見出し画像

ルターってこんな人 その2

■2(人を助ける人)のウイングをもつタイプ1 ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ」春秋社 より
👇
タイプ1の特性と2のウイングの特性は、ある程度互いに対立する。タイプ1は、理性的、非人格的であるが、タイプ2は、情にもろく、人々と関わる。タイプ1がこの性格の基礎タイプであるが、このサブタイプの人々には、日立つだけの温かさだけでなく、人間関係を考える視点があり、タイプ1の感情抑制を埋め合わせる。

2のウイングは、タイプ1の過度に厳しく断定的な傾向を和らげる。隣人への思いやりと愛がその理想の中に存在するかぎり、2のウイングをもつタイプ1は人を気づかい、人間的であろうとする。彼らは、個人としての必要を考慮できるように、その理想の厳格さを和らげようとする。 このサブタイプの健全な人々は、寛容と思いやり、誠実さと他人への気づかい、客観性と共感を併せもつ。彼らは、寛大で、人の役に立ち、親切で、どちらかといえば陽気で、タイプ1の冷たい態度を著しく埋め合わせる

彼らは、人を助ける職業(教育や看護のような)の多くに見ることができる。というのは、彼らの理想主義は、対人関係という焦点をもつとき、さらにいっそう効果的になるからである。

このサブタイプの通常の人々は、善意をもっており、理想を求める義務感と他人に自分の影響力を及ぼしたいという欲求から、人々を改宗させる。彼らは、自分が正しいだけでなく、善意であると確信している。彼らは、他人の福祉に対する個人的な責任感から、理想主義的な公共目的やなんらかの改革に、しばしば参加する。通常のタイプ1は自分を統御したいのに対し、通常 のタイプ2は他人を統御したい

これらの動機は互いに補強し合い、2のウイ ングをもつタイプ1の周囲にいる人たちが彼らの影響から抜け出すことをむずかしくさせる。このサブタイプの人々は、自制への反動として、明確な形での感情的なはけ口を自分自身に与える。完全主義への傾向、厳しい道徳心、自分の善良さについての自己満足、自己過大視などの傾向をもつ可能性が、ここにある。彼らは、9のウイングをもつタイプ1よりも、人々に説教し、小言をいう傾向があるが、それは、抽象観念よりも、人々自体に彼らの注意の焦点があるからである

人々が彼らの「示唆」に従わないと、彼らは怒りと敵意に走りやすい。しかし、彼らは感じやすく、その理想、動機、そして、人生が問題にされることを好まない。2のウイングをもつ不健全なタイプ1は、自分に同意しない人たちに耐えられず、その人々にことさら腰の低い態度をとる。彼らは人々を感情的に操り、本来あるべきほどには完全ではない、という罪悪感を人々に感じさせようとする

こうした人物は、自分の動機に関しては自己を欺き、その行動や動機が問題にされると、独善的になる傾向がある。彼らは、高圧的、偽善的になり、まさに彼らが他人の中に非難する、その同じ過失を犯すことになる。自己欺喘と権利所有の感情は、彼らの防衛を破ることを特に困難にする

このサブタイプの人々には、タイプ1の抑圧された攻撃とタイプ2の間接的な攻撃の両面からの、途方もなく多くの隠れた攻撃が存在する。2のウイングをもつ不健全なタイプ1には、肉体的な問題*転換反応、**脅迫行為、あるいは、自己矛盾から生じた不安の結果としての神経衰弱などがある。

*訳注 一 抑圧された心の中の願望が身体的症状とな って表 へ出ること。
**訳注 一 自分とは全く無縁と思われる衝動を内に感じ、馬鹿らしい、不合理だと理性的に判断しても、どうしてもある行為に駆り立てられるという現象。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?