6号機ジャグラーの配列変更に関する考察

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 先日発表されたSアイムジャグラーに関する気になるポイントである配列変更に関する諸々を個人的に結構まじめに考察にしてみました。
考察にあたって6号機と5号機のアイムジャグラーのスペックの把握が前提となるので、まずは6号機アイムのどのあたりが5号機版から変更になったかを見てしていきましょう。

・6号機ジャグラーのスペックについて
 6号機ジャグラーの第一弾となるSアイムジャグラーEXについてのスペック情報は下記のとおりです。参考として5号機版アイムジャグラーのスペックと比較して記載しています。

・ボーナス獲得枚数について
ボーナス獲得枚数については6号機版では
BB252枚
RB96枚

5号機の方は
BB325枚
RB104枚
(5号機は1枚掛けの14枚払い出し、6号機は2枚掛け14枚払い出し)

 ということで、6号機アイジャグは5号機のそれと比べ、BB獲得枚数が70枚程度、RBでは10枚程度下がっています。

・ボーナス確率/機械割について
ボーナス確率と機械割については下記表のとおりです。

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  見てのとおり6号機のほうが全設定で各種ボーナス確率、合算、機械割すべてにおいて5号機より高く設計されています。これはプレイヤーがボーナス獲得枚数の低下を受け入れやすくする為の配慮なのではないかなと思います。枚数以外も5号機に劣っているようでは興が削がれますからね。

 特に大きな特徴としては、機械割に関して6号機の方は特に低設定域が5号機に比べ概ね1%程甘く設計されている点が挙げられます。プレイヤーにとっては機械割アップはありがたいことですが、ホールが運用するにあたっては設定配分のメリハリが付け辛くなり、5号機アイムと比較すると運用はちょっとし辛くなったのかなという印象を受けます。

 ただ、もともと5号機アイムの低設定域はほかの機種と比べると飛びぬけて辛いので、普通の機種なりになったのではないかと思います。

・千円当たりのゲーム数について
 千円当たりのゲーム数は6号機アイジャグは約40ゲーム、5号機のほうは約34ゲームとなっていて、こちらは6号機のほうが大幅に回るようになりました。

・その他の変更点
 そのほかの変更点として、ブドウの配当が5号機の7枚から8枚に変更されています。また、5号機から中リールの配列が変更なっています。こちらが今回の主題になるので後ほど詳しく触れていきますが、主要な変更は7図柄が一つ減ってBARが増えているところです。

以上が6号機アイムジャグラーのスペック並びに5号機アイムとの比較となります。

・で。
さて、ここからが本題です。
この6号機アイムが発表されたタイミングで、業界コンサルのスロキチ氏による配列変更に対する猛烈なディスがまとめサイトにより拡散されました。

 曰く、中リールの7が減ったら目押しができない年寄りが打てない、北電子の開発は市場でジャグラーを打ってない、と猛烈な勢いで批判を繰り広げ、それがまとめサイトに取り上げられた形です。

・スロキチ氏とは
 因みにスロキチ氏どういう方かを書いておくと、日本一小さなスロ専イレブンの店長さんで、その他これまでに多くのホール運営経験を持ち、ジャグラーの運用に長けている事を自負している方です。

 大手ホールすら閉店ラッシュに見舞われている最中、大手とは言えないイレブングループの各店舗が未だに営業中であることが氏の経営手腕を裏付けており、またその手腕を生かすべく現在はコンサルとしても活躍されているようです。

 なので、今回氏が指摘した内容についても、言い方はどうであれ、氏のジャグラー運用の経験則に基づいた分析あっての事なのだと思います。

 但し、事ウェブ上においては恐らく氏のネットリテラシーが低い為か、コンサルとしての発言としては不用意な発言が多く、炎上しがちな要素を多数お持ちなので、度々まとめサイトにお世話になってしまう愛されキャラだったりします。

 業界きっての有名コンサルのグローバルアミューズメント青山氏もそうですが、この業界のコンサルは何故かこういうキャラが多い気がします。みんな大体愛されキャラ。わざと炎上させてるなら敬意を表しますが。

