2022年4月改定 入院基本料に係るデータ提出加算の要件拡大
2022年4月、2年に一度の診療報酬改定が行われる。今回の改定で、注目を集めているのは「データ提出加算の要件拡大」だ。
4年前の診療報酬改定で入院基本料の要件として取り入れられ、全国の病床を持つ医療機関が基準を満たすための対応に追われた。今回は、4月に再拡大する「データ提出加算」について話していく。
現在データ提出が必須となっている入院基本料は下図の通りである。また、図の下にある入院基本料は今年4月から必須要件として追加されるものとなっており、沖縄県でも新たに20施設程が対象となる予定だ。
データ提出加算とは、厚生労働省が実施する「DPC導入の影響評価に係る調査」に準拠したデータが正確に作成及び継続して提出されることを評価したものである。しかし、DPC未導入施設も、該当する入院基本料を算定している施設はデータ提出加算の届出が必須となる。提出するデータファイルは算定している入院料によっても違い、データファイルの提出を必須要件としていないものもある。
データ提出加算は、申請してすぐに算定できるほど簡単な施設基準ではない。データ提出加算には、算定の手上げをした後に試行データと本データの提出専用システムの導入や委員会の設置、規約の制定、診療録管理体制加算の体制構築、院内整備やスタッフの教育も必要となる。また、医師と看護師の業務負担も大きくなるため、業務分担や労務管理の見直し等も重要である。そのため、新たに要件拡大された入院料については、それぞれに経過措置期間が設けられている。また、申請できるのは年4回と決められており、自院の準備が整うタイミングを逆算して、申請可能な月に合わせて調整していくことも必要となる(※上図参照 厚労省データ提出加算に係る説明資料より)。
データ提出加算を算定する上で、どのようなデータの提出が必要となるのか、左図で簡単にまとめてある。
データ提出加算と診療録体制加算は合わせてもせいぜい200点前後と低いが、これらを算定できなければ、入院料が算定できなくなると考えれば、この施設基準がいかに重要なものなのかは言うまでもない。
まずは、施設の大小に関わらず、各部門から主要メンバーを招集し、委員会を立ち上げ、自院が現状どこまで対応できているのかを把握するところから始めてみてはどうだろうか。