ファンダメンタルズ攻略メモ

始めに

コロナ禍以降に為替FX投資に手を出した私にとってこの半年の間で
様々なニュースで上下する相場を見て最初はファンダメンタルズは
突然やってくる「自然災害のようなもの」的な認識でした。
しかし、ソレを学ぶにつれて世界経済・政治について
ウォッチするのが楽しくなり、結果して投資の世界に
のめり込み始めている自分がいます。

最初はドルの値動きの予想に役立てたいと勉強し始めたのですが
気がつけばいろいろな知識が身についたなと思います。

今回は自分のこの半年間の学びの整理とまとめ、今後の予想も含めて
アウトプットするにはディスコードでは量が多くなりそうなため
初めてnoteを利用してみることにいたしました。

コロナ禍以降のアメリカ経済(ゼロ金利政策)

世界経済と言っても押えるべきは
世界経済の中心であり主人公であるアメリカの経済とドルの動向なわけで
コロナ禍以降で何が起こったのかと言うところから
進めていきたいと思います。

ココで登場するのが

ゼロ金利政策です。

アメリカFRB(日本で言うところの日銀)が文字通り金利を
下げるわけですが、この金利が後々ファンダ攻略の鍵になるため
もう少し掘り下げます。

金利には長期金利と短期金利があり日銀やFRBが
直接決められるのは短期金利です。
ざっくりとまとめると

短期金利
・中央銀行が決定(アメリカはゼロ金利/日本はマイナス金利)
・主に銀行間のお金の貸し借りにかかる金利のことを指す

長期金利
・中央銀行が決定することはできないため
 短期金利の設定により間接的に操作される
・10年以上の長期国債の利率の事を指し
 皆が国債を買う⇛長期金利が下がる
 皆が国債を売る⇛長期金利が上がる

 実は利息を支払える金額に限度があるため
    国債の需要で金利が上下する
・要約すると
 長期金利上昇=好景気
 長期金利低下=不景気

では何故、中央銀行がコロナ禍での経済対策として
短期金利を下げるのかと言うと

一般的に私達が利用する地方銀行・都市銀行は
私達が預金したお金を運用して利益を出しているわけですが
短期金利が高い時は銀行は中央銀行にお金を預けるだけで
ほぼノーリスクで利益を出すことができるのだから
企業へ積極的に融資をしないわけです。

それがゼロ金利政策が発動すると
中央銀行にお金を預けていても全く儲けになりません
そうなると重い腰を上げて積極的に企業へ融資を始めて
多くの企業に資金が入り株価が上昇していくわけですね。

人気ドラマ半沢直樹で例えるならば

金利が高いときには潰れそうな町工場を経営していた
半沢直樹の父への融資を打ち切った大和田常務が

大和田

金利が下がったことで伊勢志摩ホテルに
巨額の投資をしてくれるわけですね。 みんなハッピー!

コレがゼロ金利政策のザックリとした概要であり
ここに法人税の減税を加えたものがアベノミクスの大枠だったりします。
実際に景気が良くなったわけではないのに企業に資金が集まり
株価だけが上がっていくため

コロナで失業率が増加しているのに
株価が超高水準まで上昇する

この相反するはずの事象が同時に起こっている
特殊な経済状況なのですね。
なので日米の野党からは批判的な声も上がるのですが
正しく企業に投資することで我々も恩恵を受けられる
「知る人だけが得をする」経済環境でもあるわけです。

