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#16VD 那覇シルバーウイングスの仮想ドラフトを振り返る

皆さんこんにちは。今回は

"仮想"16球団構想イベント「#16VD」に参加中の沖縄球団・那覇シルバーウイングスの仮想ドラフト

についてnoteしたいと思います。


#16VDって何 ?那覇シルバーウイングスって??って思ったそこのあなたは、まず以下のnoteをお読み頂ければと思います↓↓↓


去る3/21-29におきまして、#16VDのもう一つのメインコンテンツ、「仮想ドラフト」が開催されました。仮想ドラフトは今秋行われるドラフト会議の指名対象選手を、16球団で指名し合うイベントです。本企画に限らずTwitter上では多くの仮想ドラフトが実施されていますが、今回の#16VDではNPBで採用されている方式とは異なり、1巡目指名の入札なしの完全ウェーバー制が採られました。詳しくは以下のルールをご参照ください:

■ルール
概要:

58名強となった16球団で、21年度指名対象となるアマチュア選手を獲得する仮想ドラフトを行います。
その後、各地区で魅力度のアンケートを取り、勝ち抜いた4球団で決勝投票を行い、優勝チームを決めます。

実施日:

分配ドラフト終了から20日後の夜21時より→3/21より開始

各球団の制約:

・指名は最小5名、最高8名 (全体128名まで許容)
・独立リーグから一名、社会人野球から(2022年3/31の時点で)25歳以上の選手を二名以上
・地元枠指名は、新規球団はを一人*以上必要、既存球団は任意とする
・異なる制約を一名の指名に包含する事もしない事も可能
・noteに記載のないルールは実際のドラフトに沿うものとします。

新人選手選択会議(ドラフト会議)の概要
https://draft.npb.jp/draft/2020/information.html

指名順:

一位を含め完全ウェーバー方式(逆ウェーバー無)を採用し、以下の通りとします。
① 那覇シルバーウィングス
② 男鹿ノーザンオグルス
③ ふじのくにロックジョックス
④ 西京極キャピタルズ
⑤ 外苑アンブレラフラワーズ
⑥ ウエストサムシング千代﨑
⑦ ペルファボーレ呉
⑧ 函館アルクトス
⑨ 関内タマゴバスターズ
⑩ 仙台クレッセンツ
⑪ 尾張フライドシュリンプス
⑫ 狭山ティーパーティーズ
⑬ 西宮チェリーブロッサムズ
⑭ 蘇我都鳥モルンク
⑮ 春日トゥース
⑯ RawEgg天神

完全ウェーバー制なのに加えて特徴的なのは、「独立リーグ出身選手」「25歳以上の社会人」「地元枠」など、指名に制約が設けられている点です。各陣営はこの制約を満たす指名を行わなければならないため、一般的に行われる仮想ドラフトとは指名戦略の組み立て方が全く異なっていました。

以下では、我々那覇シルバーウイングス陣営が事前にどのような戦略を立ててこの仮想ドラフトに臨んでいたか、また実際の指名の裏側についてnoteしていきたいと思います。


1. 事前準備:補強ポイント、指名戦略の合意

1-1. 補強ポイントの確認
まず陣営内で取り組んだのは補強ポイントの確認です。分配ドラフトを経て出来上がった以下の編成表をベースに、どのポジション、年齢層において補強の必要性があるかを確認していきました。

分配ドラフトの指名戦略でも触れましたが、同地区内に福岡のRawEgg天神という絶対的な王者がいるため、全体的には25歳以下の若手選手の指名に注力した結果となっています。仮想ドラフトも同様に、指名に係る諸制約を満たすのは大前提としても、近い将来の即戦力性よりもポテンシャルの大きさを重視した指名をすることですり合わせをしています。

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上記編成表より、ドラフト指名対象のボリュームゾーンが25歳以下だと考えると、左の先発投手および高卒野手が手薄となっていることが分かります。20歳以下の投手と21-25歳の野手を既に多く抱えていることもあり、指名する選手のカテゴリとしては投手は大卒以上、野手はスケールの大きな高卒に対象を絞り込んで行きました。


1-2. 全体1巡目指名はその年のナンバーワンに
続いて検討したのは「1巡目指名を誰にするか?」という点です。完全ウェーバー制だけに、全体1巡目の指名権を得た当陣営は1巡目の指名がイベント開始前に確定してしまうという、とても戦略が練りやすい状況でした。補強ポイントをベースに陣営メンバーから何人も候補を挙げてもらったのですが、最終的に合意したのは「その年のナンバーワン評価の選手を指名する」という方針です。

アマスカウト担当の昇龍さん、yamadennisさんの意見を参考に、最終的に絞り込んだのは筑波大・佐藤隼輔投手岐阜第一・阪口樂選手の2名でした。この選手はあのやまけんさん主催のドラフト候補ランキング2021の暫定版においても、佐藤選手は投手全体1位、阪口選手は野手全体2位の高評価を得ていました。