 尚、件のスロキチ氏はパチンコ日報というサイトに同名で寄稿してたはずなので、より氏について詳しく知りたい、興味のあるかたはそちらも読んでみてください。

・配列変更の理由について
 本題に戻ります。
今回変更となった中リールの配列ですが、これには規則上そうせざるを得なかった理由があります。これは自分もツイッターで書きましたがより詳しく説明しますと、5号機6号機共通の規則として、搭載するボーナスの性能に応じて、各リールに配置するボーナス図柄の数に制限がある為です。

・ボーナス図柄の数に関する規則
 規則上、5号機においては、1種BBの最大払い出し上限が360枚以下であればボーナス図柄の組み合わせは21コマ機では12通りまで配置することが出来、361~480枚の払い出し上限の1種BB搭載機は同じ前提であれば6通りまで配置することが出来ます。5号機アイムジャグラーの1種性能はこのうち前者の規則に沿ったものになっています。

 この規則は6号機になった際に、12通りの方は最大払い出し上限が225枚に、6通りの方は226~300枚に改正されました。これにより、BBで250枚付近の獲得枚数を取らせるためには後者の規則に沿った配列、つまり1種BBの図柄の組み合わせが6通り以内としなければいけません。

 因みに、このボーナス図柄の組み合わせの計算方法は、ボーナスが始まる図柄の組み合わせに対し、各リールに配置されているその図柄の数を掛けます。

 例えば赤7・赤7・赤7とBAR・BAR・BARが1種BBとなる機種で、赤7が左リールに2つ、中に2つ、右に1つあり、BARが左に1つ、中に3つ、右に2つある場合、赤7・赤7・赤7に対しての組み合わせ数は2*2*1の4通り、BAR・BAR・BARに対しての組み合わせ数は1*3*2の6通りで、この二つを足して10通りと算定する形です。つまりこの様な配列の機種の場合、5号機なら1種BBは払い出し上限360枚、6号機なら225枚となるわけです。

 また、そのほかの規則として、2種BB搭載機の1種BBについても5号機なら1種BBは払い出し上限360枚、6号機なら225枚となります。

 因みに2種BBにはこの図柄組み合わせ数制限がありません。なんでだろうね。

・アイムジャグラーの場合は?
 5号機アイムジャグラーではBBが1種BBでかつ払い出し上限が360枚以下なので、ボーナスの組み合わせは12通りまで配置出来ます。なお、1種BBの図柄組み合わせ数は左リールに赤7が2つ、中に2つ、右に1つの計4通りとなり、BBのみであれば360枚を超えるボーナスを搭載できる配列となっています。但し、RBが2種BBとなっているため、結局払い出し上限は360枚までとなります。

 6号機アイムジャグラーの場合は1種BBの終了条件が280枚を超える払い出しなので1種BBの組み合わせ数は6通りまでとなり、またBB枚数の制限からRBも1種BBとなっているようです。

 因みにRBは純粋なRB(1種役物)でないと推測した理由は、営業資料を見た感じ、RB、BB共に~枚を超える払い出しで終了の記載があったためです。RBが純粋なRBであれば表記は「○○回作動または○回入賞で終了」という4号機でよく見かけた形となるはずですので。

 そして、BB、RB共に1種BBである為、5号機アイムと同配列とすると、1種BBの組み合わせは7・7・7と7・7・BARで、図柄組み合わせ数は左に7が2つ、中に7が2つ、右がBARと7で2つで計8通りとなってしまい規則に適合できないので、中リールの配列を変更した、というのが配列変更の理由と推測できます。

・でも実は配列変更はいらなかった?
 
