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連絡先を失くす人

「ハーイ!ミルコちゃん久しぶり!元気にしてる?」

おおこの男の声は!久しぶり。
数年おきに電話をかけてくるが
要件がわかりきっている。

お互いに近況を話しあった後
この男は私に必ず私に聞く


「ところでサンちゃんの連絡先変わった?」


変わってないよ!!


個人情報うんたら言い始めるようになってから、サンちゃんの連絡先を勝手に教えてはいけないから私はこの男のためにサンちゃんとも連絡をとってごちゃごちゃやりとりをしなくてはならない。

「サンちゃんのほうから連絡行きますんで、しばらく待ってみてください。連絡来なきゃまた私に行ってください。」

意味がわからない。

サンちゃんは重要人物である。
サンちゃんは上も下も別の研究室も
時には先生もとにかく学校のありとあらゆる人物と繋がっている。

私は私の代だけだ!

むしろサンちゃんさえ知っていればいいのに何故にサンちゃんの連絡先を紛失するのか??


「ありがとー!ミルコにも喋りたいことたくさんあるんだけどまたLINEするわ。」


いやいや大丈夫。
サンちゃんと喋って下さい。
私に関係すればこっちに筒抜けなんで。


そして数日後、LINEが届く。
文章が独特なんだ。
名古屋弁と標準語、友達言葉と丁寧語を自在に操る彼は外国人なのである。そして勉強は一切教えてもらってはいないが、おしゃべりを求めてひたすらうちの研究室に入り浸っていた講師のはずである。
ユーモアが独特すぎてどうつっこんでいいのか全くわからない。
「Hello!Mirukochan.大学でboy friendだった○○です。」
付き合ってないし!!
これは海外のユーモアなのか?
それなら全部英語にしてほしい。
絶対に突っ込まなくてはならない。

めんどくさくてスルーすると
ますますつけ上がってくる。
(一応仲はいいんだけどね!)

一大決心をして猛烈な文章を
並べ立て突っ込むと

「長い文章ありがとう。漢字が多くてよめません。」

絶対ウソ!!
キーッ!!

結局私はまたサンちゃんに電話する

「ちょっといつもどうやって返事してんの?アレ。」

「ああ、アレねー。邪魔くさいやろ。あれはねー」

サンちゃんとお喋りがはずむ。

あれ?結局楽しい。


なんのはなしですか

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