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RPGの遊び方

一年生だったか二年生だったか忘れた。
次男が「ゼルダの伝説BREATH OFTHE WILD」というRPGにどハマりしたことがある。

今ひとつわからないのでRPGゲームは私はしたことがない。

しかし来る日も来る日もゼルダのことばかり話すので、ゲームをする様子をみていた。

綺麗な音楽が流れて、景色も良い。映像も立派なので苦にならない。

ところが息子がやっていることが不可解である。
伝説にそってリンクにはなんか使命があるんじゃないかと思うのだが、放浪してみたり、ちょっとした冒険としてどこかに入ってみたり、変な食材を見つけては料理して不味いとか美味いとか喜んでいる。妙な人に話しかけてはいろんな噂収集する。金儲けを始める。

…ただ生きている。

こんな感じで良いのだろうか?

ゲーム時間以外も息子はゼルダの伝説の中に生きた。
鍵盤ハーモニカで曲を探り弾きし始めたため、私はネットで音階を調べた。4曲くらい弾けるようになってずっと弾いている。学校の宿題のような他の曲は弾かない。繰り返し弾いているうちに、鍵盤をみずに上向に寝転んで、頭の上においた鍵盤ハーモニカを逆手で弾けるようになってしまった。

進化の方向がおかしい。

ダンボールでベルトや盾、剣を作る。洗濯が乾くたびに青いTシャツとベージュのパンツばかり着る。
公園でよく曲がったいい「枝」を見つけてきて弓矢を作る。なかなか飛ばない。改良し続ける。

ずっと絵を描く。意味のわからない模様も。まだひらがなを書くのももあやしいのに(いまだにギョっとするような書き順でひらがなを書く。)分厚いパーフェクトガイドを買わされた。次々に読めない漢字や、わからない多言語由来のカタカナの意味をたずねてくる。

その様子を見ながら、物語が進むのをいつしか私はすっかり忘れてしまっていた。

彼は半年間ほどリンクとして過ごした。

そしてふと気がついたら、ゲームをクリアしていた。

RPGってなんだろう?

私は「人生」と似てるかもしれないと思った。

最短でミッションをクリアしてもいいし、ずーっと煮炊きを楽しんでいてもいいのだ。
今日はモノを投げてみよう。
明日は速く泳いでみよう。
ちょっと戦ってみよう。
誰かを助けてみよう。
空を飛んでみよう。
珍しい食材を探してみよう。
馬を捕まえて仲良くなってみよう。

そうして遊んでいるうちに
いろいろなことがわかるようになる。

そしていつの間にかゲームをクリアする。

攻略本を買わなくて良かった。

たしかにあの時私はそう感じた。

今なんでこれを思い出しているのか
わからない。

わからないけど、
多分これは今の息子のためだけに
思い出しているのではないことを
私はどこかで知っている。

なんのはなしですか

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