アメリカはゼロ金利政策を最低でも
2022年までは継続すると言っているため
基本的には長期的に株は上がり続けます。

そして株の上昇=ドル安

これがコロナ禍以降のファンダウォッチングの
基本的な考えです。
株の流れを読めばドルの流れが読めるのです。

大統領選挙と追加経済対策

未だに決着が明確には着かないアメリカの大統領選挙ですが
ファンダ的にはどう分析すればよいの考えていきたいと思います。

ざっくりいくと

トランプ(共和党)
経済優先、法人税を控えめに設定し社会福祉は最低限にする


バイデン(民主党)
法人税を引き上げて投資家たちへの税金も引き上げて
その財源で社会福祉を充実させる

対中国に対する姿勢や日本にとっての安全保障上の問題など
他にも注目するべき点は色々ありますが相場を占う上では
上記の点を意識していればよいのかなと

普通に考えれば
トランプ当選で株価は上がり
バイデン当選で株価が下がりそうな感じですが

実際には、ほぼバイデンで大勢が固まりつつある中で
アメリカ選挙後は

株価は上昇、ドルは下落

となりました。

これは大統領選挙と並行して行われた
アメリカの議会選挙にて

下院⇛民主党過半数を維持

上院⇛共和党寄りの下馬評から何とか過半数を獲得

の選挙結果となり
上下員の「ねじれ」を維持したことが原因で

その為、バイデンの掲げていた増税の公約の実現が
難しくなった事による上昇となったわけです。

私としてはいろいろな報道が飛び交う中で
未だに大統領選挙の結果は「まだ分からない」と考えていますが

この事から
仮にココからトランプが奇跡の大逆転を果たしても
バイデンが新大統領になっても長期的には
先に述べたゼロ金利政策を背景に

株価は上昇すると考えています。

その上で、更に株価の値動きを加速させる可能がある
アメリカ政界からのファンダ要因として注目するべきなのが

アメリカ追加経済対策です。

先に行われたコロナ禍での第一回目の追加経済対策では
コロナにて失業した米国民一人あたりに

毎週600ドル・月にして2400ドル
(月24万円以上)支給されていました


通常の失業保険とは別に支給です。
日本の一回だけ10万円の比じゃありませんね
(麻生さんもう一回お金配ってくれないかな)

多くの米国民は支給されたお金を
日々の生活費を賄うだけでなく

投資に充てます。

この辺の投資に対するリテラシーの差は
日本とは大きく違ってきますね。
(麻生さん、投資に使うからもう一回お金配ってくれないかな)

そのため、失業者が増え続け
第二回の追加経済対策が求められる状況の今、

追加位経済対策がアメリカ議会で承認されるかかな?
というニュース一つで相場が上下します。


ただ、大統領選挙前から議論していた追加経済対策ですが

お金をバラ撒きすぎでドルの価値を下げたくない共和党と
緊急時なのでとにかく大金をばら撒いて市中に投入したい民主党で
折り合いがつかず大統領選挙前には上下院での合意には至れませんでした。

本来ならお互いだ歩み寄って早期に追加経済対策を実施すべきですが
民主党としては

「株価の伸び悩み=現政権(共和党)の悪さ」となることから

意図的に経済対策案に合意してこなかったフシがあります。
そして、未だにトランプが選挙の敗北宣言をしない以上
おそらく年内の追加経済対策の実施は難くなってしまいました。

振り回されるアメリカ国民はたまりませんね。
(ソレはソレとして麻生さんもう一回お金配ってくれないかな)

しかし、どんなに揉めても1月にはアメリカの新大統領もきまり
来年には間違いなく追加経済対策は実施されるため

追加経済対策=株高

のファンダには常に注目したいところです。

ワクチン開発と長期金利の上昇

個人的に今、最重要のファンダメンタルズであり
今までのクッソ長い駄文もココを理解するための前置き
でしかないと思ってます。

ワクチンファンダを制するものがアフターコロナを制する

といっても過言じゃありません。

11/9(月) バイオンテック&ファイザーの開発する
ワクチンの経過報告があり治験者の90%に効果があったという
ニュースが飛び込みました。

先の見えないコロナ禍に光が指す一方であった為に
大きな値動きがあり、得した人も損した人も出たことだと思います。

この値動きの流れはこうです。

ワクチン報道でコロナ禍の終わりを予見して人たちが
国債を売却し長期金利が上昇する。


アメリカの長期金利が上昇するとドルが上昇する
(金利の高い通貨が買われ低い通貨が売れるため)

金利が上昇するとハイテク株や医療株をを中心とした
グロース株(業績よりも今後の成長への期待値で買われる株)が売られ
製造業を中心としたバリュー株(業績に対して割安な株)が買われます。
(バリューシフトが起こる)

