柄物がお好き

何かと、柄物を選んでしまう自分がいる。
無地は遊び心がないみたいでつまんないと思っていたからだ。

服に関しては、大学生くらいまでは、花柄を良く選んだ。Tシャツの柄がフェミニンなピンクの花柄であったり、控えめな白のつぼみ柄だったり。なぜかと言えば私は妹に比べ、いわゆる可愛らしいものを与えてもらえなかったからだ。親となった今は、自分似の娘にいかにも女の子という感じのフリフリを与えたくなかった父の気持ちは分からなくもないが、同じ家庭で育っている自分より後に生まれてきた妹に、「かわいい」という役どころを全て取られて、とても悔しかったことだけは覚えている。強がって、私は青が好きとか言っていたけど、自分で何でも買えるようになってから、こっそり花柄を買って、まるで自分を慰めるように着ていた。
※ただそんなにお金はなかったから、キャス・キッドソンとかローラ・アシュレイは持っていなかった。

社会人になり、さすがに花柄は卒業しようと思ったものの、しぶとくドット柄を選ぶことはあった。加齢とともに比較的無地を選ぶようになったと思う。

小物はどうかと言えば、まだ懲りずに柄物を選んでいる。先日、京都の小物屋で欲しかった小銭を入れるがま口を買った。カバやゾウと言った動物柄も可愛かったが、結果、イチゴ柄というアラサーが選んだら結構アウトそうな柄を選んでしまった。色が渋いから良かろうと、自分を納得させていた。キウイ、バナナ柄もあったのに、イチゴを選んだ私に、夫は少しは引いていた。
ちなみに動物柄は、パンチがあって良いけど、なんとなく自分には飼い慣らせない感じがして、興味はあるけど買ったことがない。誰か、プレゼントしてほしいです。

さて、ここまで自分が柄物を選んできたことについて書いたが、つい最近まで、自分が柄物好きだとは気付かなかった。
自分は柄物を選ぶんだ、と意識するようになったのは、義理の姉(長女)が、一歳になる甥っ子の服を買ってきたもう1人の義理の姉(次女)に放ったある言葉がきっかけだった。
「いつも柄物ばっかりだね。(自分の息子の顔を見ながら)無地がいいのにねぇ。無地が好きだよねぇ?」
そのときは、結構ショックだった。確か恐竜柄だったと思うが私も可愛いなぁと思っていたからだ。その言葉は、次女をすり抜けて私にトゲのように刺さったままだ。

よくよく考えると、柄を選ぶときの心理として「同じ値段なら柄が入ってたほうがお得な気がする」と思っている節がある。無地は遊び心がないというのは表向きで、心の底では無地はもったいないと思っているのだ。
そう思うと、柄を選びたがる自分は貧乏性がにじみ出てるようで、恥ずかしい。

さて、柄物卒業だと思っていた矢先、横断歩道で待っていた目の前の女性が身に付けていたロングスカートの柄がいいなと思っている自分がいた。
今月から持っていく会社用カバンも思えばボーダーだ。
あぁ、情けない。せめて35歳までには、さりりと無地を選べる自分になりたいものだ。

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