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零細起業の経営実務(9)商品説明の基本

起業したい、するかもしれない研究者さんのために、リーゾの経験談をお伝えしています。今回は、自分の会社や商品について、最短距離でお客様に伝
えるためのツールをご紹介します。
(前回の内容がご好評だったので、今回も創業塾で習った話です)

会社を作り、商品を開発し、さあ売り込みに行こう!と思ったとします。
目の前に、何も知らないお客様がいたとしたら、自分の会社や商品について、どう説明したらいいでしょうか?

正確に話せば魅力が伝わるかと、細かく詳しく長々としゃべっても、お客様はげんなりするだけ。お客の立場で、誰しも経験していることではないでしょうか。

伝わる説明文を作ることは、ある程度テクニックでなんとかなります。
その方法が、ロジカルコミュニケーションです。4つの項目を埋めて、つなげるだけで、伝わる説明文ができます。

その4つとは
(1)お客様の現状
(2)お客様のなりたい将来
(3)そうできない理由
(4)解決策(ここに、商品やサービスが入ります)
です。

「なんだか嘘っぽい・・・」と思われるでしょうか。私もそう思いました。
創業塾では、隣の人とペアになって、自分が考えている商品についてこの表を埋め、その順に相手に説明してみるというワークをすることになりました。

このときに題材にしたのは「RNAすいすい-S」。
そして説明は、
(1)穀類の胚乳の研究をしたいのにRNAが取れない
(2)少量のサンプルからきれいなRNAを取って、きれいなデータが出て、どんどん研究が進む(バラ色〜♪)
(3)でも澱粉の多い研究材料からの抽出はとても難しくてうまくいかない
(4)RNAすいすい-Sで、脅威の回収率とクオリティを実現!
と、いうものでした(注:多少の脚色あり)。

隣の人は、バイオの知識皆無、商品は「オリジナル牛すじ煮込」という女性。
核酸抽出試薬の魅力を分かってもらうのは、無理だと思ってました。
でも、この方法で説明したあとで、理解した内容を説明してもらったところ、「RNAすいすい-S」の魅力が、ちゃんとわかってもらえてたんです!(もちろん、買う気にはなってもらえませんでしたが・・・)

もうひとつ例を挙げますと、例えばミニアクアリウム※なら、
(1)お部屋にアクアリウムが欲しい
(2)好きなときに眺めたら楽しいし癒される、それにインテリアにもなる
(3)水槽一式を買って、水草をレイアウトして、維持するのは大変すぎる
(4)持ち帰るだけですぐ楽しめて、場所を選ばず、維持も簡単!
となります。

いかがですか? 特に必要のないものでも、「いいね!」と思えてこないでしょうか?
少なくとも、『どういう人の、どういう問題を解決するものなのか』が短時間で伝わることは、お分かりいただけると思います。

問題解決がお客様にとっての『得、楽、便利、面白い』になっていれば、無理に売り込まなくても喜んで買っていただけます。
これがすなわち、マーケティング(売る仕組みづくり)の基本なんですね。
販促ツールを作る前に、ぜひやっておくべきステップです。

創業塾で習った当時のブログ記事はこちらにあります。

※「ミニアクアリウム」は、これです
https://rizo.co.jp/miniaquarium.html

(2015年10月7日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

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