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お嬢様は歳の離れた執事に恋をしました #1



執事)お嬢様、お車の準備がいました。

?①) 私たち2人だけのときは普通に喋ってって言ってるじゃん。

執事)そうは言いましても…

?①)あぁもう!
喋ってくれないと〇〇が意地悪するってお父さまに言いつけるから!!

執事)それはご勘弁を…

??)じゃあ普通に喋って。

〇〇)………分かったよ。
車の準備できてるから、そろそろ行くよ。
※執事=〇〇(以降、〇〇)

私の名前は小田倉麗奈。

彼は私の専属の執事の〇〇。

小田倉グループの社長令嬢である私は、誰と接してもお嬢さまとして扱われる。

そんな中、2人きりのときだけ、という条件はあるけど私を1人の女性として接してくれる。

家族以外で唯一、私がお嬢さまで在る必要がない男性。

まぁ、私がお願いしたんだけど…
※?①=小田倉麗奈(以降、小田倉)

小田倉)今日は3限目まであるから、15時半ぐらいに来てくれる?
遅くなる時は電話するから。

〇〇)了解。





私が小学校3年生になるまでは別の男性が執事を務めてくれていたけど、その人が定年退職になり、入れ替わりで私が高校生になってからは〇〇が執事を務めるようになった。

誕生日は知ってるのに、何歳なのかは聞いたことがない。

年齢関連で知っているのは、少なくとも10歳ぐらい年上だってことだけ。





?②) 麗奈おはよう!!
〇〇さんもこんなぎ〜~!

〇〇)おはよう。

小田倉)凪紗おはよう。





元気いっぱいに挨拶をしてきたこの子は、私と同い年の幼馴染、小島凪紗。

私と一緒に〇〇に可愛がられてた子。

彼女は私が〇〇の事が好きだということを知っている。





小島)ねぇねぇ、今日私3限までなんだけど、麗奈は何限まで?

小田倉)私も3限まで。

小島)ホントに!?
それじゃあさ、駅前のカフェ行かない!?
3限の後だったら空いてると思うし!





彼女も社長令嬢。

ただ私と違うのは、ある程度の自由が許されているところ。

講義が終わった後に寄り道したり、友達を誘って遊びに行ったり。

この子はバイトもやっている。





小田倉)う~ん、でもお父様が……

小島)あっ。。。

〇〇)……いいよ。
お父様には適当に誤魔化しておくから。

小田倉)いいの?
でもそれじゃバレたときに〇〇まで……

〇〇)俺の仕事は麗奈の執事。
代わりに怒られるのも俺の役割の1つだから、気にせず行っておいで。













カフェにて。





小島)ん~~~、美味しい!!

小田倉)このフロランタン、美味しいね。

小島)でしょ?

小田倉)来たことあるの?

小島)何回かね。
でも、フロランタン食べるのは久しぶりかな。





私たちは〇〇に送ってもらい、駅前のカフェにやってきた。

お茶やお菓子を楽しみつつ、色んな話をする。





小島)そういえばさ、ゆづに彼氏できたんだって。

小田倉)そうなの!?

小島)めっちゃ甘やかしてくれる人みたいでさ。
で〜き〜な~い〜って言ったらすぐに駆け付けてくれるんだって笑

小田倉)違う世界線で見たことあるようなモノマネやめて笑

小島)でも、ゆづが言ってるところ思い浮かぶでしょ?笑

小田倉)思い浮かぶ笑





凪紗は色んな人の恋愛事情に詳しかったりもする。

誰とでも打ち解けることができて、みんなをまとめることも出来る。

私からすれば眩しすぎると言っても過言ではない才能。





小島)それでさ、麗奈はどうなの?

小田倉)え?

小島)え?じゃなくてさ。
〇〇さんのこと、どう思ってるの?

小田倉)それは……
私は〇〇のことが好き。





凪紗以外にも友達はいるけど、それを知っているのは凪紗だけ。





小島)まだ何も言ってないの?

小田倉)うん……
私のこと好きかどうか分からないから……

小島)両想いじゃなきゃ告白しちゃいけないなんてことないよ?笑
それに、〇〇さんがどう思っていようが大事なのは好きって気持ちを伝えること。
言わなきゃ何も始まらないよ?

小田倉)でも…

小島)麗奈がウジウジしてるんだったら、私が〇〇さんのこともらおうかなぁ~笑

小田倉)そっそれはダメ!!

小島)だったら早く告白しなきゃ笑
〇〇さんが大学内でカッコいいって言われてるの、知ってるでしょ?
早くしないと、誰かに取られちゃうよ。
まあ、恋愛をしたことがない麗奈の気持ちも分かるけどね。
〇〇さんのご両親と弟さんのこともあるし……





凪紗は心の内を読むのが上手い。

それも、相手に寄り添った読み方をする。

私にはない、彼女の魅力。





小田倉)分かった…
でも、どうやって伝えればいいか分からない………

小島)ん~~、じゃあデートに誘ってみたら?

小田倉)デート!?

小島)そうそう。
〇〇さん、個人の車とバイク持ってたよね。
ドライブデートとか誘うのアリなんじゃないかな。
〇〇さんドライブ好きなはずだし、誘えばOKしてくれるよ。
それにお嬢様なんだからわがまま言われたら聞くしかないでしょ笑

小田倉)ドライブデート………

小島)じゃあ今度は行先ね?
私のおススメは………

小田倉)ちょ、ちょっと!











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