見出し画像

業務の効率化とアウトソーシング

 皆様のご施設では、施設内の諸業務に対して、自前の職員を教育した上で業務を遂行するのか、それとも受け手さえあればアウトソースするのか、その判断軸をお持ちだろうか。
 時代の流れや施設・職員の規模によってもアウトソーシングによるコストパフォーマンスは変わってくるが、全ての施設に共通する問題として、今後、医療を必要とする人が増え、医療を行う人が減る事態が起こる。そのため、いかに医療行為と他業務を分離するのかを考慮した戦略的なアウトソーシングが必要であろう。
 またアウトソーシングにも様々なものがある。税務、労務の業務をアウトソースする税理士や社労士等がイメージし易いと思うが、給食や清掃、他にも資材の発注、期限管理、配送を自動で行うSPDや滅菌業務など、多岐にわたる。
 アウトソーシングは、人材育成をせずに専門スキルを活用でき、スタッフはコア業務に集中することができる。一方で、アウトソーシングは当然のことながらコストがかかる上、ノウハウが蓄積されない。その為、時間をかけてでも自前で育てたいのか、長期的な判断軸を持つことが重要である。

 さらに、今年4月の診療報酬改定の重要課題として掲げられた内容にも「安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進」がある。そこではICT化やDX化といった、いわゆるシステムを利用した業務効率化を推進している。例として、Web問診システムや自動精算機、電話の自動応対等、これまでスタッフがリアルに患者対応してきたものをシステムによって、非リアルでの対応が可能となった。これらは、患者対応における課題解決と共に、患者満足度向上や人的ミス低減の効果も同時に得ることができた。技術の進歩と共に、システム化は省力化のみならず、新たな顧客価値の創造に繋げることも可能となってきたのだ。しかしこの場合でも、組織の中に、省力化のゴール感や新たな顧客価値への目的意識を持つ職員がいなければ省力化の実現さえも危ういであろう。つまるところ「どのような人材の育成に時間をかけるのか」である。

 コストパフォーマンスなどで語られやすいアウトソーシング、ICT化、DX化であるが、組織の運営において最も時間がかかる活動が採用・教育である以上、自前で育てるかどうかの判断軸は組織の経営戦略そのものといえるだろう。
 この年末年始に貴施設でも長期的な経営戦略の一つとして、この判断軸について議論してみてはいかがだろうか。

※この記事に関するお問い合わせは、公式LINE(@rkowa)まで

弊社公式ホームページはこちらから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?