エアコン除湿されなくね?(特許を紐解く)

ZEHや高気密高断熱住宅時代
エアコンが頻繁にサーモオフする、熱量が足りないためエアコンの冷房能力が上がらず除湿量も上がらない。そもそもエアコンが省エネ性能追求しすぎて熱交換器温度を高く、風量を多く制御するため冷房時除湿量が少なすぎる。
結果的に除湿機併用や頻繁に再熱除湿になって無駄に電気を食う

我が家のエアコンも頻繁なサーモオフやそれに伴う湿度戻りが激しく、制御に納得行かなかったので、それなら特許を紐解いてみようと休日を半日潰して知識欲の赴くままに調べたものです。とりあえずデータ収集のなぐり書き。詳細はあとで纏める。

パナソニック エオリア 2024
エネチャージ快湿制御(2021)+エコインバーター制御新搭載(サーモオフ点シフト、低能力運転アシスト)
"ZEHのような高断熱・高気密住宅においてもサーモオフを回避し、安定した室温及び除湿能力を維持"(jrair.697)
"温度変動幅1.3→0.2℃に、平均湿度幅4%へと軽減。圧縮機断続運転による損失が低減されたことで、約10%省エネ性能が向上した"

jrair.697

特許番号7398617
【0006】
本開示における空気調和機は、流路切り替え装置で冷媒の流れを切り替えるようにし、バイパス回路に冷媒を流すことで、室内熱交換器の熱交換量を減少させることができ、サーモオフ時間に短縮ができるので、快適性を損なうことなく効率の良い運転を継続させることができる。
【0031】
このように減圧部32を冷媒が通ることで、従来に対し、同一の圧縮機6の容積、回転数であっても室内熱交換器14の温度を上昇させることができ、室内熱交換器14での熱交換量を減少させることができる。

つまり、コンプレッサーを最低周波数で駆動しても冷却能力過剰になる場合、室内熱交換器に送る冷媒量をバイパスして減らすことで室内熱交換器温度を上げて冷却能力を下げ、サーモオフを回避させる(再熱やダイキンの再熱もどきのような冷やしたあと熱を戻す作用は無い)
ということは、この制御に入ってる状態だと除湿能力はかなり低下するのでは?
しかしサーモオフでの除湿ゼロ時間や、送風による湿度戻りするよりはマシということなのだろう。

ダイキン 2022 
さらら除湿(リニアハイブリッド方式)
特許番号6897653,6897652,6773100,6881641,6881419,7485962

ダイキンの再熱除湿特許でよく先行技術文献として引用されている
特許番号2004-108618 東芝キヤリア
”最初に顕熱能力の大きな通常冷房モードにより運転を行ってとりあえず室内温度だけを速やかに目標レベルに移行するようにし、その後に過絞り冷房モード又は再熱ドライモードによる運転を時間をかけて行ない、これにより目標とする湿度感を達成する。”

またその特許の前提となる"過絞り冷房運転方式"は
特許番号2004-108618 東芝キヤリア
"液バック防止及び除湿運転機能を充実"

特許6881419

Saravia ダイキン除湿機能付き外気処理換気システム
エアコン除湿だと、低温低湿度な内気から更に除湿する必要がある。
しかも換気システムから(全熱交換していても)高温高湿度の外気が入ってくる。除湿効率が悪い。
Saraviaのような外調機換気システムなら、高温高湿度な外気を直接処理して中温低湿にしてから導入できる。除湿効率が良い。
また湿度や温度むらが起きにくい。

三菱重工 業務用 セゾンエアコン2024 
"HyperInverterシリーズ 1.5~3馬力はコンプレッサの最小回転数(下限)を拡大""新型12rps"
おそらく従来20rpsを12rpsまで下げれる様になった
つまり最小能力下げられる為サーモオフしにくくなる
とはいえカタログスペックP40型1.5馬力は冷3.6kW(1.4~4.0)だからかなり下限高い

独断と偏見で見た感じ、三菱電機orダイキンのエアコンが良さげ
ただし三菱電機はサーモオフ時のファンオフ(ドライキープ)ができないのが唯一の弱点。ダイキンは設定温度からの乖離が起きやすい制御思想なのが唯一の弱点。
残念ながら100点満点のメーカーは無い。
ダイキンと三菱電機足して悪いとこだけ削れば最高なんだけどなぁ…日本メーカーが2つを足すと大体両方の悪いとこだけが引き継がれるから望み薄…

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