 ところがこの6号機アイムのボーナスのスペックであれば、RBを純粋RBにしても実現することができます。
 具体的にはRBを純粋なRBとする、というのがその手法です。営業資料にはRB相当の1種BBの終了条件は98枚を超える払い出しで終了と書いてあり、この場合14枚を8回取ることで条件を満たせます。8回というと純粋なRBの最大入賞回数と同じなのでRBを1種BBではなく純粋なRBにしてしまえば、RBの組み合わせが1種BBの図柄組み合わせ数からも除外されるので5号機の配列そのままで規則に適合させることができます。

・本当は違う理由があるんじゃないか
 ではなぜ北電子は上記手法を取らなかったのでしょうか。

 まず、配列をもっと詳しく調べたところ、6号機アイムの配列は実は初出の配列ではありませんでした。実はこれ5号機GOGOジャグラー2と同一の配列となっているんです。5号機アイムジャグラーの配列ではなく敢えてGOGOの配列にした理由は図柄数問題だけではなく、スペックが関係しているのではないかと推測しました。

・GOジャグの特徴と試験対策
 GOGOジャグラーといえば千円当たりの回転数が低い代わりにボーナス確率が高いタイプのジャグラーで、配列の特徴として

 ・チェリーが2種類(狙っても取れないチェリーがある)
 ・ボーナス図柄が少ない(中リールの7が一つ)

という2点がありますが、これが実はGOジャグ特有のスペックの実現を容易にする要素だったりします。

 保通協の試験は大きく分けて所謂検定神が打つ、小役取りこぼしなし、ボーナス成立ゲームで即揃えのシミュレーション試験と、小役が成立しようがボーナスが告知されていようが全開親父打ちの実射試験の2種類があり、この2種類の試験で出玉率と役物比率が規則に規定されている値以内であれば適合となります。出玉率は機械割のことなんで置いておいて、役物比率について説明すると、平たく言えば試験上の獲得出玉におけるボーナスによる獲得分の比率のことです。

 GOジャグ配列は5号機アイム配列と比較した場合、下記のようなメリットが得られます。

 ・シミュレーション試験時はチェリーを全て取得する=役物比率が下がる

 ・実射試験時はチェリーが半分以下しか取れない&ボーナスが揃う可能性が下がるのでボーナス成立後のゲーム数が長くなる=出玉と役物比率を抑えやすくなる

 これによって、千円当たりの回転数が低くてボーナス確率が高いという性能を実現しやすくしているんですね。

・6号機アイムがGOジャグ配列になってる理由の推測
 6号機版アイムジャグラーはスペック的には5号機アイムに極力近い形を目指して設計されていますが、保通協の試験上、規則改正による機械割の制限以外にもう一つ不利になっているところがあります。それが、1種BBオンリータイプにしたことによる役物比率の制限強化です。

 5号機アイムやGOジャグの場合1種BBと2種BBを搭載しているのでボーナスによる出玉獲得分が70%を超えなければOKとなっていますが、6号機アイムのような1種BBのみのタイプはこれが60%までとなり、より厳しくなっています。

 したがって、6号機アイムでは千円当たりの回転数を上げることでこれをカバーしている形となっていますが、ボーナス確率は5号機アイムより高く、それでも出玉、役物比率の試験が厳しいので、適合する可能性を高める
為にGOジャグの配列を採用したのではないでしょうか。

・プラスアルファの理由
 また、GOジャグは現在も稼働している比較的人気のジャグラーで、市場で受け入れられている実績がすでにある機種なので、北電子はあえて配列を弄繰り回す冒険をせずに、6号機アイムに採用したのではないかと思います。

・配列変更の結論とその影響
 結論としては、配列変更は保通協の試験により適合しやすくするための対策というところが大きいのだと思います。

 また変更による印象変化を最小限に抑える最適解として既に市場で受け入れられているGOジャグの配列とすることを北電子は選択したのではないでしょうか。

 おそらく、プレイヤーの大半が配列が変更されていることにすら気づかずに打つと思うので、この方向性は正解だと思います。

・以上
 クソ長い妄想を最後まで読んでくれた貴方は多分スロキチです。あ、個人名ではなくスロキチ〇イの略称ですよ勿論。ありがとうございました。 

・修正ログ
1/14 5号機の方のボーナス性能間違えてたので修正しました。てへ。

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