雇用統計でトレードするときのポイント


FXを始めた頃に、証券会社などのHPやFX関連の情報サイトを見ていると、毎月の始め頃に「今日は雇用統計!」、「月1回のチャンス」、「雇用統計セミナー実施」というような宣伝文句や記事を見る事が多くなります。

初めて見た人はいったい雇用統計ってなんだろうと思いますよね?

今回この記事では雇用時計とはなにか?という点や、雇用統計時の業者選び、雇用統計との正しい付き合い方を中心に解説いたします

経済指標についてはこちらをご覧ください。

雇用統計とはなにか?

雇用統計とは、経済指標と呼ばれるものの一つです。雇用統計自体は全部で10数項目からなる指標です。

全体的な内容はアメリカの雇用者数の情勢を発表するもので先月に就業した人の数や失業した人の数などを発表します。

その中でも特にFXを取引する人に注目されるのが、非農業部門雇用者数と呼ばれるものです。

これは米労働省法務統計局が発表するもので農業を除いた産業部門に所属する事業所の給与支払い帳簿を元に作成された数値のことです。

なお、この数字には農業に従事している人や自営業者は含みません。

対象の事業者数は40万社以上に昇ります。
主に毎月第1金曜日の午後9時30分に発表(冬時間は午後10時30分)されます。

なぜ雇用統計が注目されるのか?

ではなぜ雇用統計、それも非農業部門雇用者数が注目されるのでしょうか?

それはこの雇用者こそがアメリカの景気を表す指標として重要視されているからです。

非農業部門雇用者数がよければ、アメリカの景気は今後もよくなる事が予想されるので、ドルの価格は上昇することが多いです

一方非農業部門雇用者数が悪ければ、アメリカの景気は悪くなるかもしれないという疑念が広がり、ドルの価格は下落することが多いのです。


雇用統計の良い悪いってどうやって判断するの?

でもFXトレーダーは雇用統計の数字の良し悪しってどう判断するの?という疑問が湧いてきませんか?

実は雇用統計の数字の良し悪しを図る判断基準は2つあります。


非農業部門雇用者数の数値に注目!
1つ目は、非農業部門雇用者数が20万人前後よりも上の数値が出るかという点です。

景気の良い時というのは、非農業部門雇用社数は概ね10万円台後半から20万人台後半と幅はありますが、概ね20万人前後の数字になります。

ところが、景気の悪い時というのは、非農業部門雇用者数が10万人台前半〜ひどい時にはマイナスの数値が出る時もあります。

その証拠に2007年のパリパショックから2011年頃までは、数値が良くても10万人を切ることが多く、ほとんどマイナスの数値でした。

ちなみに最近10年程度で一番数字が悪かったのは、2009年5月発表のマイナス69.9万人という数字でした。

このように雇用統計の非農業部門雇用者数は景気を表す指標としてFXだけでなく、株など他の市場にも多大な影響を与える数値なのです。

予想よりも高いのか?低いのかに注目!

そして、2つめの判断基準は、非農業部門雇用者数の数値が、市場関係者が予想した数字よりも良いのか悪いのかという点です。

たとえ、10万人を切るような悪い数字でも、市場関係者の予想をはるかに上回っていれば、サプライズと受け止められ、ドルの価格は上昇することがあります。

逆に2017年や2018年などのようにアメリカの景気が良いと言われていても、市場関係者の予想をはるかに下回るような数字が出れば、もちろんドル価格は暴落することもあります。


初心者は雇用統計時にポジションを持つのは難しい!

さて、ここまで雇用統計について話してきたことを聞いた人の中にはこんなことを思う人もいるかもしれません。

「こんなにドルの価格が上がったり下がったりするのなら、雇用統計時にトレードすればとても儲かるのではないか」と。

結論から言うと、そんなにFXの世界は甘くありません。

確かに、雇用統計前にドル円などのポジションを持って、発表後に思惑通りの方向へいけば儲かる可能性もあります。

しかし、逆に思惑とは反対の方向にいくとどうなるでしょうか?

