勉強嫌い

私は勉強が嫌いだったらしい。大学に入るまで、こんなにも勉強することへの嫌悪感を感じたことはなかった。自分は頭がいいと思っていたのだね。ほどほどに勉強すれば周りの友達に自慢できるくらいの点数は取れていたし、当時は勉強せざるを得ない環境だったせいで、教科書を見ない日なんてのもなかった。義務教育においては私の大勝利。イエイ!このまま普通よりちょっと上の安定した将来設計をしながらそれに向かって一直線に進んでいけると本気で思っていた。

大学に入るまではそれはそれは頑張って勉強し、見事第一志望の大学に合格したのです。すごい!偉い!!

ここまではよかった。

ちょっとおかしいなと思い始めたのは大学一年生の冬。大学でなぜか運動部に入った私はその部活をあっさり辞めてしまった。辞めたのはあっさりだったがこれは私にとってかなりの重大な出来事だった。辞めたのは言ってしまえば“逃げ”なのだが、それまでの人生で私はここまで大きな“逃げ”をしたことがなかった。自分のことを本気で真面目だと思っていて、必ず最後までやり切ることのできる人間だと信じていたのだ。それまでの美しい自分はこのとき死んだらしい。

部活を辞めたことで逃げ癖がついてしまった私はその後、とことん逃げた。嫌いなバイト先をやめ、面倒なラインは無視し、行きたくない1限なんかをサボりまくった。そうして行き着いた先は自身の専攻からも逃げると言う最悪な大学生活。私は理系の学生で、かつ結構特殊な分野を学んでいるので、専攻から逃げると言うことは学習の放棄を意味する。そもそもまともに授業を受けなかったせいで基礎がわからず、幾ら本を読めと言われても右から左。何も学ばないまま気付いたら1,2年次は終わり3年になっても高校卒業時とかわらない無知で思慮の浅い私のままだった。この大学生活は一体何だったのだろう。これまでの学習の集大成を見てるべきである4年生の私は一体何をして卒業すれば良いのだろうか。

このまま泥になって溶けてしまいたいよ。

さようなら、頑張ってた自分。

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