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長引く痛みに終止符を!県内初の運動器カテーテル治療とは

 今年9月、ゆいレール浦添前田駅の通りに新たにオープンした「さくがわクリニック」。沖縄県では初のモヤモヤ血管に対するカテーテル治療を提供している。今回は当院院長の佐久川貴行先生にインタービューをさせて頂き、ご開業までの経緯や、長引く痛みに悩む患者様への治療などについてお話を伺った。

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―放射線科医の道を選んだ理由、ご開業のきっかけをについてお聞かせください。
 大学生の頃の臨床実習で最初に見学したのが放射線科でした。モニターに映し出された画像を見ながらカテーテル治療を行うIVRにとても興味がわきました。他の診療科も経験させて頂きましたが、それでも放射線科に魅力を感じ、この道を選ぶことにしました。
 初期研修の後は3年間長崎に渡り、肝癌のTACEをはじめ、外傷・産科出血に対する緊急止血、頭部を含む全身の動脈瘤塞栓、シャントPTAなど、様々なカテーテル治療を経験しました。それから琉球大学病院や県内総合病院で学ばせて頂きました。
 そしてIVR学会で、長引く痛みに対するカテーテル治療に出会いました。これまでの経験を応用し発展させていくことで、なかなか治らない痛みに悩む患者さんに貢献できるのではないかと感銘を受けたのを覚えています。それから、この治療の開発者である奥野祐次医師のもとで診療に携わりながら研鑚を積み、かねてからの目標であった沖縄での開業に至りました。
 琉球光和様にも融資や各種申請のサポートを頂きとても助かりました。感謝致します。

カテーテル室

―「長引く痛みに対するカテーテル治療」の特徴を教えてください。
 長引く痛みがあるところには異常な新生血管ができているということがわかっています。いびつな構造でボヤっとかすんだように見えるので「モヤモヤ血管」と呼ばれています。モヤモヤ血管の周辺には痛みを伝える異常な神経も増殖していきます。当院では、この痛みのもとになっている異常新生血管を消して痛みを取り除く「運動器カテーテル治療」を行っています。
 五十肩やテニス・ゴルフ肘、
へバーデン結節、変形性膝関節症などの様々な疾患が対象になります。保険診療の範囲内で痛みが良くなるのであればそれにこしたことはないと思っています。しかし鎮痛薬やステロイド注射、理学療法などの治療でもなかなか改善が得られない場合には、一つの選択肢として考えて頂ければと思います。

―今後の目標を教えてください。
 厚労省発表の国民生活基礎調査をみても、肩こりや腰痛の有訴率は高いことが分かります。沖縄県内でも多くの方が長引く痛みに悩まされていますので、一人でも多くの方々の力になりたいと思っています。
 2021年10月、膝の運動器カテーテル治療がアメリカFDAでは認可されたものの、日本ではまだ自費診療となっていることが課題です。しかし、日帰りで行える治療という点や、一人一人に時間をかけながら丁寧に説明ができるのもこの診療スタイルならではと思っています。まだまだ課題がありますが、運動器カテーテル治療研究会や沖縄県内の様々な診療科の先生方のご協力のもと、長引く痛みで悩んでいる方に治療を提供できるよう精進していきたいと思います。

さくがわクリニック外観②

 今回のインタビューでは、自費診療ならではの治療スタイルを垣間見ることができた。沖縄県初上陸の治療法ということで今後の展開に期待が膨らむ。
 本件に関するご意見やご開業に関するお問い合わせがございましたらぜひご連絡を。


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