大損しますよね?

また、中には、雇用統計の発表を待ち、その数字を確かめたり、チャートの動きが一方向に向かったらトレードすればいいじゃないかと考える人もいるかもしれません。

例えば雇用統計の数値が良くてドル円の価格が上がる事を確認して買いポジションを持つことは可能です。

しかし、それはある程度熟練したトレーダーでないと厳しいです。

なぜなら雇用統計の数値が良くても、必ずしもドル円の価格がしばらく上がり続けるわけではないからです。

アメリカやEUの金融政策会合時や米国大統領選挙、どこかの国の国民投票(イギリスのEU離脱投票など)や、突発的な経済に関する事件(パリパショックなど)テロが起きた時も値動きが激しくなり、スプレッドが広くなります。

私はこのような値動きが激しいイベントがある時はできるだけチャートや価格を見るようにしていますが、ひどいFX会社だと、スプレッドの広さが数百pipsの時もありました。

これでは取引しないほうがましで、スイングトレーダーでさえ利益を上げられません。

FXで勝ち抜くためには業者選びも重要

以上の事から、FXの世界で勝ち抜くためには、手法や資金管理、メンタル面も大事ですが、まず選ぶFX業者を間違えていないかという点も大事です。

特に、スキャルピングやデイトレードをやろうとしている人は、約定率やスプレッドはきちんと調べてから口座開設をすることをおすすめします。


雇用統計を勝ち抜くための方法は?

雇用統計に限らず、指標の良し悪しでトレードする人がいますが、そのやり方は博打に近くなります。

指標が良いのか悪いのかは、その時になってみないとわかりません。そして、仮に指標の良し悪しを当てても、必ず思惑通りに動かないのがFXです。


なぜならFXの価格を動かすのは、指標の結果そのものではなく、指標の結果をみた市場参加者の感情だからです。


私たちFXトレーダーも含む市場参加者が、その指標が良かったからドル円の価格が上がるのではありません。

その指標が良かったことで、これから景気が良くなるだろうという感情があるからドル円の価格は上がるのです。


ではどのように取引をすれば良いのか?

まず前提条件として、指標の予想でトレードするのではなく、チャートをみて取引することをおすすめします。

なぜならチャートにはトレードしている人の思惑など全て含めた結果が載っている鏡のような存在だからです。


そして、初心者の方は、まずは雇用統計にいきなり参加するのではなく、雇用統計発表後の相場の流れを見ることです。


指標が予想より良かったが、その通り上がったのか?

それとも最初は上がったけど、すぐに元に戻ってきて、また上がっていくのかというように流れを見るのです。


ちなみに、雇用統計発表後そのまま一気に同じ方向に行くことは多くはありません。


一旦元の水準ぐらいまで戻して再び上がるというようなケースも多くあります。


FXにある程度慣れているプレーヤーは、発表直後の最初の動きにはついていかず、2回目の流れに乗っていく人が多いです。


もう少し噛み砕いて説明すると、ドル円の価格が上がった→下がってきた→再び上がり始めたところで買い注文という形です。


私も雇用統計時にトレードをするならこの方法をおすすめします。
その方がリスクが減ります。


最初の動きに飛び乗ると、一瞬で価格が上下しますし、高い価格で約定してしまうと、大損する可能性も高くなります。


本当に指標が良い結果でドル円が上がる時は、1時間、2時間とほぼ同じ方向に上がっていくことも珍しくないので、あわてる必要はないのです。


いかがだったでしょうか?

まとめると、雇用統計のトレードについては初心者は避けましょう。


そして、雇用統計の時間はスプレッドが開いたり約定が拒否される事もあるので、より条件の良いサクソバンク証券でのトレードをおすすめします。

また、雇用統計は2回目の動きについていけばリスクを抑えながら、その後のトレンドについていけるのです。

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