補強ポイント的にも選手の魅力的にもこの2選手の評価は割れており、とても甲乙つけ難かったのが正直なところです。最終的には陣営内で各メンバーがそれぞれ4球団を担当して行う模擬ドラフトを2パターン試してみて、2巡目指名までの指名のしやすさまで考慮した上で、佐藤選手の入札を決定しました。

1-3. 指名戦略の合意
1巡目指名が固まったら、そこから5巡目までの指名パターンを検討しました。今回は16球団によるドラフトというイレギュラーな形なのに加えて諸制約も考慮せねばならず先が読みにくいため、イベント前の指名パターンの作成は5巡目までとしました。そして出来上がったのが以下の指名戦略です。

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1巡目で佐藤選手を指名した後の2巡目には、将来のコア候補となる打撃型の高卒野手の指名を決めました。今年は阪口選手以外にも上位指名の候補が多くおり、千葉学芸・有薗直輝、昌平・吉野創士、智弁学園・前川右京、智弁和歌山・徳丸天晴、大阪桐蔭・池田陵真、愛工大名電・田村俊介らのうち残った選手の中から選ぶ方針を採りました。

3巡目ではトヨタ自動車・嘉陽宗一郎の指名を決めていました。嘉陽選手は地元枠と社会人オーバーエイジ枠、2つの制約を満たすことができ、かつ実力も折り紙付きという非常に希少価値の高い選手でした。そのため当初は2巡目での指名も検討していましたが、前述の模擬ドラフトを行った際に「他陣営も上位では必要な補強ポイントを先に抑えて、諸制約を満たす指名は2巡目までには行われないだろう」と確信を持ったため、3巡目での指名でも十分であると想定していました。ただこの目論見が後に波乱を巻き起こすこととなります…。

4巡目は二遊間の選手として東海大相模・大塚瑠晏、JR四国・水野達稀を最上位候補としてリストアップ。5巡目は高卒センターとして前橋育英・皆川岳飛、神戸国際大附・阪上翔也の名前を挙げていました。

アマスカウト担当の昇龍さん、yamadenissさんが常に更新してくれていた指名リストにはトータルで380人もの選手がリストアップされていたので、もし上で挙げた選手が指名されていた場合は、オフラインドラフトの利点を生かし代替選手を都度時間をかけて議論して決めようと話していました。


以上が、今回の仮想ドラフトに際し事前に合意した指名戦略です。繰り返しになりますが#16VDは初めての試みのため、あまり事前に決めすぎずある程度遊びを持って本番に臨みました。


2. 1-2巡目: 想定通り左のエースと将来のコア候補の指名に成功

そして3/21、ついに仮想ドラフト本番を迎えました!全体1巡目では事前の合意通り、筑波大・佐藤隼輔投手を指名しました。

そして全体17巡目となる我々の2巡目指名では、将来のコア候補野手として智弁和歌山・徳丸天晴選手を指名しました。

我々の指名順が回ってきたときには、千葉学芸・有薗直輝、智弁学園・前川右京、智弁和歌山・徳丸天晴、愛工大名電・田村俊介と想定以上に多くの選手が残っている、嬉しい誤算がありました。最終的には千葉学芸・有薗直輝智弁和歌山・徳丸天晴を比較して、強豪校ひしめく近畿で揉まれながら1年生の時から活躍している徳丸選手を指名することに決めました。

ここまではプラン通り、極めて順調だったと言えます。


3. 3巡目: 尾張陣営の指名で白紙に戻った指名プラン

続く3巡目では、トヨタ自動車・嘉陽宗一郎投手を指名しました・・と言いたいところでしたが、なんと尾張陣営が2巡目で嘉陽選手を指名してしまいました。

尾張陣営にとっては地元の有力選手かつ「25歳以上の社会人」という制約をクリアできる貴重な選手です。上位でリストアップしていることは当然予想していましたが、少なくとも2巡目までは他の補強ポイントを埋めてくるのではと予想していました(ちなみに模擬ドラフトで尾張陣営を担当した私は、1位前川選手、2位正木選手を指名していました)。

「3位嘉陽」の指名は堅いと想定した指名プランを組んでいただけに、早くも事前の指名戦略は白紙に戻ってしまいました。陣営内ではここで長考を開始します。4巡目に指名予定だった二遊間の指名を繰り上げる案もありましたが、東海大相模・大塚瑠晏(関内2巡目)、JR四国・水野達稀(ふじのくに1巡目)と陣営内で高い評価をしていた選手が軒並み指名済みだったことで見送り。

