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2022主要新種牡馬 Half-year Review

2023年の中央競馬が計4日間開催されましたが、昨年の新種牡馬の中央競馬2歳戦におけるパフォーマンスを振り返る、という内容になっております。対象の種牡馬は、マインドユアビスケッツリアルスティールサトノダイヤモンドサトノクラウンデクラレーションオブウォー、そしてシャンハイボビーの計6種牡馬になります。

勝馬率

最も勝馬率が高かったのがマインドユアビスケッツの30%、次いでシャンハイボビーの27%、リアルスティールの25%という結果であり、上位2頭はダート系種牡馬が占めました。今回取り上げる6種牡馬のうち、2020年生まれ全体の勝馬率を下回る種牡馬はゼロでした。

牡馬(せん馬を含む)産駒でみると、シャンハイボビーが最も高く37%、ほぼ差がない2番目がリアルスティールの36%、続いてマインドユアビスケッツの34%であり、Top 3が30%を上回っていました。一方でサトノクラウンの牡馬産駒は振るわず15%と、牡馬産駒全体の勝馬率21%を6ポイント下回っています。

牝馬産駒でみると、牡馬では振るわなかったサトノクラウンがトップの27%、次いでマインドユアビスケッツの24%と、この2頭が勝馬率20%を超えています。牝馬産駒の勝馬率が最も低かったのはサトノダイヤモンドの11%で、この数字は牝馬産駒全体の勝馬率15%を4ポイント下回っています。

勝馬率倍率

勝馬率倍率 = 当該種牡馬の2歳勝馬率 / 当該種牡馬以外の父から誕生した母産駒の2歳戦中央勝馬率 という計算式で表される倍率です。倍率が1.0を上回れば、ザックリと繁殖牝馬のクオリティよりも2歳戦の成績が良かった、一方で倍率1.0未満であれば、そのクオリティよりも2歳戦の成績が悪かった、という意味になります。

この倍率を求めた理由は、勝馬率は繁殖牝馬のクオリティに大きく影響を受けるため、その影響を考慮して評価することを意図したものです。初仔(輸入繁殖牝馬の日本における初産駒を含む)や、きょうだいが中央未出走の産駒が「当該種牡馬以外の母産駒」でカウントされない、また、中央勝馬を多数出したが高齢の繁殖牝馬の割合が多い種牡馬が数字上不利になる場合もありますが、ザックリとした目安としては機能すると私は考えています。

勝馬率倍率が最も良かったのはマインドユアビスケッツの1.80、2番目がシャンハイボビーの1.50、3番目がデクラレーションオブウォーの1.32という結果でした。倍率1.0を下回ったのはリアルスティール、サトノクラウン、そしてサトノダイヤモンドの3種牡馬です。

牡牝別にみると、牡馬ではシャンハイボビー、マインドユアビスケッツ、リアルスティールの順に倍率が高く、倍率1.0を下回ったのはサトノクラウンのみという結果でした。

牝馬では、牡馬では最下位だったサトノクラウンがトップの倍率1.58、次いでマインドユアビスケッツ、デクラレーションオブウォーという結果でした。ディープインパクト産駒種牡馬の2頭、リアルスティールとサトノダイヤモンドの牝馬倍率は、それぞれ0.56と0.43と、繁殖牝馬のクオリティと比べて悪い結果でした。

1走あたりの獲得賞金平均

獲得の「平均値」であるため、高額賞金を獲得した産駒が1頭でもいれば、平均値が高くなる点。またダート系種牡馬は、中央競馬で高額賞金の2歳戦が存在しないため不利に働く点は、予めご留意ください。

獲得賞金の平均値が最も高かったのがトップナイフ(京都2歳S 1着、ホープフルS 2着)を出したデクラレーションオブウォー、2番目が阪神JF2着のシンリョクカを出したサトノダイヤモンド、3番目がマインドユアビスケッツという結果でした。

牡牝別にみたとき、2020年産駒全体平均を下回ったのは、牡馬ではサトノクラウン(マイナス18万円)、牝馬ではリアルスティール(マイナス25万円)とシャンハイボビー(マイナス9万円)という結果でした。

全勝利に占める芝レースの割合

最後に、全勝利数に占める芝レースの割合の集計結果になります。サトノクラウン産駒、サトノダイヤモンドの牝馬産駒は芝レースしか勝っていない、またシャンハイボビーの牡馬産駒はダートレースしか勝っていない、という結果になっています。シャンハイボビーとマインドユアビスケッツはダート種牡馬、サトノクラウン(牡牝問わず)とサトノダイヤモンド(牝馬産駒)は芝種牡馬、そしてリアルスティール、サトノダイヤモンド(牡馬産駒)、デクラレーションオブウォーはバランス型という感じでしょうか。

私見

先に示した4項目の集計結果を踏まえると、この6種牡馬の中では牡牝・芝ダートのバランスも踏まえて、マインドユアビスケッツ、デクラレーションオブウォー、シャンハイボビーがパフォーマンスが良さそうに思います。

残りの3頭については牡牝のバイアス(乖離)が大きい傾向がある点が、上記3頭と比較するとマイナスポイントになります。



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