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半分キモ恋文になった

わたしの高校生活ってなんだったんだろう。悪くはなかったけど、理想ではなかったけど、めちゃくちゃに面白かったなあ!

最後の登校日、最後の授業、パソコン室でリーゼントの先生が卒業ソングを垂れ流して自由時間で。わたしは好き女や友達の笑い声を聞きながら本を読んでた。ギャルは先生にスーツを選んでもらってる。このギャルね、一番早く進路が決まってDIYもできるし仕事もできるし、わたしにギターをおしえてくれたの!修学旅行の部屋同じで、朝起こしてくれた。部屋の掃除してた。すごいんだよ、大好き。最後の大掃除しててもあんまり悲しくならなかった。嫌なくらいいつも通りだった。悲しくなりたかった。中学のときは卒業までカウントダウンの紙を剥がすのが悲しかったなあ、しかもわたしたちの代で校舎取り壊しだったし、学校に好きな男の子もいたっけなあ。

高校受験の時、仲の良かったグループの子たちになぜか変に気を遣って消去法でまあ制服可愛いしって、同じ中学からは私含めて3人しか行かない高校選んだの。遠かったね、馬鹿だった!遠いです…。入学前にツイッターとかで仲良くなった子と遊んでLINEグル作って入学式から孤立しない怖くないぞーって、その子らとはもう目も合わせないんですが。ワクワクしてた、高校生だ!バイトするんだ~自由だ~って、可愛い制服着て、なにするんだろう?って。たぶんそう思ってたかな。もうすでに私の中で制服は性的な記号だったけどさ。

好き女とは高校1年生からずっと一緒、高校1年生からずっと窓際の1番後ろの席。朝はその席に座って好き女が来るのを待って、私寝てたりするから起きてー邪魔!って言われたりしてね、休み時間のたびにその席に行くの、3年間ずっと。体育の授業さぼりながら好き女は「体育座りしてうつむくと100エーカーの森の地図が見えるの!」って教えてくれてね、なにこの子?いつもいつも役に立たない豆知識とかフォロワーの変な話とか不登校だった話とか聞かせてくれて、私も話して、お互いがお互いをこいつはやばい、自分はこいつみたいじゃないからいいやみたいに思ってた。私が垢バレしてはぶられたとき好き女が自分のアカウント教えてくれた。わたしのこと、唯一ずっと拒絶してくれなかった。そのころ私の世界は、家と、自分で見つけた学校の外と好き女だけで、狭くて美しかったよ。好き女はいつも本を読んでて、勉強ができて学歴コンプで、ツイッター芸人で夢女で、可愛いのとっても美人なの、全然学校より好き女の話じゃん、やだなーーーーー恥ずかしいきもいなー!あ、1日入学のときから目をつけてた顔が可愛すぎる子がいて、可愛いのに1人でお弁当食べてるもんだから気になってドキドキしながら誘ってました。誕生日も調べて祝いました。少年ですね。

2年生になるときふたりでこの進学クラスを抜け出すぞ!っつっておバカ向けのコースにいって、そこはとにかくいろいろ広く浅く学べるけど自分で意欲的に取り組まないと資格なにもとれないとこだから、私はもちろんバカのままだし好き女は資格とってた。私が資格とらないほうが成り立つ気までしてて、なんなんだ?2年生になった日、新しいクラスがギャルと喪オタクと陽キャで空気が張りつめてて、好き女とふたりで教壇で土下座の姿勢で無理かも~~~って呻いてたけど全然そんなことなくて。オタクたちは馬鹿面白いしギャルも良すぎるギャルだし、陽キャなんて偏見言葉でくくって申し訳ないくらいに優しい人たちだったんだよ。でもそのときはまだ怖くて、授業は全部好き女の席まで行ったりおかしくなって掃除ロッカーとか床で受けてて、ああここでもまた変な奴だと思われて孤立してしまうんかーーーーーと悲しくなってたわけですが、杞憂杞憂!いつの間にか授業中に後ろの席の子にこんにゃくゼリー吐き出したり、ちんちん侍したり、変な絵を仕掛けあったり、自分の席の周りの4人で楽しく過ごせるようになって、好き女が休んだ日もちょっとは大丈夫になれた。ギャルたちも優しくてお弁当や移動教室に混ぜてくれてね、あーあ泣いちゃうよね。ありがたいよ。隣の席のオタクは「ちんポジをなおすときの擬音はコネッだよ」って熱く語ってる。斜め後ろの子は教室でセックスする。わたしは咎める資格ないですし、あんな噂や事実やツイッターがばれても普通に接してくれてよかった。わたしやってけないと思ってたもん。朝の廊下から教室のドアを開けるまでの緊張はずっとなくならなかったけど、大丈夫だった。掃除のグループの中でごみ捨てを人に押し付ける時、私だけジャンケンに誘われることも無いしむしろ私がいるせいで自然と男子がやることになってるあの感じ、いま災害起きても動くのが恥ずかしくてにげられないんだろうなっていう感じ。どこまでも陰。2年間ずっと同じ席で、毎朝誰かのロッカーや机に変な絵が仕掛けられてて誰やーーー!ってやり返して、好き女と体育さぼってきつい補習やって、ギャルに愛情込めて怒られ、放課後にサーモンといくらとウニ食べたり、昼休みに蜂の巣食べたり、体育見学しながら金平糖食べたり、また私はぼーっと過ごしてしまったけどさ、良かったよ。美術の居残りしながらギャルが「ほんとにキャラ濃いやつしかいねーな」って言った。ほんとにそうだけど、今度こそだれも忘れないといいな。そんなことってないのかな。

これからは男子高校生に耐性のないおばさんです。天晴れ…


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