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零細起業の経営実務(38)職業紹介業の世界

起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているシリーズ。今回は、職業紹介責任者講習に行ってきた話です。

リーゾは人材派遣業の許可をいただいてもうすぐ2年になりますが、同時に職業紹介業の許可申請をしていませんでした。別途お金がかかることと、あまり意義がよくわからなかったことが理由です。

派遣業を始めて、「紹介予定派遣」というものがあると知りました。正社員を雇いたいけど、お試し期間が欲しい、という事業者向けのサービスで、特に問題がなければ一定期間派遣したのちに直接雇用に移行するというものです。めでたく直接雇用となれば、派遣業者は紹介料を受け取ります。

労働者、雇用者、派遣業者、三方ハッピーなシステムです。
でもこれを行うのには職業紹介業の許可が必要なんだそうです。

というわけで先日、職業紹介責任者講習を受けに行ってきました。
上記のようなことを念頭に置きつつも、私にとって職業紹介業のイメージはドラマに出てくる『家政婦紹介所』。前半の法律的な話はともかく、後半、現役の職業紹介業の方が語る話がどうもぴんと来ません・・・。

しばらく聞いてようやく腑に落ちました。一般的に、職業紹介業というのはいわゆる「ヘッドハンティング」のことを指すんですね!そしてそれを行う人をコンサルタント、顧客企業はクライアント、働く人はキャンディデート(候補者)と呼ぶそうです。

コンサルタントとクライアントの契約形態は、成功報酬型が多いですが、社長を探してくるような高度な秘匿性を有する特殊な場合にはリテイナー型(独占&前払)になる、という話もありました。

また、ビジネスモデルとしては『登録型」と『ヘッドハント型』があり、運営モデルとしては求人案件開拓と求職者開拓を分けて担当する『分業型』と、両方をひとりで行う職人的な『両面型』に分かれます。

ざっくり言って、ヒエラルキーの上の人材になるほど『両面型』で『ヘッドハント』になるようですが、中間管理職くらいであれば、まずは職業紹介会社に登録するのが、転職の第一歩みたいです。

登録時の最初の面談では、(1)経歴(2)転職理由(3)今後の希望(職種、報酬)を聞かれるそうです。そのときに、コンサルタントとの間にしっかりと信頼関係を築くのが転職成功の鍵です。

時間をかけて、すごくいい話をまとめたと思ったのに、候補者に辞退されてしまってがっかりしたり、クライアントに落とされたはずの候補者が後日同じ会社に入社しているとわかったり(クライアントとの信頼関係があれば防げたはず)、といった苦労話も聞きました。

気になる紹介料は、契約により、年間給与の3割〜5割を、クライアント側が支払うそうです。労働者側から紹介料を徴収することは法律で禁じられていますので、その点は安心ですが、それだけ多額のお金を雇い主がかけてくれていると思うと、働き始めてからのプレッシャーがすごそうでね・・・。

以上、起業とはあまり関係なさそうですが、転職したい研究者さんにはお役に立つ情報かと思います(大きなお世話?)。

かくいうリーゾは、許可申請に必要な「受講証」を確保できたところで申請作業中断中。書類を揃えて、また労働局通いをせねばなりません。気が重いですがこれも仕事のうち。がんばります。

(2018年6月6日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

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