この流れは日本でも起き、自動車などのバリュー株の上昇で
コロナ時の安全資産として買われていた円が売られ円安を呼びます。

こういった流れで株価の上昇と通貨の相関関係が
コロナ前の正常な形に戻ろうとしたわけです。

ワクチン開発の中間報告でこのインパクトですから
実際に認可されたときには更に強烈な値動きを生むことは
11/9の相場を見た人ならば想像するのも容易いと思います。

実際の認可がいつになるのかにはニュースで
注意深く追いたいところですが、現時点では
11月の第3週に認可申請を行うとの情報も出ております。
そこでの申請結果次第では

ドル円であれば
認可されれば価格が吹き上げ
却下さっれれば失望から大暴落するでしょう

ワクチンファンダをコントロールするFRB

では、ワクチンの報道にだけ耳を傾ければ
相場の値動きが予想できるかといえば答えはNOで、

ゼロ金利政策を進めるアメリカFRBとしては
ゼロ金利を2022年末までは続けると発表していること
目標の平均インフレ率2%上昇を未だ達成できていないことから

たとえワクチンが完成したとしても長期金利の上昇を時期尚早として
押さえる動きを取ることが懸念されるからです。

中央銀行が直接操作できないはずの長期金利の上昇を
FRBが如何にして操作するかと言うと

売られていくアメリカ長期国債をFRBが買い上げてしまうのです。

とんでもない力技ですがFRBがこの動きをすると
たとえワクチンが完成したとしてもゼロ金利政策下での
値動きに相場は戻っていくわけです。

実際に11/12のECBフォーラムに出席したパウエル議長は

ワクチンは中期的にいい話だが、経済見通しに反映させるには時期尚早
と発言し、ワクチン報道でFRBの方針は未だに変わらない事を示唆しました
凄く遠回しな言い方ですが、投資家たちの反応は敏感で

ワクチン報道以降上昇していたアメリカ長期金利は下落し
ドル円は下落、バリュー株からグロース株への買い戻しも置きました


つまり今後は

ワクチン関連とソレに伴う景気回復報道
⇛金利上昇・バリューシフト・ドル高・円安

FRBにより金利上昇に対する牽制の動き
⇛長期金利下落・グロース買・バリュー売・ドル高・円安


この様にFRBの主導で金利が上がったり下がったりしながら
コロナ禍から徐々に経済が回復していくのだと思います。
この点を踏まえてファンダと向き合って行くのが
私なりの「ファンダ攻略方法」となります。
※コレを言いたいがために恐ろしく長い前置きが書き綴られてしまったので
 noteを利用したのは本当に正解だったなと思います(笑)

また、2022年末以降の少し先の未来の話しとして
アメリカの経済が本当に立ち直ったとFRBが判断したときには
ゼロ金利政策が終わり短期金利が上昇し、
市場が加熱して上がりきっている株価が下落する時が
必ず訪れるのも事実で、その未来も頭に入れて
相場と向き合いたいところです。

最後に

長々とした文章となってしまいましたが
もしも最後まで読んでくれた方がいたのであれば
ありがとうございます。

もともとファンダの分析ありきでエントリーする
投資手法だったとはいえ

拙いながらも、ここまで自分の頭で
今の相場感をこうして文章の形で落とし込めたのは
間違いなく亀心隊での日々の学びのおかげです。
ソレがなければ、ただただファンダの大きな値動きに
右往左往することしか出来なかったと思います。

タレントのタモリさんが自身の番組(ブラタモリ)で

教養は人生を豊かにする

との仰ったことがありました
コレは地質学が趣味のタモリさんからしたら
訪れた土地の地形を見るだけで驚きと楽しみがあり
人生に彩りが生まれるという趣旨の発言でしたが

コレは投資の世界やソレ以外のことでも言えることで

こんなに真剣にファンダメンタルズについて学ぼうとしなければ
今回のアメリカ大統領選挙をここまで楽しめなかったことだと思います。

投資もファンダメンタルも未だ勉強中の
発展途上ではありますが、タモリさんの言葉を借りるならば

少なくとも私の人生は既に豊かになってきているのかなと思います。

ご拝読ありがとうございました。

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