最終的には、リストアップした選手の中で最も高く評価していた選手の一人である、愛工大名電・田村俊介選手将来のコア候補野手その②として指名しました。

それなら前川くんでもいいじゃないですか!とどこからか聞こえてきそうですが、同じ左投げ左打ちの外野手でも、プロ入り後に両翼とファーストに加えてセンターの選択肢を残す田村選手の方が、両翼のスラッガータイプを既に複数抱えているチームにフィットすると考えました。なので誤解を恐れずに言うと、尾張陣営への腹いせに指名した訳では決してありません笑


4. 4巡目: 1人目のオーバーエイジ枠は「チームの顔」嘉弥真の後継候補

波乱の3巡目指名を終えたあと、陣営内では指名戦略の立て直しを余儀なくされました。嘉陽選手が尾張陣営に指名されたあたりからオーバーエイジ枠の選手が指名され始めたのを見て、4巡目では我々もオーバーエイジ枠の制約を埋める指名をすることで合意しました。

オーバーエイジ枠としてリストアップしていた88選手の中から指名したのは、NTT東日本・飯嶋海斗投手です。

チームには飯嶋投手とタイプの似た嘉弥真新也投手が在籍しているため、飯嶋投手の成長にも良い環境であることは間違いないと思っています。1年目から即戦力としての活躍が期待できる選手です。


5. 5巡目: ”大長考”の裏にあった幻の指名プラン

続く5巡目指名では、二遊間の選手の指名を検討していました。ただ前述の通り最上位候補に挙げていた選手は既に指名済みで、5巡目を迎えてもなおこの順位で指名すべき選手の名前がイマイチ挙がってきません。

そこで指名を検討したのは、サンディエゴ・パドレスに所属する加藤豪将選手です。陣営内では事前ミーティングの時から加藤選手の指名は話題に挙がっており、海外所属選手の指名はアリか?と運営側に問い合わせをしたのも実は当陣営でした。多様性をチームのビジョンに掲げる中で、海外でプレーする加藤選手の指名はレギュレーションで許されるなら是非とも実現したいところでした。

加藤選手は7-8巡目で指名できたらと当初は考えていましたが、他にめぼしい選手の名前が挙がってこなかった結果、加藤選手を先に指名することにしました。

特殊な指名のため、一応事前に運営サイドに確認をしておこう・・と連絡を入れたところ、返ってきた反応がこちらです↓

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日本人の両親を持つ加藤選手はアメリカと日本の二重国籍を持っているという前提で考えていましたが、22歳を超えた今でも日本の国籍を有したままであるか?という点は確かに盲点でした。そこから陣営内で「日本国籍を有している証拠」を必死に探しましたが、なかなか見つからず。時間を浪費して他陣営に迷惑をかけるのもアレなので、今回は指名を見送ることにしました。

そこから、今回の仮想ドラフトにおける2度目の長考がスタート。半日以上オフラインで議論を詰めて行き、最終的に合意したのは手薄な将来のセンター候補として、前橋育英・皆川岳飛選手を指名しました。

2巡目の徳丸選手、3巡目の田村選手に加え3人目の高卒外野手となりますが、前述の二人に加え皆川選手は身体能力の高さが武器のセンタータイプ。徳丸選手がサード、田村選手がファーストでの起用も視野に入る中で、高卒外野手3人指名でも問題はないと判断しての指名となりました。

かなり時間を掛ける結果となりましたが、最終的には陣営内で議論を尽くし、納得のいく指名になったと確信しています。


6. 6-8巡目: 制約をクリアしつつチームに必要な人材を確保

続く6-8巡目の下位指名では、大きなサプライズなく指名することができました。残る制約である「地元枠」と「25歳以上の社会人」を6巡目で、「独立リーグ出身選手」を7巡目で指名し、8巡目では残った選手の中からアマスカウト両名が最も評価する選手を指名しました。


以上を持って、我々那覇シルバーウイングスの指名は全て完了しました。全球団の指名選手まとめはこちらです↓


7. 終わりに

以上、我々那覇シルバーウイングス陣営の仮想ドラフトまとめでした。分配ドラフトとは違いサプライズだらけの展開が続きましたが、それでも陣営内で議論を煮詰めながら、取りうるベストの選択肢を都度取り続けられたのではないかと感じています。

改めて、最後まで情熱を持ってサポートしてくれた、那覇シルバーウイングス陣営内の皆さまにはこの場を借りて深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

さてこれで約2ヶ月以上にものぼった#16VDも、残すところ魅力度アンケートのみとなりました。以下のツイートから投票できますので、是非とも那覇シルバーウイングへ清き一票、よろしくお願い致します!!


以上、ロバートさんでした。
ありがとうございました!


おまけ: 那覇シルバーウイングスの全66選手の背番号は、こんな感じで考えてみました👀

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