニーズを6つに分類したものになります。

① 安定感のニーズ(安定、快適がいちばん)

 「今の安定で快適な、確実性の保証されている状態が好き」というニーズです。現状を保ちたい、身の回りに変化が起きるのは嫌だ、リスクを取るくらいなら今の確実を守りたい、という人は、このニーズを重要視し、自分の普段の生活に変化が起きると、ストレスを感じます。

② 不安定感のニーズ(変化のない生活はつまらない)

 「何か新しいことを追い求めたい、いつもと違う驚きを感じたい、積極的にリスクを取って何かを追い求めたい」、というニーズです。新しい人間関係や学びを求める原動力になります。その一方で、刺激的な行為や薬物など、このニーズが不健全な状態で満たされることも起こり得ます。

③ 重要感のニーズ(自分をもっと認めて欲しい)

 「誰かと比較をしながら、自分は優れている、他から必要とされている」、と感じたい欲求です。学歴、職歴、資産などを持つことで重要感が満たされることもありますし、行き過ぎると、過度に他人を批判したりなどの行動にも繋がります。

④ つながりのニーズ(人とふれあいたい)

 「人とのつながり、人からの愛情を求めたい」というニーズです。親密で健全な人間関係を気づくことで満たされていきます。その一方で、過度に行き過ぎると、本当は「ノー」と言いたい他人からの要求にも応えてしまう、などの行動も取ってしまいます。

⑤ 成長のニーズ(もっと成長したい、伸ばしたい)

 「もっと能力を伸ばしていきたい、成長したい」というニーズです。自然界で植物が成長していくように、本来であれば、誰にでも備わっているニーズになります。

⑥ 貢献のニーズ(世の中に貢献をしていきたい)

 「心から、誰かの、何かの役に立ちたい」という欲求です。こちらも、(例えがアレですが)自然界での食物連鎖のように、他者貢献がないと社会は成り立ちませんので、生来的なニーズと言えます。

ニーズ間のバランス

 6つのニーズに対して、各個人が等しく欲求を感じていることはありません。6つのニーズに対して、異なる比重を置きながら、バランスを取ろうとします。

 相反する面を持ったニーズもあります。例えば、安定感のニーズが高い人は、不安定感のニーズを積極的に満たそうとはしないでしょう。重要感のニーズが高すぎて、孤高を目指している人は、つながりのニーズにはあまり興味がないかもしれません。

 また、これら①から④の4つのニーズのうち、多くの人が安定感のニーズ、重要感のニーズの傾向が強いと言われています。

 6つのニーズのうち、成長のニーズと貢献のニーズは、他の4つのニーズがバランスよく満たされることで、はじめて発揮意欲が出てきます。①から④までの自分自身に関連するニーズが満たされると、「自己の成長を促進して、他者貢献をしよう」というニーズが発揮しやすくなります。

違う自分を探してみよう

 ニーズが固定化されてしまうと、違う考え方を取りにくくなります。ですので、たまには、「普段と違うニーズを重要視している自分」を思い描いて、「どんな行動を取るだろう」と考えることで、違う自分の一面を見れるかもしれません。

 例えば、安定感と重要感を大事にしている人は、あえて不安定感とつながりを前面に出して「もし、ここで仮に自分がリスクを取ることを好んで、かつ、他の人とのつながりを重要視すれば、どういった行動を取るだろう」と考えてみると、今までとは違った発想が出てくるかもしれません。

成長と貢献のニーズの発揮

 成長と貢献のニーズを発揮するためには、まず、自分の中での①-④のニーズバランスを取る必要があります。本当の意味で成長や貢献のニーズを発揮できているかどうかは、難しい一面もあります。

 例えば、「これだけ自分が勉強している」というのは、単に自己顕示欲の発揮なのか(重要感のニーズ)、将来的に成長した自己で社会に還元をしようとしているのか(成長のニーズ)とで、意味合いが異なってきます。

 また、「誰かが見ているときにだけ良いことをする」のは、貢献と言えるかどうかが怪しくなります。利己的な欲を手放した状態での貢献が、本当の貢献と言えるのかもしれません。

 成長と貢献のニーズには、密接なつながりがあります。すなわち、成長した自己がないと貢献は難しく、また、貢献の度合いが大きくなるほど、成長のチャンスがあります。成長と貢献の過程には失敗もつきものですので、安定感と不安定感のバランスを上手くとる必要があります。

まとめ

 6つの感情ニーズをまとめました。ニーズは等しいものではなく、偏りやバランスがあります。自分が普段から重要視しているニーズを、あえて変えてみることで発想が広がります。また、成長と貢献のニーズを発揮するためには、という視点でも書いてみました。

この記事は、リンク先の本を参考にしながら作成をしました。


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