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ロバくん点滴をうけるの巻

目を覚ましたら、見知らぬ部屋にいた。
狭いベッド、四方を囲むカーテン。
左腕に刺さっている管。

頭に靄がかかっている……
『なんか、この状態に記憶があるな……』

強い眠気に誘われ、そのまま、眠りに落ちた。

『大丈夫ですか』
女性に声をかけられ目を覚ました。
しかし、看護師さんは、なぜ、ナース帽にマスクをしていて、目しか出していないのにキレイに見えるんだろう。

前に目だけバッチリメイクをしているから誤魔化しやすいと教えてもらったな……

まだ、頭の靄が晴れない……

『先生を呼んできますね』
そういって看護師さんがカーテンの向こうに消えていった。

しばらくすると女医さんがやってきた。

『ちょっと、検査しますね? 』

その後は、目にライトを当てられたり、血圧を測られたりした。

『原因は、疲労だと思います。あまり、十分な睡眠が取れていないんじゃないですか?』
『はい』
『睡眠不足を治せる薬ってないんですよ。ビタミン剤とか糖分が摂れるものはありますけど……』
『はぁ』

『今日は、点滴を打っておきました。でも、明日は休んでください。土日もムリをしないで。点滴を外すので、ダルいならもう少し休んでいてもらって構いません。動けるようなら、気をつけてお帰りくださいね……』

看護師さんが、手際よく点滴を外してくれる。

『わたし、どうなったんですかね』

『よくはわからないのですが、お支払が終った後、そこで倒れたみたいですよ』
『……うーん』
そうだ、役所に出す書類を書いてもらったんだ。その代金を払った後に倒れたのか……

『めまいで、倒れたみたいだと聞いてます。頭は打ってなかったようなので、栄養剤を点滴して、寝ていてもらいました』
『そっか、ご迷惑をお掛けしました』
『いえ、病院でよかったですね。救急車も呼ばなくてすんだし……よくお休みになられてましたよ』
『……すごいイビキをかいていたんじゃないですか?』

マスクをしていても、笑っていることがわかった。

『でも、無呼吸とかはなかったみたいですね』
『ずーっとでかいイビキでしたか?』

看護士さんが下を向いてしまった。
肩が揺れている。
よほどの大きなイビキをかいていたんだろう。

……というわけで、本日、2回目の支払いをして病院を後にした。
倒れたときに驚かせた人、病室までこの小肥りおじさんをさ運んでくれた方々、女医さん、看護師の皆さん、大変ご迷惑をお掛けしました m(_ _)m

たくさん寝て、点滴を打ってもらったせいか、元気になりました。

……というわけで、ロバくん点滴を打たれるの巻きでした。
リアルです。
短編小説ではありません。

ホント、ご迷惑をお掛けしました。

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