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NO08 塗香

塗香(ずこう)

最近高野山を始め、京都奈良三重滋賀の寺社仏閣に行く機会が増えている!今まで気にもしなかった、参拝の際に右手で摘み、左手の手の平に移してから、手を合わせ、擦り込んでお参りをする塗香というものに出会い、伺う各寺院で調合が違うらしく、独特な甘い香りだったり、少しスパイシーだったり!なんとも心落ち着く時間を作ってくれる!各寺院で購入する事も可能で、数カ所の塗香を自宅で楽しむ最近である。数回自分で調合する体験会にも参加し、作るのだが、どうも自分の好みの香りとは違うものがいつもできてしますよう!下に十数種類の香りの素を書いてあるが!高野山のある場所の塗香は龍脳、丁字、桂皮、白檀、沈香、甘松、貝香、山奈と鬱金とか!ちょっとスパイシーな香りなんです!

東洋西洋をとわず古来より、地域ごとに顔位の文化は生まれ発展を遂げました。現代では何処にいてもさまざまな種類の香りを手にすることができ、日常的にアロマや香水などを使用されている方も多いのでは。お寺にお参りすると、堂内で絵も言われぬ香りに心地よく包まれる鑑賞を覚える方も多いかと思います、仏教では仏様に捧げる六種類の供物(華、水、灯明など)というものがあり、香もその一つに数えられます。中でも塗香は数種類の香原料と香木、薬類を乾燥させ混ぜ合わせ微細な粉末にしたもので、お線香や焼香のように火を用して薫じるものではなく、体に塗って使用します。 塗香には清浄な性徳があるとされ、お寺で御経をあげる前や写経の前、寺院参拝の際に手に塗られるようになりました。  高野山でも奥之院灯籠堂、伽藍大塔などの御堂に入る際に塗香器に盛られた塗香が入り口に置かれています。そのブレンドは各所によって異なるため、香織には個性が表れます。参拝の際には、ひとつまみの塗香を左手に受け、両手に擦りこんでみてください。外からの邪気を祓い、心が清められます。

香十徳
北栄の詩人黄庭堅が作ったKANNSI(香十徳)には、香の効能が説かれています。日本では一休さんで知られる、一休宗純によって広められました。香りはいつの時代も人の心を豊かにしてきたものです。
感格鬼神_感覚が研ぎすまされる
静心身_ 心身を清らかにする

  1. 感格鬼神・・・感は鬼神に格(いた)り____感覚を研ぎ澄まし
  2. 清淨心身・・・心身を清浄にし____心身を清らかにし
  3. 能除汚穢・・・能(よ)く汚穢(おわい)を除き____よく穢れを取り除き
  4. 能覺睡眠・・・能(よ)く睡眠を覚し____よく眠りを覚まし
  5. 静中成友・・・静中に友と成り____静けさの中に安らぎをもたらし
  6. 塵裏偸閑・・・塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む____忙しい時にも心を和ませる
  7. 多而不厭・・・多くして厭(いと)わず____多くても邪魔にならず
  8. 寡而為足・・・寡(すくな)くして足れりとす____少なくても十分に足りる
  9. 久蔵不朽・・・久しく蔵(たくわ)えて朽ちず____年月を経ても朽ちず
 10. 常用無障・・・常に用いて障り無し____常に用いても障りはない
香の本質が、たった40文字の中で見事に表現された素晴らしい漢詩であるとともに、今も昔も香の効能に対する考え方が変わらないことに驚かされます。

香木、香料、保香材一覧 

香木 伽羅(きゃら)

伽羅は沈香の最高級のものに与えられる名称です。香りの成分である樹脂が沈香より多く含まれ、熱を加えなければ香りがしない沈香と違って、伽羅はそのままでも大変良い香りがします。主な産出地:ベトナム中南部

香木 沈香(じんこう)

ジンチョウゲ科の木に外的要因で傷ができたとき、その傷を治すために集まった樹脂の成分が変質し、香りを放つようになったものが沈香です。比重が重く水に沈むことが沈水香木の名前の由来となっています。最強級なものは伽羅と呼ばれる。主な産出地:インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、アッサム地方、海南島等  別名:アガーウッド agarwood

香木 白檀(びゃくだん)

ビャクダン科半寄生の常緑高木の幹や根の心材で、常温でも涼やかで気品のある甘い香りが立ちます。香の材料の他に仏像や数珠や扇子の材料としてもよく用いられています。主な産出地:インド・マイソール、インドネシア等  別名:サンダルウッド sandalwood

香料 丁子(ちょうじ)

チョウジノキの開花の直前の蕾を乾燥させたもので、形がくぎに似ているので丁子と名づけられたともいわれています。古来より代表的なスパイスの一つで、大航海時代には胡椒とともにヨーロッパを席巻しました。主な産出地:インドネシア、マレーシア、アフリカ  別名:クローブ clove

香料 桂皮(けいひ)

クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の樹皮です。その独特の甘さとかすかな辛い香りから食品香料として、また血行促進で体を温める作用から漢方薬にも重宝されています。主な産出地:中国南部、ベトナム、スリランカ  別名:シナモン cinnamon、カシア cassia

香料 甘松(かんしょう)
オミナエシ(スイカズラ)科の草木の根や茎です。甘さ、酸っぱさ、苦さが独特でこってりした香りです。新約聖書の中でマグダラのマリアがイエスの足にぬった奇跡の聖油がスパイクナード=甘松だといわれています。鎮静作用も高い。主な産出地:中国、インド  別名:スパイクナード spikenard

香料 大茴香(だいういきょう)

シキミ科(モクレン科)トウシキミの果実です。特徴のある星形から八角茴香とも呼ばれています。香りはさわやかな甘みで、香原料としては香りの奥行きを 広げる役割があります。主な産出地:中国南部  別名:スターアニス staranise

香料 かっ香(かっこう)

シソ科のカワミドリの葉と茎の部分を乾燥させたものです。古くから香料や薬用に使われていました。 薬草のようなウッディーですっきりした香りが特徴で、緊張や不安を和らげるといわれています。主な産出地:インドネシア、マレーシア、台湾、中国広東省  別名:パチョリ patchouli

香料 排草香(はいそうこう)

シソ科のカワミドリの根の部分を乾燥させたものです。香りが強く、清涼感あるクールな香りで、粉末にしてお線香によく使われます。主な産出地:インドネシア、マレーシア、台湾、中国広東省

香料 山奈(さんな)

山奈=バンウコンはショウガ科の植物です。ショウガの匂いに近いすっきりとした香りで、調合の際には他の香料の強烈な香りをぼかして両方をなじませることのできる、補佐的な役割で使われます。衣装の虫除けとしても使用される。主な産出地:中国南部・インド   別名:バンウコン カチュールスガンディ

香料 零陵香(れいりょうこう)

零陵香は他の香料と一緒にしておくと全てに香りが移ってしまうといわれるほど、甘く強い香りです。この零陵香の種子を粉にしたものがフェヌグリークというスパイスで、日本のカレー粉にも使われます。主な産出地:中国南部、アラビア半島  別名:フェヌグリーク fenugreek

香料 乳香(にゅうこう)

カンラン科ボスウェリア属の種類の木から採れるゴム状の分泌物です。幹に傷をつけ、しみ出して固まったものを採取します。清涼で優雅で奥行きのある香りで、西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香りです。主な産出地:中近東、アフリカ 別名:フランキンセンス frankincense

香料 龍脳 (りゅうのう)

フタバガキ科の常緑大高木、龍脳樹の樹心部の空間にできる無色透明な結晶です。爽やかな香りで樟脳によく似ていますが、樟脳よりももっと優雅で強い香りです。かの玄宗皇帝が楊貴妃に送ったとも言われている。主な産出地:インドネシア、マレーシア

香料 保香材 安息香(あんそくこう)

エゴノキ科の常緑大高木、アンソクコウノキから取れる樹脂です。幹に傷をつけ、しみ出して固まったものを採取します。ほんのりと甘みのある香りで、西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香りです。主な産出地:東南アジア、インドシナ半島、スマトラ島  別名:ベンゾイン benzoin

保香材 麝香(じゃこう)

麝香は発情期のジャコウジカの雄の香囊から取ります。麝香そのものは、独特の動物臭ですが、アルコールなどの溶媒で1000倍に薄めて他の香原料に調合することで全体の香りを官能的で熟成したものに変貌させます。主な産出地:チベット、中国広東省  別名:ムスク musk

保香材 龍涎香(りゅうぜんこう)

マッコウクジラの体内に傷がついた時にその傷を治すために出した分泌物が固まったものです。海岸に流れ着くロウ状の塊で、長い間正体がわからず、中国では龍の涎の香りということで、龍涎香と名付けられました。※マッコウクジラの結石  別名:アンバーグリス ambergris

保香材 貝香/甲香(かいこう/こうこう)

貝香というのは巻貝のフタを粉末にしたものです。貝香は香りを安定させて長持ちさせる保香材で、単独ではタンパク質系の匂いですが、香原料に混ぜると全体の香りがしっかりと引き締まります。主な産出地:アフリカ東海岸

他 鬱金(ウコン)とか炭なども使用されるらしい!

プラス!
◎樹脂香とは
教会でも伝統的に使われるお香。日本でもお馴染みとなりました。植物の樹脂を乾燥させただけのもの(樹脂香)で、主に火をつけて煙を出す方法で香りを楽しみます。 LACRIME は「涙」「雫」を意味し、乾燥させた植物の樹脂が涙、雫のように見えることから名付けられました。また、ミルラ(没薬)・フランキンセンス(乳香)は東方三賢者が金と共に、キリスト生誕に贈ったとされる言い伝えは有名です。 楽しみ方は様々で、香炭と一緒に焚いたり、アロマポットで熱したり、そのまま置いておくこともできます。

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