会社員生活1ヶ月目。

会社員になる。

4月3日に新入社員として東京のIT会社に入社した。
どうやらわたしは「会社員」になったらしい。
大学生生活を6年(学部4年+院2年)続けてきて、生活リズムがズタズタになっているわたしは高校生ぶりに週5で同じ場所へ通い続ける生活を始めた。

わたしが入社した会社はいわゆるIT企業で、さまざまなITシステムの構築を主な事業としている。
中小であるが、取引先は大企業が多くいわゆる1次受けが基本。
取締役は全員男性。
新入社員はほとんどがエンジニア・プログラマ職で、未経験可。
わたしも例に漏れず未経験。
というわけで、最初の3ヶ月はひたすら研修が続く。

研修の辛さ

わたしの代は同期が30人強いる。
男女比はだいたい半々。
この人数で研修を一緒に受けるとなると雰囲気は完全に高校のクラスである。
研修はまずは一般的なマナー研修を一瞬やり、エクセルの使い方から始まり、ITの基本知識、そして各種働くために最低限必要な知識を一通り勉強する。
1ヶ月経った今は、HTML/CSSとSQLを一通りやってこれからjavaに入るというところ。
ここまでの感想を言うとすれば正直高校のクラスノリがめんどくさいということだろうか。

退屈。

研修の進みはとにかく遅い。
当たり前であるが会社としては最低限それぞれが配属された後に自分で吸収できるようなレベルの知識とスキルを全員に身につけてもらわなくてはならない。
そいういうわけで、吸収が遅い人に合わせて研修は進んでいく。
わたしはパソコンは人並みに使えるしpythonなどといったコードを触ったことがあったりするので、未経験の人間の中ではかなりついていっている方だと思う。

一つの作業を進めるのに全員が同時に進めるように研修は計画されている。
そうなると、例えば一つのコードを実行するのに早い人は5分でできるとして(一つのコードで5分かかるものはなかなかない)、それを遅い人では20分くらいかかったりする。
早い人は5分作業した後は15分暇になってしまうのだ。
もちろん、周りにできていない人がいれば助け合って早く終わった人はできていない人に教えてあげたりするわけだけれども、それでも暇であることに変わりはない。

國分功一郎に倣うのであれば、暇というより退屈と言った方が適切だろう*1。
知的負荷が少なすぎて1日をやり過ごすのにとても時間がかかる。
だからと言って、プログラミング経験者であるわけではないから何か自分でやれることを色々見つけられるというわけでもない。
変に設定を触ってしまってめんどくさい状況になっても嫌なので、終わったらとりあえずあまり触らないようにする。
すると本当にやることがないし、考えることもない。

研修期間中は、隔週でリモート勤務がある。
リモートの日であれば手元はカメラに写っていないので本を読むことができるのでかなりマシ。
しかし、出社の日となればそうはいかない。
作業が終わったら、わからない人が近くにいそうであれば教えてあげることもあるが大抵はわたしの他にもできる人(特に専門卒の経験者など)がいるので未経験のわたしがわざわざ教えることもあまりなかったりする(こんなことを先輩に言えば、経験未経験は関係なく教えてあげなさいと言われるだろうが。)。
そうなると近くの終わっている人と雑談などをするか他の作業をするかということになる。
どちらも大抵退屈である。

最近は、最近見た映画や小説の感想や考えたことなどをさも研修のメモをとっているかのようにメモ帳に書きまくるということで暇を潰している。
あまり他の人には見られたくはないので慎重さが必要であるが、割とこれはいい暇つぶしになるし、各種理解が進む。
というわけで当面は、小説や映画を継続的に見つつその感想を書いていく方向でいきたい。

文化的ギャップ

退屈であることと同時に辛いのは、わたしが興味あるような話をできる人が見つけられていないということ。
まあ、仕事なのだからそんなことはいいじゃないかと思われるかもしれないが、そもそも他の人と全く話が合わないのだから仕方がない。
小さな差かもしれないが、わたしは同期の中では年長の方だろう。
若い人では専門に2年通った後に就職しているので現時点で20歳の人もいる。
大卒でもストレートであれば22歳で2000年生まれだ。
わたしはストレートだが大学院に通っていたので2年早い1998年生まれ。
同期とは最大4歳歳が違う。
歳がどうという話ではないが、正直あまり話が合わない。
いや、年は関係がないか。そもそも普通に他の人がしている雑談は難しすぎてわたしにはできない。
なぜそんなに興味がない話を楽しそうにできるのだろうか。
いや楽しいのか?

あと、研修はとても難易度が低く設定されているにも関わらず、「えー、難しい!!わからなーい!!」と音を発するのがここでのマナーになっている。
できる人はできる感を出すのだけれど、基本的には「できなーい」という音を発していなければならない(これが高校生ノリである)。
そんな空間ではわたしが普段読んでいるような本たちは「ムズカシイ本」である。
普通に読んでいると「すごーい」という音の振動を向けられてしまう。
これまで本を読んでいることが当たり前の空間で生活していたので本を読んでいることにいちいち反応されたり、差異化されたりするのは正直とてもめんどくさい。
そして、話し方も「できなーいノリ」が主流なので大学の時の話し方はとても浮くことになる。
メンター制度もあってわからないことや悩みを年の近い先輩に相談することができるが、相談することはないしここでの愚痴はそれこそ想定されていないだろう。
新入社員は新入社員にならなければならない。

愚痴をダラダラ書いているけれど、会話のやり方やノリが全く違うしわたしが苦手なノリなので正直とても辛いという話(ただコミュニケーション能力がないだけなのかもしれないが、同期だから仲良くしようというのは勘弁してほしい)。

さっさと配属されて仕事をしたい

そんなことを言えば意識が高いと思われるかもしれないが、本当に研修が鬱陶しいのだ。
そうはいっても、楽であることに変わりはないから何か過労的なストレスが溜まっているわけではない。
ただいまのところ、会社員になったというよりも高校生の時の気持ちを思い出すことのほうが多くて厄介だ。

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