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終活の理由

辛い

愚痴はたくさん漏らす方だけど……

さすがに限界かも。
薬を増やしても、何の効果もない。
眠れないから、気持ちの焦りが止まらない。

父親の足腰が弱ったり、軽い痴呆の始まりで、考えたり、覚えたりするのが辛いのは、誰もが経験していると思う。

でも、みんな同じ苦労をしているから、あなたも頑張りなさい、ではないと思う。

昔から、過干渉で、心配性で、人のやることに口出しをしたがる人だった。

自分のわがままを通すためには手段を選ばない人だった。

だから、小学生の時には、人として、大嫌いだった。

たまに気まぐれで、食事に連れていっても、絶対に帰りは、不愉快な気持ちだった。
取り分けて、食べようといったものを一人で抱え込んで食べてしまう。
文句を言うと、他のものがあるじゃないかと平気で言う。
みんなが一番楽しみにしていたものを独り占めしておいて。
みんなが白けている中、今夜のご飯は美味しかったね……って。
そりゃ、みんなの楽しみを独り占めしたんだからね。
だから、外食にも行かなくなった。

用事があって出掛けなくてはならないときも、俺は食いたくない、と言って車の中に残った挙げ句、小腹が減ったと言って、お土産の袋を開け、のんびり食ってるなと言うような人だった。

歳を取っても、そのわがままは変わらず、さらにわがままがしつこくなった。
金曜の夜に、明日の朝飯のパンはあるけど、昼飯がないと言い始める。
土曜の朝イチは、毎週、すべての予定を入れず、俺が買い出しに行ってるから、昼飯はその時に買ってくるだろ、といっても、一度、土曜の昼飯がないのでは??と思ったら、もう、止まらない。

俺が眠剤を飲んだから、買いに行けないと行っても、聞きやしない。

ウトウトした頃に、一階の部屋から、二階にお願いだから降りてきてくれと連呼する。

弟はそんなの無視すればいい、と言うが、その声は、寝ようとしている隣の家に丸聞こえになってる。

隣の人と顔を会わせたときに、煩くてすいません、と謝っているが、声を上げたら、さっさと対応してくれという、言葉にならない不満は伝わる。

そんなのは、他でもある。
水曜の22時に眠剤がないと騒ぎ出す。
飲んでいる薬の種類はわかるから、薬局で扱っている、誘眠剤で事足りるとわかるが、それは、拒否する。

精神的に医者が出さない薬社内とと言うたわけだ。
で、処方箋がないと手に入らない薬を薬局で買ってこい、と始まる。処方箋の説明から初めて、手に入らないことを説明するが、わかったか?と言うとわからないと平気で返す。

たぶん、ラムネとかメントスを飲ませても、よく寝れたって言うんだろうけど……

で、翌朝、五時くらいから、わざとガタガタ音を立てて動き回り、六時になると人を叩き起こす。

例の大声で。

六時になってら薬局が開かないかなと言い始める。
処方箋の説明を一からやり直す。
結局、仕事を半日休んで、眠剤の処方からやることになる。

薬を手に入れた反応は、できることをなんで、こんなに引き伸ばしたと言う文句。

こちとら、振り回されて、眠れなくなっているのに。

自慢じゃないが、俺は重度の睡眠障害だから、一度、睡眠のペースを乱すと、戻すのに一週間かかる。

ベッドに横になるが、一睡もできないことがある。

そして、そんな中、弟が、脳出血で、半身麻痺。
左手は胸の前で、畳まれた状態で、動かない。

足は、リハビリで少しづつ、動くようになってきているが、腕は無理だと思う。

でも、電動車椅子を手に入れたから、行動範囲は増えている。
電車に乗って、自費のリハビリに通ったり、自分の経営する会社に出掛けたりしている。
幸い、脳への影響は少なくて、注意力を広げられる視野が狭くなっているだけなので、飛び出しの自転車に当たられなければ、大丈夫とは思ってる。
そして、自らのリハビリを意識して、冷凍食品を多用してくれているのもありがたい。

でも、毎日のようにくるAmazonの箱を運び、汚部屋の掃除をするのは俺。
出かける回数が増えているから、洗濯物は増える(笑)
リハビリで使った服だから、汗まみれなのはわかるが量は多い。

親父の入浴ケアと弟の入浴ケアを同じ日にしているから、夜の七時には洗濯物がいっぱいになってる。

当然、自分の着替えは後回し。
日曜日に。
もちろん、洗うものは極力へらして。

眠れていない状態で、一週間休みなし。
ついつい、寝てしまう。
無為な日々をただ過ごしている。

8月に相棒が体調ふりょうで、長期休暇を取って、復帰予定を突破中。

8月の終わりから、9月に疲れのピークがきて、めまいがして、倒れたときに頭を打ったのか、気絶して。

そうなると、寝ることへのプレッシャーで眠れなくなって。
そこからは、どん底。

頭の中には、死にたいの言葉しかでなくなった。

そんなときに、とても愛おしい子に出会って、それが、テキトーに弄ばれているので、かまわなかった。

可愛くて、それは、見た目だけではなく、仕草や話し方も、なにもかも……
本当に愛おしくて。

騙されたのだとしても、金づるでもいいから、気晴らしの、短い時間の安らぎでいてくれればよかったと思ってた。

でも、相性がいいのか、砕けた感じて話してくれるようになって……。

大好きになった。

信じてもらえないかも知れないが、こんなにムキになって、好きになった子はいなかった。


でも、冷静になると、母親はパーキンソン病、弟は脳出血からの半身不随。
自分自身は、うつ病と重度の睡眠障害で、ウルトラネガティブ。

文句を言うことは多いが、父親のわがままは、全部叶えてきたと思う。
弟の部屋のゴミ出しも黙ってやってる。
部屋掃除も。
二人の洗濯物、外干しには手を回せないが、1日おきだがこなしている。
毎日にしたら、乾きが遅いこともあるし、親父は、一晩で四回も小便に失敗し、黙って洗濯機にいれてしまう。

それをこなしていても、大きな声で、さっき言ったことをやらないことへの文句。
立つのも辛い状態で買い物をしてきた後片づけを、気分が悪いといって、人に押し付ける。

親父にとって、召使以下の扱いだからね。
歳を重ねて、保っているつもりの威厳も消えて。
ただのわがまま爺さんになって……

そんなのの子守りに疲れ果てたのです。

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